猫が爪とぎをする意味は?防止方法や作り方も

猫の飼い主さんであれば、愛猫の爪とぎで困ったことは1回や2回あるのではないでしょうか。最初はかわいらしく思えても、成長するにつれ傷が大きくなり範囲も広がるため、放ってはおけなくなってくると思います。

本記事では爪とぎで困っている方のために、猫はなぜ爪をつぐのか、その理由や対処法を解説します。

猫が爪とぎする意味って?なぜ?

猫の爪とぎ

猫の飼い主さんであれば、爪とぎで困った経験がある方は多いのではないでしょうか。

飼う側からすれば問題行動でも、猫からすれば必要なことでそれなりの理由があって爪をといでいるのです。

では、どんな理由で猫は爪とぎをするのでしょうか。

古い爪をはがすため

猫にとって爪は、狩りや木登りなど、動物としての行動のために必要不可欠です。猫自身、その大切さを理解しているから、頻繁に爪をとぐことで鋭くきれいな状態を保っています。

猫が爪とぎをした後に、爪が落ちているところを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。人間と猫とではそもそも爪の構造が違い、猫の爪はとぐことで古い爪をはがし、新しく鋭い爪を出してるのです。

ニオイと傷によるマーキング

猫の足裏にある肉球の間には、【臭腺】というニオイを出す器官があります。猫は爪をとぐことで、そこから発するニオイを使ってマーキングするのです。

愛猫が毎回同じ場所で爪をとぐようなら、このマーキングをしているのかもしれません。

また、ニオイだけでなく爪で傷をつけることもマーキング行為の一種になります。
嗅覚ではなく視覚的なマーキングは、猫の縄張りの主張や飼い主さんや他の猫へのメッセージとしての意味合いもあるようです。

気分転換やストレス解消

猫はイライラしたときなど、ストレス解消や気分転換のために爪をとぐことがあります。

ストレスを感じる理由はそれぞれですが、知らない人が家に来たり叱られたりした後に爪をとぐようなら、ストレスを感じている自分を落ち着かせようとしているのでしょう。

飼い主の気を引くため

飼い主の視界に入るように、わざとらしく爪をとぐようであれば、飼い主に構ってほしくて気を引くためにわざと爪をといでいると思われます。

普段から爪とぎをする姿に注目してしまうようなら、猫は「爪をとげばこちらを見てくれる」と学習しているかもしれません。

また、ごはんや水がほしくて、飼い主の気を引こうとしていることもあるので、何を求めているのか観察してください。

爪とぎを防止する方法

猫の爪とぎは本能的な行動なので、何の対策もしなければ所構わず爪をといで傷をつけてしまいます。

それでは大切な家具や家の壁を傷つけられてしまう恐れがあるので、猫を飼うのであれば、何かしらの対策は欠かせないでしょう。

では、どんな対策が有効なのでしょうか。

爪とぎしてもいい場所を用意する

猫の爪とぎで困るのは、やはり傷つけてほしくない家具などで爪をとがれることでしょう。
とはいえ、爪とぎは猫にとって大事な自分自身のお手入れなので、止めさせることはできません。

そのため、愛猫の爪とぎ対策としては、爪をといで良い場所を用意すると効果的です。

爪とぎ場所は気が向いたときどこでも気軽に爪がとげるように、1ヶ所だけでなく複数用意すると良いでしょう。

普段どんな場所で爪をとぐのか観察して、爪をとぎそうな場所に爪とぎを設置してください。
また、猫にも好みがあるので、爪とぎを数種類用意して好みの物を選ばせてあげましょう。

爪とぎを設置するポイント

猫は爪のとぎ方にも個性があり、立ってとぐのが好きな子がいれば、床に置かれた爪とぎでないと嫌がる子もいます。

そのため、愛猫が好むスタイルに合わせて、壁に掛けたり床に置いたりしてあげましょう。

壁に立てかける場合はとぎやすいよう高さを調整して、床に置く場合は動かないよう固定して、爪とぎしやすい環境を整えてあげてください。

爪とぎに過剰な反応をしない

猫を飼っていれば、家具で爪をとがれて「思わず叫んでしまった」という経験がある方もいるでしょう。しかしこうした過剰な反応をすると、猫は「爪をとぐと飼い主に注目してもらえる」と学習してしまうのでNGです。

普段はそうでもないのに、飼い主の前だと大袈裟に爪をとぐようなら、すでに学習してしまっていると考えられます。

そのため、猫の爪とぎを少しでも抑えるためには、あえて無視するのも大切です。

壁などに保護シートを貼る

猫は飼い主の意図に反して、といでほしくない場所で爪をといでしまいます。
それを予防するために、爪をといでほしくない場所には保護シートを貼って傷がつかないようにすると良いでしょう。

保護シートは、『とがせないタイプ』と『とがせるタイプ』の大きく2種類に分かれます。

とがせないタイプのシートは、表面がツルツルして爪をとごうとしても引っかかりがないのでとぐことができません。そのうち爪をとげないことを学習して、そこではとがなくなります。

一方、とがせるタイプは、段ボールや木など猫が好む素材で作られており、爪とぎはしやすいものの家具や壁には傷がつかないので安心です。

猫が爪をとぐのは、体を伸ばして届く猫にとって高い場所です。
猫は爪とぎが大好きなので、この伸びをして届く高さに保護シートを貼れば守ることができるでしょう。

スプレーは使用する前に要相談

爪とぎ防止用のスプレーが市販されています。
これは、猫が苦手な柑橘系などの匂いのスプレーで、爪をといでほしくない場所へ吹き付けることで、その場所に近寄らせないようにするグッズです。

あまり頻繁に使うと慣れてしまい効果がなくなってしまいますが、中には強いストレスを感じてしまう子もいるので、多用は避けましょう。

また、使用する際は事前にかかりつけの動物病院で獣医師に相談しておくことをおすすめします。

ストレスによる爪とぎには注意

ストレスを溜め込んで、ストレス発散のために爪とぎをする子には注意が必要です。

ストレスは心身に悪い影響を与え、場合によっては病気になってしまう恐れがあるので、ストレスから爪とぎをしていることに気付いたら、ストレスの原因を見極めて、そこから遠ざけてあげるようにしましょう。

また、日常的に飼い主さんとのコミュニケーションが少なくないかなど、ストレスになりそうなことはないか確認してみてください。

爪とぎ用グッズの作り方

猫の爪とぎはさまざまな物が市販されていますが、飼い主さんの中には「イメージに合う物がない」という方もいらっしゃると思います。

そんな方は、爪とぎ用のグッズを手作りしてみてはいかがでしょうか。

手軽に作れる爪とぎ

  1. 愛猫の大きさに合わせて、段ボールを適当な幅に細長く切っていきます。
  2. 切り出した段ボールに両面テープを貼り巻いていき、円柱を作っていきましょう。
  3. 愛猫が上に乗れる強度ができたら、テープや包装紙を外側に貼って完成です。

木箱を利用した爪とぎ

  1. そうめんの木箱など、少し浅めの箱を用意します。
  2. 木箱の内側を計測して、そのサイズに段ボールを切って詰めていきます。
  3. 段ボールと木箱をボンドなどで貼り付ければ、強度も出るのでおすすめです。

まな板を使った爪とぎ

  1. まな板などの木の板と、麻の紐または縄を用意します。
  2. まな板に麻の紐や縄をグルグルと巻いて完成です。
  3. 素材的に強度があり、段ボールのように削りカスもでないので、愛猫の好みに合えば長く使うことができるので、おすすめです。

まとめ

猫を飼っていて困った行動といえば爪とぎではないでしょうか。実際、家具や壁に爪とぎされて傷だらけになってしまい、対応に困っている方も多いでしょう。

しかし、猫の爪とぎは本能であるため、止めさせることはできません。一緒に暮らす以上、どこかで折り合いを付ける必要があります。

今回は、猫の爪とぎの意味や対策について解説してきました。
記事の内容を参考に、猫も飼い主どちらもストレスを溜めず快適に過ごせるような環境をつくってください。

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