猫が仰向けに寝転がるいわゆる【へそ天】は、特に子猫期に多く見られる行動です。
子猫は警戒心が薄く危機意識もまだ強くはないですが、成長するにつれ物事を分別できるようになり、次第にやらなくなることも珍しくりません。
本記事では、そんなへそ天はどんな気持ちで行うのか、猫が仰向けになる理由を紹介していきます。
仰向けになる理由:母猫に構ってほしい
子猫がお腹を見せる理由として、「構ってほしい」「ミルクが欲しい」など、母猫へのアピールがあります。
この場合の母猫とは飼い主も対象になり、帰宅直後やくつろいでいる時にお腹を見せてきたら、構って欲しい気持ちの現れです。
仰向けになる理由:遊んでほしい
少し成長した子猫は、仰向けになって体をくねくねと動かしたり尻尾を振ったりします。
これは、「遊んで」というアピールです。
愛猫がこのような仕草を見せたら、時間を作ってできるだけ一緒に遊んであげてください。満足してくれれば喜んでくれて、飼い主との信頼関係もより強くなるでしょう。
仰向けになる理由:甘えている
飼い主の目の前まで来て仰向けになるようなら、猫が甘えていると考えられます。
これは、撫でて欲しくてポーズをとるのですが、猫にとって弱点であるお腹をさらすということは、飼い主さんを信頼しきっている証といえるでしょう。
愛猫がこのような行動を取ったら、おなかを優しく撫でてあげてください。
仰向けになる理由:安心している
猫にとって急所であるお腹を上にして寝転がれるということは、警戒する必要がない状況で安心しきっているのでしょう。
その状況であれば、お腹を見せても攻撃されることはない、万が一の危険もないと確信しているからこそ、へそ天のような無防備な格好ができるのです。
また、飼い主がそばにいることで、もし何かあっても守ってくれるという、揺るぎない信頼があるという証ともいえます。
仰向けになる理由:単に伸びをしているだけ
猫がほんの一瞬だけ仰向けになっただけであれば、単に体を伸ばして固まった体をほぐしているだけかもしれません。人間も、仕事や勉強の合間など伸びをすることがあると思いますが、それと一緒です。
「へそ天してくれたから撫でてあげよう」などと短絡的に考えず、放っておいてあげましょう。
仰向けになる理由:暑いから
猫は暑さを感じると仰向けになりお腹をさらすことで、体に熱がこもるのを防ぐ、もしくは熱を逃がそうとします。
猫は寒がりな反面、人間や犬よりも暑さに強いと思われていますが、それにも限界があります。限度を超えると、人間や犬と同様に熱中症になってしまうので、夏場の暑さ対策は必要不可欠です。
猫は人間のように汗をかいたり、犬のように口を開けて熱を逃がしたりできないので、涼しい場所を見つけて涼を取ります。地面や床が冷たければ、お腹をつけて熱を逃がそうとしますが、場合によっては仰向けになって涼もうとすることもあるのです。
仰向けになる理由:発情期だから
メス猫は発情期になると本能的に仰向けのポーズをとり、「近づいても大丈夫」という状態になります。これは特別なことではなく、発情期になれば、どんなメスでも見られる行動です。
仰向けになる理由:威嚇している
猫は、これまで紹介してきたものとは真逆の『威嚇』という意味でも仰向けになることがあります。
猫が威嚇しているとき、瞳孔は細くなり耳は横向きに、鼻息が荒くなります。
いくら仰向けになっていたとしても、この状態の猫に近付くのは危険です。なるべく距離をとり、早めにストレスの原因を取り除くように努めましょう。
放っておいてもストレスを溜め込むだけなので、愛猫の健康のためにも根本的な解決をすることが必要です。
仰向けになっているとき注意することは?
猫がヘソ天になって寝ている時は、安心しきっている無防備な状態なので、基本的にはそっとしておいてあげましょう。
微塵も警戒心がなく気が緩み切っているので、迂闊にお腹を撫でようものなら、驚かせてしまうことになります。
いくらかわいいからといって、いたずらをしたり驚かせたりするのはもってのほか。場合によっては信頼を壊して嫌われてしまうかもしれないのです。
とはいえ、「絶対に触ってはいけない」というわけではなく、場合によっては触ってほしくてアピールしていることもあるので、愛猫の性格や行動を理解したうえで対応できるとベストでしょう。
まとめ
普段は勝手気儘に振る舞う猫が、無防備な状態を見せてくれるのは、飼い主としてはとても嬉しい瞬間だと思います。しかし、猫が仰向けで寝転がる理由は1つではありません。
基本的には、信頼や安心といったポジティブな気持ちの表れとして出る行動ですが、場合によってはネガティブな感情を持っている可能性もあります。
今回の内容を参考にしつつ、表情や態度を見て、どんな気持ちなのか推し量ったうえで、適切に対応してあげてください。