猫のシャー!の意味は威嚇だけではない?

まるで般若のような恐ろしい形相で「シャー!」と鳴く猫を見たことはありませんか。

今にも飛びかかってきそうなその表情と鳴き声は、猫よりも体の大きい人間であっても萎縮してしまいますよね。

でも、そもそもなぜ猫は「シャー」と鳴くのでしょうか。また「シャー」にもさまざまな意味合いが隠されているといいます。どのような意味が込めらているのでしょうか。

猫がシャーと言う理由はいろいろあった!

猫のシャー

皆さんは猫が牙をむき出しにして「シャー」「ウー」「フー」と唸っている姿を見たことはありませんか。

これらの行動は、威嚇や拒絶の気持ちの表れといわれています。

そのなかでも「シャー」にはさまざまな意味合いが込められており、状況に応じて怒りの種類を変えているそうです。

では猫の「シャー」にはどのような理由が隠されているのでしょうか

どうして「シャー」っていうの?

猫の「シャー」は威嚇を意味します。

威嚇には「攻撃的」威嚇と「防御的」威嚇の2種類あり、そのうち「シャー」は敵を少しでも遠ざけるための防御的威嚇といわれています。

猫の祖先とされるリビアヤマネコは砂漠に住んでいたため、多くの毒ヘビから身を守る必要がありました。しかし、ライオンのように威圧的に吠えることができなかったため、敵であるヘビの真似をして身を守っていたのです。

それは後世まで続き、猫たちの本能として今も色濃く残っているのです。

下記のリンク先では、猫が威嚇する理由やなつかせるための対処法についてご紹介しています。気になる方はこちらもチェックしてみてくださいね。

猫の威嚇 猫が威嚇するのは?ポーズやなつかない場合の対処法も

シャーの理由①:信用されていないから

もしも愛猫に「シャー」と鳴かれ、逃げ出されてしまったら…それは信頼関係が築けていない証拠。

基本的に猫は警戒心が強いため、信頼関係ができていなければ触らせてもくれません。

特に元野良猫や保護猫などは警戒心が強い傾向にあるため、この状態が暫く続く恐れがあります。

いきなり仲良くなろうと接近するのではなく、ゆっくりと信頼関係を築きながら猫が心を開くまで愛情を注いでいくようにしましょう。

シャーの理由②:嫌がることをしてしまったから

どんなに触られるのが好きな猫でも、触られたくない箇所があります。

特にお腹周りや足先、しっぽなどは嫌がる子が多く、触った途端突然「シャー」と怒ることも。

これは「もう触らないで!」「止めて!」と訴えているサインですので、すぐに手を離しそっとしてあげてください。

また猫は「シャー」と怒る前に必ず「止めて」のサインを出しています。例えばしっぽをパタパタしてみたり、体を押し付ける力が弱くなったりします。このようなサインが出ていたら、すぐに触るのを止めてあげてくださいね。

シャーの理由③:縄張りに侵入してしまったから

子猫の頃から室内で飼われている猫であれば、あまり心配する必要はないかもしれませんが、家に来たばかりの野良猫や保護猫は縄張り意識が強い傾向にあります。

そのため、縄張りに侵入されると「ここは私のテリトリーだ!入って来るな!」と威嚇の意味で「シャー」と声をあげることがあります。

またなかには飼い猫であっても、性格によって縄張り意識が強いケースもあるため「シャー」と威嚇してきたら一旦距離を起き、少しずつ慣らしていくようにしましょう。

シャーの理由④:子猫を守ろうとしているから

子育て中の母猫は、子猫を守るためにとても神経質な状態です。

そのため、半径2メートル以内に入ってきたものは全て敵と見なし「シャー」と威嚇することがあります。

また縄張りに入られた時も「これ以上近寄るな!」と警戒の意味を込めて鳴くことがあります。

シャーの理由⑤:驚かせたから

猫は危険に晒されたり、驚かされたりしたときに「シャー」と鳴きます。

例えば、自分より体の大きいものが突然現れる、また寝ているときに大きな音が鳴るなどすると、ビックリしてしまい「シャー」と鳴くことがあります。

シャーの理由⑥:興奮しているから

猫同士でケンカをした時や、頭にビニール袋が被さり取れなくなった時など、外部からの刺激によって興奮し「シャー」と威嚇することがあります。

そのような状態の時にむやみに近づくと、噛まれたり引っ掻かれたりすることがありますので、そっとしといてあげましょう。

子猫のシャーの意味は?

純粋無垢な子猫。

見ているだけでも癒されますが、突然子猫が「シャー」と威嚇してきた場合、どのような理由が隠されているのでしょうか。

実は子猫が「シャー」と鳴く理由は『不安』から。

突然母猫から引き離されたり、知らない場所に連れて来られたりしたら、誰だって不安な気持ちになりますよね。そんな時にビックリする出来事が起きたら…当然警戒心むき出しになることでしょう。

特に保護された子猫や、臆病でこわがりな性格の子猫は威嚇する傾向にあるといわれています。

もしも子猫が威嚇してきたらなるべく刺激しないようにし、落ち着ける環境を整えてあげてくださいね。

シャーとされた時の飼い主の対応は?

もしも愛猫に「シャー!」と威嚇された場合、なにか対処方はないのでしょうか。

距離をおく

興奮状態である猫をなだめようと近づいても逆効果ですので、「シャー」と威嚇されたら一旦距離をおき、猫が落ち着くまでそっとしといてあげましょう。

また威嚇が落ち着いても、猫が自ら近寄るまでは放っておいてくださいね。

原因を見つけ出して対処する

猫が「シャー」と威嚇するのは、外部からの刺激による場合もあります。

小さな虫が飛んでいたり、窓越しから見える鳥やほかの猫が原因だったりする場合があります。

興奮状態が続くのは猫にとっても大きなストレスとなりますので、できるだけ原因を見つけ出し対処するようにしましょう。

おもちゃや爪とぎを用意する

何かしら遊べるものがあると、猫にとってストレス解消にも繋がります。お気に入りのおもちゃがあればそれを近くに置いてあげたり、爪とぎを何ヶ所か設置してあげたりするとよいでしょう。

また猫は自分の居場所が欲しい生き物でもあります。猫用のベッドなどを設置し、居場所を作ってあげることで安心感に繋がりますよ。

動物病院に連れて行く

近づこうとしたり、触ろうとしたりした時に「シャー!」と怒る場合は、もしかしたら病気やケガを患っている可能性があります。

この小さなサインを見逃すと命に関わる危険性もありますので、毎日の健康チェックを怠らず、少しでも異変を感じた場合はかかりつけの獣医師に相談しましょう。

まとめ

猫が「シャー」と威嚇するのは、必ず理由があります。

普段なにげない生活の中でも、突然大きな音がすればビックリして威嚇することもあるでしょう。

猫の威嚇は拒絶や恐怖心、不快感などの表れですので、威嚇せずに過ごせる安全な環境を作ってあげることがとても大切です。

また猫への接し方についても改めて振り返り、猫が嫌がることはしないようにしてあげてくださいね。

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