大きくてまん丸い猫の目。まるでビー玉のように美しいその目は、見ているだけで癒されますよね。
実は猫の目、青色と緑色を認識することはできますが、赤色は見えないといわれています。また狩りをするときは音とニオイを使い捉えるため、そこまで色について重要視していないそうです。
そんな猫の目をよく見てみると、猫の種類によって色が違うことがわかります。イエロー、グリーン、イエローなどさまざまな色合いがありますが、なぜこんなにも色の種類が存在するのでしょうか。
ここでは猫の目の色から、瞳孔や色が変化する仕組みまで詳しく解説していきます。
猫の目の色の種類は?
猫の目は生まれ持った遺伝子により変化するといわれています。そのため同じ親猫から生まれても、目の色が違うことも少なくありません。
ここでは代表的な目の色5つと、珍しいオッドアイについてみていきましょう。
ブルー
神秘的な色である「ブルー」の瞳。実はブルーといっても淡い「アクア」、中間色の「ブルー」、濃い「サファイアブルー」など、パターンが分かれています。
また猫の目の中でも幻想的な色合いを放ちますが、青色の色素が存在するわけではありません。猫の青い目は「レイリー散乱」と呼ばれるメカニズムから作り出されているのです。
光には大きく分けて「波長が長く散乱しづらい赤い光」と「波長が短く散乱しやすい青い光」があります。
瞳のまわりにある円盤状の膜である「虹彩」のメラニンが少なく小さい場合は、散乱しづらい赤い光はメラニンによって吸収されますが、散乱しやすい青い光はメラニンが吸収しきれず拡散されてしまいます。
それにより猫の目の色が青く見えるのです。
・ヒマラヤン
・ラグドール
・バリニーズ
・オリエンタル
など
グリーン
ブルーの次にメラニン色素が少ないといわれているのが「グリーン」です。これも前述でお伝えしたように、虹彩にグリーンの色素があるのではなく「レイリー拡散」によって緑色に見えています。
ちなみに日照時間が短い北国を原産とする猫種にはグリーンの目をした個体が多いそうです。
・マンチカン
・ロシアンブルー
・エジプシャンマウ
など
ヘーゼル
目の内側がグリーン、外側がイエローや薄いブラウンといった2色のグラデーションのように見えるのが「ヘーゼル」です。
ブルーやグリーンと比較すると少しメラニン色素の量が多くなります。しかし色の出方によっては個体差があるため、光の加減次第ではブラウンが強調されカッパーのように見えることもあります。
ちなみにヘーゼルは、世界三大ナッツの1つヘーゼルナッツが色名の由来とされ、日本ではハシバミ色と呼ばれています。
・雑種猫
など
アンバー
「アンバー」とは、透明感のある黄褐色である琥珀色のことを指します。一般的にはブラウンと表現されることもありますが、イエローやゴールドと表現するとわかりやすいでしょう。
またアンバーはグリーンよりメラニン色素が多め、複数の色が混ざったヘーゼルとは異なり、単色の黄色からなる目のことをいいます。
そのため、レモンイエローのように淡い色合いのものから、ゴールドに近い色合いのものまで、色々なバリエーションが存在しています。
・ペルシャ
・ボンベイ
・シャルトリュー
・メインクーン
など
カッパー
銅色の意味を持つ「カッパー」。赤みの帯びた茶色のことで、メラニン色素の量が最も多い目の色とされています。
そのため見方によっては茶色に見えたり、赤色に見たりすることがあります。またカッパーの目の色をした猫は、太陽の光が入りやすい温暖な地域に生息していることが多いといわれています。
日本土着の猫に比較的多い目の色でもあるそうですよ。
・シャルトリュー
・ミックス
・雑種猫
など
オッドアイ
左右の目の色が違う「オッドアイ」。正式名称は「虹彩異色症」と呼びます。
また左右の目の色が異なるだけではなく「ダイクロイックアイ」と呼ぶ、1つ目に2色が混ざり合うものもオッドアイとして数えられるそうです。
ちなみに、白い毛になる遺伝子とメラニン抑制が関連しているため、ターキッシュアンゴラなどの白猫によく見られます。
・ターキッシュバン
・ターキッシュアンゴラ
・ジャパニーズボブテイル
・白い被毛の多い雑種
など
猫の瞳孔の仕組み
猫の瞳孔(黒目)をよく見ると、時間や場所によって細くなったり、まん丸になったりしていませんか。
この理由は、目に取り込む光が関係しています。
暗いところに行くと、多くの光を取り込もうとするため瞳孔が開いて大きくなりますが、反対に明るいところでは細くなります。
これは暗い中で狩りをする猫に有利に働くメカニズムの1つであり、瞳孔を大きくして光を多く取り込むことで視野が広くなり、暗いところでもしっかり獲物を捕らえることができるのです。
ちなみに猫の視力は人間の10分の1といわれ、あまりクリアには見えません。しかし、光を感じる力は人の6倍ともいわれています。
また猫の目には、そのときの気分や感情を表しているといわれています。
愛猫が今どんな気持ちでいるのか観察してみると、より愛猫との距離が近くなるかもしれませんよ。
子猫の目は?目の色が変わる理由と決まる時期
子猫の目の色はほとんどが生まれてから2ヶ月くらいまでは「キトンブルー」と呼ばれる青い目をしています。
なぜキトンブルーであるのかというと、虹彩の色素が極端に少ないからだそうです。これはブルーの目の色をした猫と同じで、レイリー散乱の影響だといわれています。
そのため、子猫が青い目をしているのは、ブルーの色素があるからではなく、光の加減でそのように見えるのです。
猫は生後4~5ヶ月以降になると徐々に虹彩の中にメラニン色素が沈着し、本来の目の色に変化していきます。その際、目の色は毛色に準じて決まっていくといわれています。
例えば黒猫の場合、メラニン色素が濃いことからカッパーやアンバーといった色合いの目になります。逆に白猫の場合はメラニン色素が薄いためブルーなどの淡い色合いの目になります。
まとめ
今回は、猫の目の色についてご紹介しました。
猫の目の色は遺伝子に深く関係していること、またメラニン色素が働くことによって色が変わることがわかりました。
さらに猫の目から感情を読み解くことができるそうなので、もし猫を見かけたら瞳孔の動きを観察してみると面白いかもしれません。
ちなみに暗闇で猫の目が「キラーン」と光るのは、網膜の後ろ側にある『タぺタム(輝板)』という反射板があるからだそうです。
このタペタムとは、光をたくさん反射させる鏡のような役割を持っており、光が反射されることで網膜に届き視野か明るくなるのだとか。
だからこそ猫の目は暗闇でもよく見えますし、車のヘッドライトに照らされると金色に光るそうですよ。