猫にマッサージをする前に
猫にマッサージを始める前に飼い主が知っておきたい注意点や事前準備があります。
まずは以下の点について確認しておきましょう。
マッサージするときの注意点
マッサージは、猫がリラックスした状態で気持ち良いと感じなければ効果が薄れてしまいます。なので、無理強いはもちろんNGです。
猫が嫌がったり逃げたりしたら、マッサージを中止しましょう。
また猫の体調が悪そうに見えるときには、マッサージは行わないようにしてください。
持病がある猫の場合は、マッサージは持病を治すためのものではないことを理解した上で、事前に獣医師に相談しましょう。
アロマオイルは猫にとっては毒になる可能性もあるため、使用しないようにしましょう。
マッサージの頻度と時間
マッサージの効果を上げるための適切な頻度は週1~2回で、1回あたりの時間は15分以内を目途に行うようにします。
最初のうちは猫が嫌がってないか様子を見ながら施してくださいね。
マッサージ前の準備
飼い主は猫の皮膚を傷つけないよう、爪が伸びてないかを必ず確認しましょう。
マッサージを行う部屋は暑過ぎ・寒過ぎないよう、猫がリラックスできる快適な温度に調整しておきます。
始めるときにはいきなりツボ押しから入らずに、まずは猫が喜ぶところを優しく撫でてリラックスさせてくださいね。
リラックスする猫のマッサージ方法(全体)
猫のマッサージも人間のマッサージと同様、血流の流れに沿って行うのが基本です。
まずは猫の毛並みに沿って手ぐしを通すように、背中からお尻、お尻から後ろ脚にかけてゆっくりと撫でていきます。
その後、人差し指・中指・薬指の3本で猫の筋肉に沿って円を描きながら撫でましょう。
猫が気持ちよさそうにリラックスしていたら、徐々に力加減を調整していきながらツボ押しに入ります。人差し指と中指を猫の身体に垂直にあてて、少しずつ力を入れ約3秒押したら次の場所に移動します。
最後に、親指・人差し指・中指の3本で優しく皮膚をつまみ上げるようにし、凝りをほぐしていきましょう。
猫は身体が小さいのでツボを的確に押さえるのが難しいですが、力を入れ過ぎず、優しく撫でるようなイメージで行ってくださいね。
猫のマッサージ方法(肩、お腹、顔それぞれ)
基本のマッサージ方法を抑えたところで、次はいよいよ、ツボを意識して実際にマッサージを行っていきましょう。
肩、お腹、顔の3つの部位、それぞれに特化したマッサージ方法を解説していきます。
肩と背中
肩と背中、特に背骨の周りはツボが集中している場所で、頭からお尻のほうへ優しく撫でるだけでもマッサージ効果が期待できます。
肩は親指を背中に添え、人差し指と中指を使い肩揉みをする要領で優しく揉んでいきましょう。
背中は背骨を指で挟むように軽く圧力をかけながら、少しずつ位置をずらして揉んでいきます。
お腹
お腹は一番冷えに弱いともいわれているので、温めるようにマッサージしていきます。
まずは親指以外の4本指をお腹に当て、少しだけ圧をかけながら半時計周りに円を描きましょう。
その後今度は手のひらで、先ほどとは逆の時計回りに円を描きながら撫でます。
最後に、手全体を使って回しやすい方向にゆっくり円を描きます。
目の下
目の下は、目と鼻の間あたりにツボがあります。
やりやすい指を使って優しく圧をかけ、そこから下顎の付け根にあるツボまでゆっくり指を動かしましょう。
猫の様子を見ながら10回ほど繰り返し、反対側も同じように行ってください。
目の上
目の上には、リラックスとストレス解消効果がある「睛明(せいめい)」と呼ばれるツボがあります。
「睛明」のある目頭の少し上を優しく押して刺激したら、目の形に添うように指先を目尻へ向かってゆっくり動かしてください。
こちらも10回ほど繰り返したら、反対側も同様に行ってくださいね。
額から頭
眉間の中心に「印堂(いんどう)」、頭頂部に「百会(ひゃくえ)」というツボがあります。
眉間の中心(印堂)から頭頂部(百会)に向かって、指先でなで上げるように優しく押していきましょう。
猫のツボ一覧
ツボの名前 | 場所 | 効果 |
---|---|---|
風池(ふうち) | 耳のつけね | 目・耳・鼻の不調、ストレスなど |
百会(ひゃくえ) | 頭のてっぺん | ストレス、神経過敏など |
印堂(いんどう) | 眉間の中心 | リラックス効果など |
睛明(せいめい) | 目頭の少し上 | リラックス効果、ストレス解消など |
迎香(げいこう) | 鼻の左右隣 | 鼻の不調など |
督脈(とくみゃく) | 背骨に沿って | 腰の調子など |
天枢(てんすう) | おへその両側 | お腹の不調など |
中脘(ちゅうかん) | おへその上 | お腹の不調など |
中極(ちゅうきょく) | おへその下 | お腹の不調など |
ほかにも体中に点在していますが、主要なツボは以上の通りです。
それぞれに効果があるので、ぜひ愛猫に合うツボを探してみてくださいね。
まとめ
猫のマッサージについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
猫も人と同じように、マッサージで血の巡りが良くなると全身が温まります。正しくマッサージできれば、飼い主の膝の上でいつも以上にリラックスしてくれること、間違いなしです。
ぜひ毎日のスキンシップやコミュニケーションの中に、マッサージも取り入れてみてくださいね。