猫の模様は何種類ある?柄の名前や性格について解説!

皆さんは猫の模様といったら、どんな模様を想像しますか?

キジトラ?それともサバトラ?

ここでは、そんな猫の模様について詳しく解説!
これを見たら、猫の模様について詳しくなれるかもしれませんよ!?

猫の模様は何種類あるの?

猫の模様

猫の模様や柄は何種類あるかご存知でしょうか。実は、24種類ほどに分類されるといわれています。

ベースとなる毛色となるのは大きく分けて8種類となります。

  • グレー(灰色)
  • キジトラ
  • サバトラ
  • サビ
  • 茶トラ
  • 三毛(ミケ)

そして柄に関しては大きく分けて4種類になります。

  • 全身模様
  • 白混ざり
  • トビ柄
  • 薄模様

これらの組み合わせによって猫の模様が決まるため、大まかに数えると約24種類の模様が存在し、それぞれに名前も付いています。

単色の毛色だけでもバラエティに富む!

ベースとなる被毛の1本1本の色は「白」「黒」「茶」「アグチ毛」の組み合わせになります。

アグチ毛とは、先端から根元にかけて黒、茶、黒のしま模様の毛のことを指します。熱帯雨林に生息するげっ歯類「アグーチ(agouti)」の毛色にちなみ、アグチパターンと呼ばれています。

日本の猫で見かける単色といえば「白猫」「黒猫」「茶トラ」の3色になりますが、海外ではさらに多くの毛色があり「グレー(ブルー)」「クリーム」「シナモン」「チョコレート」「フォーン」「ライラック」などの柔らかい色味の毛色が見られます。

元々淡い毛色は日本に存在していませんでしたが、海外から多くの猫が日本に入ってきたことで日本の猫と交配し、今では日本でも淡い毛色の猫の遺伝子を持った猫が多く存在します。

猫の模様①:トラ猫

トラ猫は「マッカレルタビー」という正式名称があり、マッカレル(mackerel)とは魚の「鯖(サバ)」のことを意味します。サバのようなしま模様が入っていることから、この名前が付けられたそうです。

またトラ猫を細分化すると、茶色と黒色のしま模様がある「キジトラ」、シルバーと黒色のしま模様がある「サバトラ」、オレンジのしま模様がある「茶トラ」の3タイプに分類されます。

ここでは、3タイプに分類されるトラ猫について見ていきましょう。

キジトラ

「キジトラ」の毛色は、茶色をベースに黒色のしま模様が入っているのが特徴です。色合いやしまの濃淡は個体差がありますが、しっぽの先端は黒の単一カラーとなっています。

キジトラの毛色や模様は、全てイエネコの原型でもある「野生型」と呼ばれ、猫にとって保護色となります。

別名「ヨモギ猫」や「藤猫(ふじねこ)」と呼ばれています。

代表的な猫種
・雑種

サバトラ

グレーがかかったシルバーをベースに、黒色のしま模様が入った猫のことを「サバトラ」といいます。

サバトラと呼ばれる理由は、シルバーに模様が入った姿がまるで海に泳ぐ「鯖(サバ)」に似ていることから呼ばれるようになりました。

またサバトラの中でも、おなか側に白が入る模様を「白サバ」、サバ模様のエリアが広いと「サバ白」と呼ばれ、さらにおでこの模様が漢字の「八」の字になるハチワレタイプの猫も存在します。

ちなみにサバトラの正式名称は「シルバーマッカレルタビー」もしくは「ブルーマッカレルタビー」とされ、短毛と長毛の2種類が存在します。

代表的な猫種
・雑種

茶トラ

「茶トラ」は、明るめのオレンジブラウンをベースに、茶色のしま模様が特徴的な猫です。その色の入り方や色味によって違いがあり、3パターンに分かれるといわれています。

茶白
顔まわりや顎、おなかに白い被毛がありながら、茶トラ柄のゾーンが多い猫。
白茶
白をベースに、頭やしっぽにポイントのような茶トラ柄がある猫。
まるどら
全身がトラ柄で白いゾーンが少ない猫。

また毛色は別名「きつね色」といわれ、その色合いが生姜にも似ていることから海外では「ジンジャーキャット」と呼ばれています。

代表的な猫種
・アメリカンショートヘア
・マンチカン
・スコティッシュフォールド
・ノルウェージャンフォレストキャット
・メインクーン

猫の模様②:二毛猫、三毛猫

よく二毛猫は三毛猫と間違えられますが、二毛猫は黒と茶が全体的にグラデーションされた模様の猫のことを指します。その色合いがカメの甲羅に似ていることから日本では「べっ甲」、海外では「トータスシェル(トーティシェル)」と呼ばれています。

また三毛猫といえば、猫の種類と勘違いされる方も多いかと思いますが、実は日本猫の柄の1つ。「黒」「白」「茶」の3色の毛を持つ猫のことを指し、黒と茶色の毛色に白のブチが入っています。

親から引き継がれる遺伝情報「染色体」の関係で、三毛猫はメスが生まれる比率が高いとされ、オス猫が生まれる確率は1万分の1とされています。

サビ猫(黒二毛)

「サビ猫」とは、少し錆びついた色合いの被毛を持つ猫のことをいいます。毛色は主に黒と茶色がベースとなり、不規則に入り混じった柄をしています。

またサビ猫にはサビ猫とべっ甲の2種類が存在します。

サビ猫
黒に茶トラ柄が混ざった斑点
べっ甲
茶トラ柄に黒が混ざった斑点

そのためサビ猫は、同じ柄や毛色が存在しないといわれるほど、とても個性的な猫といえます。

代表的な猫種
・雑種
・まれにペルシャ猫、トンキニーズ、ブリティッシュショートヘア

キジ二毛、キジ三毛

「キジ二毛」は、キジトラと茶トラがMIXされた模様の猫を指し、別名「麦わら猫」と呼ばれています。胴のしま模様がぼやけて見えたり、まだら状に茶色い毛があったりします。そのため、海外では「タビートーティ―(しまサビ)」と呼ばれているそうです。

一方キジ三毛は毛色の対比が少なく、柄がハッキリしない猫のことをキジ三毛といいます。
キジ三毛は、白と赤に付け足される色がペールオレンジ(うすだいだい)や灰色などの、比較的薄い色になります。

また柔らかい色合いから「ダイリュートキャリコ」「パステルミケ」と呼ばれています。

代表的な猫種
・雑種

黒三毛

黒三毛とはいわゆる「三毛猫」のことを指します。黒と茶色の被毛に白のブチが入っている模様が特徴です。黒・茶・白といったそれぞれの毛色の境がくっきりしています。

代表的な猫種
・雑種

猫の模様③:ブチ猫

ブチ猫は、黒と白のなどの2つの毛色を持つ猫のことを指し、別名「ホワイトスポット」と呼ばれています。また、ブチ猫という呼び名は猫種に特定せず、日本猫や長毛種にも使われています。

ブチ模様の猫が生まれるのは、一部分を白くする遺伝子(S)があることから、足→おなか→胸→背中といった順に白くなる傾向があり、おなか側が黒くて白ということはないそうです。

さらにブチは、言い換えるとそれぞれ「黒ブチ(黒白)「茶ブチ(茶白)」「キジブチ(キジ白)」となります。

黒ブチ

黒い被毛に白色が入っている猫のことを「黒ブチ(黒白)」と呼びます。白と黒の比率によっては「黒白猫」「白黒猫」と呼ばれることも。

また黒い被毛が顔周りにあると「ハチワレ」、胸元では「タキシード」、足元の場合は「靴下」といった愛称で親しまれています。

代表的な猫種
・雑種
・ノルウェージャンフォレストキャット
・コーニッシュレックス
・ジャパニーズボブテイル
・スコティッシュフォールド

茶ブチ

茶トラの被毛に白色が入っている猫を「茶ブチ(茶白)」と呼びます。

ちなみに足先やおなかに白い被毛が入っている猫は「茶ブチ猫」と呼ばれます。

代表的な猫種
・雑種

キジブチ

キジトラに白い被毛が入っている猫を「キジブチ(キジ白)」と呼びます。

キジブチは比較的白い被毛の割合が多めですが、しっぽには大抵キジのしま模様が出ていることが多いです。

代表的な猫種
・雑種

猫の模様④:タビー

タビーとはしま模様のある猫のことを指します。このタビーと呼ばれる模様は、はっきりしたしま模様だけではなく、スポット、トラ柄、ブチなども含まれます。

一見「しま模様じゃないのに、タビーに分類されるの?」と思われがちですが、タビーと呼ばれる模様は幅広いのが特徴です。

ちなみに「タビー(Tabby)」の意味は、動物全般の被毛にある❝しま模様❞に当たります。ただ動物の中でも、特に猫の被毛に対して表現されることが多いため、猫の模様として浸透しています。

クラシックタビー

海外の猫に多い「クラッシックタビー」。例えるなら、アメリカンショートヘアの模様をイメージすると分かりやすいかと思います。

クラッシックタビーは体や足、しっぽなどに太いしま模様があり、体のサイドはうずまき模様のようになっています。

純血種の猫に多い柄ですが、なかにはミックスの猫にも存在するようです。しかしこの模様は劣性遺伝のため、数は少ないといわれています。

代表的な猫種
・アメリカンショートヘア
・スコティッシュフォールド
・マンチカン
・ノルウェージャンフォレストキャット

アグーティタビー

一見、しま模様がなさそうに見える「アグーティタビー」ですが、実は毛の1本1本に濃淡な細かいしま模様があります。

クラッシックタビーやマッカレルタビーよりも強い遺伝子を持ち合わせていることから、掛け合わせて生まれてくる猫のほとんどが「アグーティタビー」になるといわれています。

代表的な猫種
・アビシニアン
・ソマリ
・シンガプーラ

スポテッドタビー

体の両側に点々とした斑点模様がある猫のことを「スポテッドタビー」と呼び、ヤマネコとの交配で作出されたベンガルのヒョウ柄は「ロゼット」と呼ばれています。これは突然変異ではなく、人の手によって品種改良された結果だといわれています。

ちなみに、サバトラのしま模様が途切れて斑点のようになった猫も、スポテッドタビーに分類されます。

代表的な猫種
・ベンガル
・オシキャット
・エジプシャンマウ

タビーポイント/シールポイント

ポイント部分にしま模様が入っている猫のことを「タビーポイント(リンクスポイント)」と呼び、温度の低い末端部分に濃いしま模様が出るのが特徴的です。

また「シールポイント」は黒に近い濃いめの茶色が耳、鼻、足先、しっぽといった箇所に見られる模様です。これは遺伝子の性質上、温度が低い場所の色が濃くなるようです。そのため、同じ猫でも夏と冬では毛の色が変わることがあります。

代表的な猫種
・ラグドール
・シャム猫
・マンチカン

その他の模様について

ここまでに色々な模様について見てきましたが、番外編として4つの模様についてご紹介したいと思います。

ハチワレ

頭の額から漢字の「八」のように鼻に沿って割れている模様の猫を「ハチワレ」といいます。

元々漢字では「鉢割れ」と書くのですが、頭(兜)が割れるのは不吉だということから、末広がりとして縁起の良い漢数字の「八」になったそうです。

ちなみに日本でも多い模様である「ハチワレ」ですが、血統書付きの猫でも100種類を超えるともいわれています。またハチワレは毛色に関係なく、額から八の字に割れていれば全て「ハチワレ」に分類されるそうですよ。

代表的な猫種
・雑種
・マンチカン
・スノーシュー
・スコティッシュフォールド
・ノルウェージャンフォレストキャット など

ポインテッド

鼻先や足先だけに色がある毛柄のことを「ポインテッド」と呼びます。ポインテッドは、温度によって発色したりしなかったりするため、面白い毛柄としても有名です。

例えば低い温度の場合は発色しますが、高い温度の場合は白くなるだけという性質を持っています。

そのため、鼻先や足先、しっぽだけに色が付くのは体温が低い場所とされており、その理由は猫が本来持ち合わせている「サイアミーズ遺伝子」が関係しているといわれています。

代表的な猫種
・シャム猫
・トンキニーズ
・ヒマラヤン
・ペルシャ
・エキゾチックショートヘア

ヒョウ柄

不規則な濃淡の斑点模様がある猫のことを「ヒョウ柄」といいます。

このヒョウのような模様は「ロゼット」といい、数ある猫種の中でもベンガルしかいない模様だといわれています。

代表的な猫種
・ベンガル

靴下

両足の部分だけ色が変わっている猫のことを「靴下」と呼び、海外では「スノーシュー」と呼ばれています。この模様は、黒猫や茶トラ、キジトラやサバトラなどに多く見られるようです。

国によって「幸運の象徴」として親しまれていることもあれば、逆に「不幸の象徴」として考えられることもあるようです。

代表的な猫種
・雑種
・メインクーン など

模様や毛色によって性格はわかるもの?

猫の模様や毛色に性格の関連性があるかといわれると、正直なところ「ある」とは断言できません。その理由は、個体差や育った環境などによって大きく影響するからです。

しかし、ヤマネコの血を受け継ぐキジトラは警戒心が強く、すぐには心を開かない傾向にあるようです。
また反対に人に保護されたり、作出されたりして増えた模様や柄の猫は人懐っこく、協調性が高い傾向にあるといわれています。

模様や毛色についての豆知識

猫の毛の色や模様は本当に多彩ですね。

そんな猫たちについてもっと知りたいと思いませんか。

ここでは、猫に関する豆知識を3つご紹介したいと思います。

猫の祖先はキジトラ?

現在私たちの身近にいるイエネコは、野生のヤマネコが家畜化されたものです。

DNAの解析結果によると、イエネコの祖先は大昔の中東砂漠などに生息していたキジトラ柄の「リビアヤマネコ」である可能性が高いと考えられています。

また古代エジプトでは、宗教的な習慣や儀式などにより、猫をミイラ化して埋葬していました。そのミイラ化した猫を調査したところ、いずれもイエネコの祖先でもあるリビアヤマネコと同じような模様していたことが判明したのです。

こうしたことから、大昔に生息していた猫の多くはキジトラ柄であったと考えられています。

なかには突然変異で異なる色や模様の猫が生まれていたようですが、リビアヤマネコの生息地域であったサバンナや砂漠などでは、キジトラ柄以外の猫たちは淘汰とされ、生き残るは難しかったと推測されます。

しかしイエネコとして人と暮らすようになってからは、キジトラ柄以外の猫も生き残れるようになり、バリエーション豊かな猫が増えていったのです。

血縁関係にあっても模様や毛色は違う?

メス猫は1週間前後の短い発情期間に、たくさんのオス猫と子どもを作ります。私たち人間の場合、1人の母親と父親の遺伝子を受け継いで生まれてきますが、メス猫の場合は異なるオス猫の子どもを同時に妊娠することができます。そのためきょうだいであっても、毛色や模様が違うことがあるのです。

またそれ以外にも卵子が持つ遺伝子に応じて、様々な毛色や模様を持つ猫が生まれてきます。そのため、顔立ちや身体的特徴なども異なる場合があり、例え一緒に生まれたきょうだいだったとしても、似ているとは限らないのです。

一方、毛色が決まっている純血種に関しては、卵子が持つ毛色の遺伝子の種類を、その猫向けにコントロールしているため、似ている毛色が生まれてくるようです。

模様や柄は遺伝で決まる?成長すると変化することもある?

基本的に親から受け継ぐ遺伝子によって、生まれてくる猫の毛色や模様が決まります。

しかし、これらを決める遺伝子は多くのパターンがあるため、どのような模様や柄の猫が生まれてくるか予想することはできません。

また、成長と共に毛色や柄が変化することもあります。生まれてきたばかりの頃は、ぼんやりとした色合いでも、成長するにつれてくっきりと出るようになります。

そのため色や模様で子猫を選んだとしても、それがそのままの色や模様で成長するかはわからないということです。

まとめ

猫の毛色や模様、柄は遺伝子の組み合わせによって決まることが分かりましたが、その種類は多種多様です。

なかには珍しい模様の猫もいるため、遺伝子の組み合わせ方によっては1,000通り以上あるともいわれています。

たとえ似たような柄であったとしても、全く一緒ということがないので、それぞれの猫が持つオンリーワンの模様だということがわかりますね。

もしこれから猫をお迎えする方は、猫の毛色や模様、柄などを参考にしてみてはいかがでしょうか。

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