成猫は飼いやすい!おとな猫のお迎え方法やメリットをご紹介

成猫は飼いやすい

成猫は飼いやすい!おとな猫のお迎え方法やメリットをご紹介

近年コロナ禍の影響もあってか、ペット需要が高まりを見せています。

なかでも人気があるペットは猫であり、飼うなら「子猫がいい」という人が圧倒的多数を占めています。

その背景には日本独自の文化が影響しており、特にペットには「小ささ」「幼な」を求める傾向があります。そのため里親サイトなどを見ても、子猫の貰い手はすぐに見つかるのに、成猫だとなかなか貰い手がつかないことも。

でも実は初めて猫を飼う人、ひとり暮らしや共働き世帯の人ほど、子猫よりも大人の猫の方が飼いやすいってご存じでしたか?

本記事では成猫の魅力から、気を付けるべきポイントまでを見ていきましょう。

成猫から飼うことのメリット5つ

成猫から飼うことのメリット5つ

もしもこれから「猫を飼いたい!」と思ったら、ぜひ成猫という選択肢も入れてみてください。

確かに子猫からの成長過程を楽しむことはできませんが、子猫にはないメリットがたくさんあるんです!

あらかじめ性格を把握できる

成猫は、子猫と違って”本来持っている性格”を把握することができます。

そのため「おとなしい子がいい」「遊び好きな子がいい」「甘えん坊な子がいい」など、性格から判断したり、飼い主のライフスタイルや希望に合わせて選んだりすることが可能です。

また成猫は成長が終わっているため、それ以上大きくなることはありませんし、模様が変化することもありません。より自分好みの猫を探せるメリットがあるといえます。

健康状態が安定している

子猫の場合、生後2~3ヶ月を過ぎると母猫の初乳に含まれる免疫がなくなるため、伝染病やさまざまな感染症にかかるリスクが高まります。

また体力のない子猫の場合、下痢や嘔吐を繰り返して衰弱することも少なくありません。そのため日々の健康管理に気を抜くことができませんし、家を長時間留守にする際は難しいといえるでしょう。

その点、成猫の場合は免疫力や病気への抵抗力がある程度ついているため、体がとても丈夫です。

もちろん成猫であっても健康管理は必要不可欠ではありますが、子猫に比べれば医療費は少なく済む可能性は高いですし、時間的コストも軽減できるので、飼い主の精神的ストレスも緩和することができるのではないでしょうか。

すぐに留守番させられる

旅行や出張などで家を空けることが多い人は、断然成猫がおすすめです。

子猫は1日に8回程度、子猫の活動ペースに合わせながら、2~3時間おきに食事を与える必要があります。もしも数時間栄養を取れないでいると低血糖を起こしてしまい、命に関わる危険性があるからです。

さらに好奇心旺盛なので、思わぬ事故に繋がることも。

一方成猫の場合、お水とフード、そしてトイレを頭数に対してプラス1個準備していれば、2日程度の留守番は可能です。また子猫ほど激しい遊びはしませんし、1日の大半は寝て過ごしているため、安心して出掛けることができますよ。

しつけがしやすい

猫は大変綺麗好きですし、本能的に砂の上で排泄することを理解しています。

個々の性格にもよりますが、成猫はトイレの場所さえ把握できれば、習性としてトイレで排泄をしてくれるので、しつけもしやすいといえるでしょう。

ただし、トイレが汚れていると「ここではできない」と不満がたまり、トイレ以外の場所で排泄をしてしまうことがあります。

常にトイレは清潔な環境を維持してあげてくださいね。

落ち着きがある

子猫は好奇心旺盛でとてもパワフル。昼夜を気にせず、元気に遊び回ることもしばしばあります。
なかには体力が有り余りすぎて、カーテンや障子が破られたり、テーブルや棚に置いてあるものを破壊されたりするケースも。

それに比べて成猫は落ち着きがあるので、あまり手がかかりません。また成猫は基本的に変化や騒々しさを嫌います。ひと通り家の中を見回れば、やたらと暴れまわったり破壊したりすることはないでしょう。

成猫から飼うことのデメリット

成猫から飼うことのデメリット

成猫を飼うことは、メリットばかりではありません。

もちろんデメリットも存在しますので、あらかじめ把握・理解するべきポイントをまとめました。

懐くのに時間がかかることがある

猫には習性として「ネオフォビア」と呼ばれる現象が見られることがあります。これは、目新しいものを避ける傾向のことをいいます。

子猫のうちは好奇心旺盛なので、新しいものを比較的受け入れやすいですが、成猫になると個体差はあるものの、警戒心が強くなる傾向にあります。

そのためどうしても、新しい環境に慣れるのに時間がかかってしまうのです。

しかしブリーダーのもとでお世話をされていたリタイア猫の場合、一定期間を家族や仲間と過ごしながら社会性を身につけていますし、素直で明るく、人懐っこい子が多いといわれています。
そのため比較的早く、新しい環境に慣れてくれるかもしれません。

一方、虐待や人間へのトラウマがある猫の場合は、懐くまでに時間を要することがあります。そのため猫の気持ちを尊重しながら、1匹1匹にあった飼い方をしてあげてください。そうすればきっと心を開いてくれるようになりますよ。

子猫時代が見られない

小さな体でテクテク歩く姿や一生懸命ごはんを食べる姿は、子猫にしか見られない特徴的な光景であり、癒されますよね。

また大きな瞳とふっくらとした丸い顔は愛嬌たっぷりですし、母性本能をくすぐられる方も多いかと思います。

成猫は子猫に戻ることはできませんので、そういった子猫時代にしか味わえない姿を見られないのは、少し寂しさを感じるかもしれません。

外に出たがり脱走する可能性も

元々外で飼われていた、もしくは家と外を行き来していた猫を突然完全室内猫にしてしまうと、ストレスを感じてしまいます。

ちょっとした隙間から脱走をしてしまうことがあるため、窓や玄関などに対策をする必要があるといえるでしょう。

ただブリーダーの元にいたリタイア猫の場合、完全室内飼いの子がほとんどですので、そういった面は心配する必要はないかもしれません。

発情期の問題行動が残る場合がある

猫に不妊手術(避妊や去勢手術)をする目的は、望まない妊娠・出産だけではありません。
発情期の問題や、乳腺腫瘍などの性ホルモンに関連する病気の予防ができるといわれています。

また不妊手術をすると発情期による大きな鳴き声やマーキング行動を抑止することができたり、交尾ができないストレスを防止することにも繋がったりします。

しかし成猫のように一度でも発情期を迎えたことのある猫は、不妊手術を受けさせてもこのような問題行動が収まらない可能性があります。

多頭飼育になる場合

多頭飼育になる場合

先住ペットがいるご家庭で「もう一匹、猫をお迎えしたい!」と思ったとき、何よりも大事にしていただきたいのが『先住ペットとの相性』です。

もちろん新しく迎え入れる猫にも配慮が必要ですが、お互いの相性やストレスレベル、健康状態などを確認することが大切です。

ここでは猫同士の相性、さらには犬や他の動物との組み合わせについても相性の良し悪しを解説していきます。

相性の良い成猫同士の組み合わせ

先住猫 後住猫 特徴
オス(去勢済) オス(去勢済) 去勢手術済みの場合、性衝動がなくなるため繁殖期に争うことがなくなる。比較的良好な関係を築きやすい
オス(去勢済) メス(避妊済) お互い不妊手術を受けているため、繁殖期における性衝動がなくなり、問題行動もなくなる
メス メス オスほど縄張り意識が強くないので仲良くなりやすい

先住猫(メス)が避妊済み、後住猫(メス)は未避妊の場合、攻撃的になる可能性は低いものの、未避妊のメス猫に本能的な性衝動が残っていることから問題行動を見せる危険性があります。

新たに猫を迎え入れた場合は、トラブル抑止のためにも不妊手術を行うことが望ましいといえるでしょう。

注意が必要な成猫同士の組み合わせ

先住猫 後住猫 特徴
オス(未去勢) オス(去勢済) 未去勢のオス猫は、繫殖期になると攻撃性を発揮する恐れがある。また、去勢済みのオスが一方的に攻撃対象になることも
オス(未去勢) オス(未去勢) 繁殖期のタイミングでライバルとして認識し始め、激しいケンカ・大声で鳴きわめく、柱にスプレー行動をする危険性がある
オス(未去勢) メス(未避妊) 繁殖期に入ったタイミングで双方が問題行動を見せる。また高い確率で繁殖行動にでるリスクもある

不妊手術をしていない成猫のオス・メス同士で飼い始めると、高い確率で繁殖行動に出てしまいます。交配の予定がなければ、不妊手術(避妊去勢手術)をするようにしましょう。

特にオス猫は、去勢手術をしていないと縄張り意識が強くなります。

もし一方だけが不妊手術が済んでいる場合に関しても、あまり良い組み合わせとはいえません。繁殖期になったタイミングで生殖能力を持った猫は、特有の行動を見せ始めるからです。

例えば未避妊のメス猫の場合「大声で鳴く」「ゴロゴロ転げまわる」「おしっこをまき散らす」など問題行動を起こします。また未去勢のオス猫の場合は、メス猫にしつこくつきまとったり、のしかかったりしてうなじに噛みついてしまうことがあります。

不妊手術をしていない猫は欲求不満となり、不妊手術済みの猫はストレスになる恐れがあるので相性は良いといえないでしょう。

先住ペットが猫以外の場合

先住ペット 相性 特徴
それぞれの居場所をきちんと用意してあげれば可能
ウサギ 生活のリズムが似ているため、同居がしやすい組み合わせ。
フェレット
ハムスター 猫が本能的に獲物だと思い、襲い掛かってしまう危険性がある
金魚、熱帯魚
爬虫類

先住のペットが犬やウサギ、鳥などであっても棲み分けがきちんと出来ていれば飼うことは可能です。

しかし、そもそも動物の種類が異なるため、同居する上で大変なことはもちろんあります。

それはお互いの価値観に違いがあるからです。

例えば犬と猫の場合、普段の行動や生まれもった習性が違います。そのため無理に仲良くさせようとしても、逆にペットたちにストレスを与えてしまう恐れがあります。

犬と猫の同居を始める際は、先住犬の性格を見て同居に向いているのか判断してあげてください。

またウサギやフェレットに関してですが、猫と共通する点が多いことから同居は比較的しやすいといわれています。

ウサギも猫も基本的にマイペースな性格が共通していること、1日の活動サイクルも似ているため同居しやすいといわれています。

フェレットも同様に、猫と習性が似ていることから同居がしやすいといわれています。ただしフェレットの適正温度が23~25℃のため、室内環境をフェレットに合わせる必要があります。

それ以外のハムスター、鳥、金魚や熱帯魚、爬虫類などに関しては同居は難しいといえます。猫は自分より体が小さく動くものを必然と獲物だと認識してしまうからです。

どうしても猫と小動物を一緒に飼うのであれば、飼育するスペースを分けることが絶対条件といえるでしょう。

成猫をお迎えする方法

成猫をお迎えする方法

「成猫をお迎えしたい!」そう思ったとき、どこに行けばお迎えすることができるのでしょうか。

野良猫を保護する

年々野良猫は減少傾向にあるので探すのは難しいと思いますが、成猫をお迎えしたいと思ったら野良猫を保護する方法があります。

ただし、野良猫の健康状態をすぐに把握することができませんし、場合によっては人にうつる感染症を持っている場合があります。

また首輪がついていないからといって、野良猫とは限りません。本当に野良猫かどうか最寄りの警察署や交番、保健所にて迷子届(紛失届)が出ていないか確認をするようにしましょう。

保健所や保護団体からお迎えする

成猫をお迎えする方法として、保健所や保護団体からお迎えする方法があります。

里親募集サイトや各団体のホームページなどに多く掲載されていますので、自分に合った好みの猫を探すことができます。

ただし、各保健所や保護団体によっては里親になる条件がありますので、どうすれば里親として迎え入れることができるのか事前に問い合わせてみるとよいでしょう。

またなかには、動物病院で里親を募集しているケースもあります。一度、近所の動物病院に足を運んでみてもよいかもしれませんね。

ブリーダーのリタイア猫をお迎えする

健康で人慣れした成猫をお迎えするなら、ブリーダーからお迎えする方法があります。

ブリーダーのもとで子猫を産む役割を果たしていた猫は、繁殖適齢期が過ぎると「リタイア猫(繫殖引退動物)」と呼ばれ、引退後は一般家庭で愛情に満ちた生活を送って欲しいと、子猫よりも安価な値段でお迎えすることができます。

まとめ

まとめ

猫の寿命は今や20年以上になることも多くあるといわれています。
そのうち子猫の期間はたったの1年ほど。その期間のために、猫を飼う選択肢の中に成猫を入れないのはもったいないかもしれません。

なかには「成猫は懐いてくれないんじゃ…」と心配する方もいると思います。
もちろん、今までその猫が暮らしてきた環境によって慣れるまでに時間がかかるかもしれません。

しかし猫は飼い主が自分の世話をしてくれる、遊んでくれる、危険なことから身を守ってくれると認識すると、徐々にあなたのことを信頼し、慣れてきます。

愛情をもってお世話をすれば、成猫を飼うことになんら問題はないのです。

これから猫を飼う人は、ぜひ成猫をお迎えするという選択肢も考えてみてくださいね。

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