皆さんは、野菜といえば何を思い浮かべますか。
野菜といえばトマトにナス、キャベツや大根など数多くありますが、ウリ科の「キュウリ」を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。
キュウリは95%以上が水分といわれていますが、カリウムやビタミンK・C、食物繊維を含む野菜でもあります。また、みずみずしくシャキッとした食感はとても美味しいですよね。
そんな野菜の定番でもあるキュウリをなぜか見た瞬間、ビックリして飛び跳ねる動物がいます。
それは「猫」です。
一見、なにも変哲もないキュウリになぜ驚くのでしょうか。猫の心理を踏まえながら、その理由について詳しく見ていきましょう。
猫がキュウリで驚くのはなぜ?
以前、キュウリを見て飛び跳ねる猫の動画が大きな反響を呼びました。一見ただの野菜なのに、なぜそこまで猫は驚いたのでしょうか。
米カリフォルニア州に住む認定動物行動学者、ジル・ゴールドマン氏によると「猫はキュウリを見てヘビを連想していたのかもしれない」と考えたそうです。
猫にとってヘビは恐ろしい捕食者でもあります。もしかしたら「食べられてしまう!」と思ったのでしょう。
またその場から逃げ去りたい気持ちが最高値に達したことで、高く跳びはねてしまったのかもしれません。
さらに猫にとって床に置かれたキュウリを見たことがほとんどないため、初めて見るものに対して「自然な驚愕反応」ではないかともいわれています。
確かに猫の体格からして、長くて細い物体が横たわっていたらビックリするのも当然かもしれませんね。
飛び跳ねたり、すりすりしたり反応は色々!
猫がキュウリを見たときの反応はさまざま。
跳びはねてビックリする子はもちろん、なかにはすりすりする子もいるようです。
びよーんと勢いよくジャンプする
猫の背後にそっとキュウリを置くと、びよーんと勢いよくジャンプをするそうです。
またごはんを食べているときは、油断しているタイミングですので、より派手なリアクションをするんだとか!
ただし、驚いた拍子にごはんやお水を散らかしてしまうこともあるので注意が必要です。
猫がキュウリを見たときのリアクションはとても面白い光景ですが、猫にとってその行為は大きなストレスを感じています。絶対にやりすぎないようにしてくださいね。
驚かずにすりすりする子も
キュウリを見てビックリする子もいれば、なかには驚かずキュウリの上に乗って大興奮する猫もいるそうです。
そういった猫は、好奇心旺盛な性格をしている子が多いため、もしかしたら初めて見るキュウリに興味関心を抱いたのかもしれません。
なかにはキュウリの匂いが好きな子や、おもちゃだと思って遊び始める子もいるんだそうですよ。
またなかには「ん?それがどうしたの?」といった様子で、クールな態度で驚かない猫もいるようなので、猫の性格によってキュウリへのリアクションはさまざまだといえますね。
あまり驚かせすぎないこと
SNSなどを見ると、キュウリドッキリを猫に仕掛けている方が多くいらっしゃいます。
しかし猫にとってその行為は、大きなストレスとなっているのはご存知ですか。なかにはキュウリドッキリによって精神的なダメージを与えてしまうことも…
ここでは、猫にキュウリドッキリを仕掛けることによって、引き起こされるかもしれない3つのリスクについてご紹介します。
ケガをする危険性
認定動物行動学者、ジル・ゴールドマン氏は「わざと猫を驚かすことによって、ケガをしてしまうことがある」と述べています。
猫は身体能力が優れていることから、自分の体長の4~5倍ほどの高さをジャンプすることができます。また、1.5~2mほどの高さは簡単にジャンプすることが可能だそうです。
そのためキュウリドッキリによって高く飛び上がれば、その分どこかに体をぶつけてしまいケガをしてしまう恐れがあるでしょうし、着地に失敗して骨折してしまうことも考えられます。
おもしろ半分にしたことが、思わぬケガに繋がることがあるので、むやみに驚かすことは止めましょう。
トラウマになってしまうことも
猫の記憶力は非常に優れているといわれ、短期記憶は人間の20倍であるともいわれています。
また猫にとって「嫌だ!」「怖い…」と感じたことは長期間にわたって記憶され、本能的に植え込まれることがあります。
そのため、キュウリドッキリのような強烈にビックリした記憶は深く刻まれ、一生のトラウマになってしまうこともあるそうです。
私たち人間でもそうですが、一度トラウマになるとその恐怖心から逃れることは非常に難しいといわれています。
特に心から安らげる場所や食事する場所で強い恐怖や警戒心を抱かせてしまうと、睡眠障害や食欲不振にもなりかねません。
さらに強烈なショックや恐怖を感じたことで、強いストレスを引き起こす可能性もあり、下痢や嘔吐、異常な毛づくろいなど様々な症状を引き起こしてしまうかもしれません。
もちろん猫によって個体差はあるものの、神経質な猫にとって強い衝撃を与えることはしないでくださいね。
信頼を失ってしまう
猫を何度も脅かすと「攻撃行動」を引き起こす恐れがあります。
ちょっとした出来心が猫にトラウマを与え、飼い主に不信感を抱かせたり、攻撃的になったりしてしまうかもしれません。
また驚かす側にとっては「大したことでない」と思っても、驚かされる側は一度恐怖心を抱くとそれが原因で過度に警戒心が強くなり、心を閉ざしてしまう原因にも繋がります。
猫が攻撃行動を取るようになると、なかには一緒に住めなくなるほど関係が悪化することもあります。
猫のことを大事な家族の一員と思っているのであれば、猫にストレスを与えないようにしてください。
まとめ
猫のリアクションははたから見たらとてもユニークで、ついつい多くの人に見てもらいたいと思う気持ちが強くなるかもしれません。
しかし猫にとっては心の傷となりえる行動であり、一歩間違えれば虐待にも繋がりかねません。
猫は繊細で神経質な動物です。むやみに驚かせるのでなく、たくさんの愛情を注いであげるようにしてあげてくださいね。