詳しくない方からすれば、猫の鳴き声はかわいらしいだけの音かもしれません。
しかし、一緒の生活に慣れてくると鳴き声にはさまざまな違いがあり、理由があって鳴くことが分かってくるでしょう。
今回は、猫の鳴き声の意味や違いについて解説していきます。
猫が鳴く意味って?
猫は人間のように言葉を発することができないものの、鳴き声を発することで何かを伝えようとします。
猫が鳴く理由は、大きく分けると「甘えや要求」「不安や恐怖」「威嚇」の3種類。それぞれ鳴き方が違うので、慣れてくれば愛猫がどんなことを伝えようと鳴いているのか分かるようになるでしょう。
また、これ以外の理由として発情期になると普段とは違う鳴き方をします。
個体差はあるものの、一般的にはメスよりもオスの方が鳴きやすい傾向です。しかし、発情期の間だけは、これが逆転します。
発情期になるとメスが驚くほど大きな声で鳴くようになり、この鳴き声に応えてオスも大きな鳴き声を発するようになるのです。
短く「ニャッ」と鳴くとき
話しかけたときやすれ違ったときに猫が短く「ニャッ」と鳴く場合、人間の挨拶のような意味で鳴いています。人間の言葉にすると「やあ」や「こんにちわ」といった感じでしょうか。
基本的には好意的なときの鳴き声ですが、強く「ニャッ!」と鳴くようなら嫌がっている可能性もあります。
過度に構ったりしていると、こうした鳴き方をする場合があるので、できるだけ猫の好きにさせてあげましょう。
食事中に「ウニャ」と鳴くとき
ごはんを食べている時など、猫が「ウニャ」と鳴く場合は、ごはんが美味しくて喜んでいます。人間の言葉にすると「うまい!」と言っているのでしょう。
「ニャオ」「ニャオォ」と鳴くとき
子猫が甘えたいときに出す鳴き声でで、おやつをもらったときにもこうした鳴き方をします。猫の飼い主さんであれば、よく聞く鳴き声ではないでしょうか。
喜んでいるときや構ってほしいときの声なので、この声を出したら構っててあげましょう。
長く「ニャーーーン」と鳴くとき
「ニャーーーン」という長い鳴き声は、何かを訴えているときの鳴き方です。鳴き声と合わせて、何の近くにいるか、どんな行動をしているか観察すれば、何を訴えているのか分かるでしょう。
例えば、食器の近くでこの鳴き方をするようなら「ごはんがほしい」のでしょう。トイレの前であれば「トイレをきれいにしてほしい」と訴えていると推察されます。
また、声の調子が強い場合は、不機嫌さを訴えていることが多いでしょう。
口を閉じて「ンー」と鳴くとき
猫が口を閉じて「ンー」「ウー」と低く唸るような鳴き声を出すときは、近寄らないようにしましょう。
この鳴き声は威嚇しているときの声なので、むやみに近寄ると攻撃される恐れがあります。
叫んでいるように「ギャー」と鳴くとき
強い痛みを感じたときに、叫び声のような鳴き声をあげます。
例えば、足やしっぽを誤って踏んだり、痛みを抱えている場所を触ってしまったりしたときに出す声です。
いずれにせよ、不快なときに出す鳴き声なので、極力原因を取り除いてあげましょう。
「ウー」「シャー」フー」と鳴くとき
強い音でこうした鳴き声を発する場合は、喧嘩のときなど相手を威嚇しています。
猫は縄張り意識が強いので、自分の生活圏内に入ってきた相手に対してこうした声を出して敵意を見せることも。
しっぽを膨らませ毛を逆立てているようなら一触即発の状態なので、落ち着くまで近寄らないようにしてください。
猫相手にこうした鳴き声を出すようなら、物理的に視界を遮って威嚇する対象を見えないようにすると良いでしょう。
低い声で「アオーン」「ミャーオ」「ンニャーオ」と鳴くとき
こうした鳴き声を発している場合は、何らかの不満やストレスを感じていて、それを解消するためにしてほしいことがある状態です。
ただ要求に従っていると鳴き癖がついてしまうので、まずは鳴いている原因を突き止めてください。
「クルル」「ゴロゴロ」「グルグル」と鳴くとき
これは鳴き声というよりも、喉を鳴らしている状態です。
飼い主の膝の上でくつろいでいたり日向ぼっこをしていたり、気持ちよくなっているときにこうした音を発します。飼い主に甘えるなど、基本的には満足している状態です。
しかし、逆に不安があったり体調不良だったりするときに、自分を落ち着かせるためにもこの鳴き方をすることがあります。
クラッキングと呼ばれる「カカカ」「ケケケ」
普段あまり耳にする鳴き声ではありませんが、「カカカ」「ケケケ」とった鳴き方は「クラッキング」と呼ばれ、猫が狩りをするときに出す鳴き声です。
猫じゃらしなどおもちゃで遊んでいるときにも、この鳴き方をします。
声がかすれているとき
口を動かしていてかすれた鳴き声を出す場合は、甘えているときの声です。
子猫が良く発する声で、俗に『サイレントニャー』などと呼ばれます。
いつもと鳴き声が違うとき
普段の鳴き声と違う鳴き方をする場合は、不安や何らかのストレスが原因かもしれません。
この場合、鳴き声だけでなく元気がなかったり暴れたり、行動や素振りもいつもと違うので鳴き声と合わせて判断すると良いでしょう。
鳴き声がうるさいときは?
過度な鳴き声は近隣への迷惑にもなるので、鳴き癖になる前に鳴くことを少しでも抑えるようにする必要があるかもしれません。
では愛猫の鳴き声が気になる場合、どのような対処をすれば良いのでしょうか。
状況に応じて対処することが大切
猫が鳴き声を発するのには、それなりの意味があります。
例えば「お腹が空いたからごはんが欲しい」「遊んでほしい」といった要求がある場合です。鳴き声だけでは分からなくても、一緒にいる時間が長くなれば状況や態度などから読み取れるようになるでしょう。
要求がある場合はその要求を叶えてあげれば鳴き声も収まるので、状況に応じて対処してあげてください。
ストレスなどが原因の場合もあるので注意
体調不良やストレスが原因で鳴くこともあります。
こうした原因の場合、放置すると悪化することはあっても好転することはないので、明らかな異常を感じたら行動や仕草をつぶさに観察して適切な対応をしてください。
頻繁に鳴くことも異常行動の一種ですが、逆に普段良く鳴く子が全く鳴かなくなる場合も普段とは違う状態といえます。
無理のない範囲でしつける
普段から鳴き声が気になるようであれば、ある程度のしつけをしてあげる必要があるでしょう。
例えば、遊ぶときは思いきり遊んであげて、寝るときにはひとりにしておくなど、構うときと放っておくときのメリハリをつけあげてください。
常に一緒にいるとそれが当たり前になってしまい、飼い主と少しでも離れると鳴いて呼ぶようになってしまうので、子猫のときから接し方にある程度のラインを引きましょう。
また、ごはんの与え方にもコツが必要です。
鳴いているときにごはんを与えると「鳴けばごはんが出てくる」と学習して鳴き癖になってしまうので、鳴き声が止んでからごはんを出しましょう。
まとめ
猫の鳴き声というと「ニャー」が一般的ですが、意外にも鳴き声には多くの種類があります。
人間の言葉ほどではありませんが、猫の鳴き声には意味があるので、今回の内容を参考に鳴き声の意味を把握することをおすすめします。
鳴き声の意味を理解すれば、愛猫とより深いコミュニケーションを取ることができるようになるでしょう。