皆さんはもしも「猫の好きなパーツを1つ選んでください」といわれたら、どれを選びますか。
瞳、しっぽ、おなか、マズル・ひげ袋など、かわいいパーツはたくさんありますが『肉球』と答える人も多いのではないでしょうか。
肉球はぷにぷにと弾力があり、かすかにポップコーンのような香ばしい匂いがしますよね。
またほのかに温かく、見た目のかわいさに魅了されます。
今回はそんな肉球の役割を始め、肉球の色でわかる性格傾向について解説していきます。
肉球の正体は?前足と後ろ足
ぷにぷにしていて、思わず触ってしまう猫の肉球。正式名称は「蹠球(しょきゅう)」といい、中心にある大きなものと、外側にある小さなもので構成されています。
またそれぞれ部位には呼び名があり、前足と後ろ足で呼び名が異なります。
まずは前足の肉球について見ていきましょう。
肉球の基本情報 | 名称 | 位置 |
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前足 | 掌球(しょうきゅう) | 大きな肉球 人間でいうと手の平にあたる |
指球(しきゅう) | 指の根元にある小さな5つの肉球 掌球付近に4つ、離れた部分に1つある |
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手根球(しゅこんきゅう) | 前足にしかない肉球 掌球の上部の少し離れたところにある |
前足にある肉球は、全部で3つ。
指球に関しては後足より1つ多い5つの肉球で構成されています。また、前足にしかない手根球があるのも特徴といえるでしょう。
次に後ろ足の肉球も見てみましょう。
肉球の基本情報 | 名称 | 位置 |
---|---|---|
後ろ足 | 足底球(そくていきゅう) | 後足にある1番大きな肉球 |
趾球(しきゅう) | 後ろ足にしかない小さな4つの肉球 前足にある親指がないため、後足の指は4つのみ |
後ろ足の肉球は全部で2つ。
趾球にある第一指(人間では親指に当たる)は退化したため、後ろ足には4つしかありません。
また肉球は、脂肪と弾性繊維(結合組織を構成する線維の1つ)ででき、約1mmの厚さがあります。そしてイエネコと外猫ではやわらかさも断然違います。
イエネコは室内にいるため、肉球に弾力がありとてもやわらかいですが、外猫は硬い場所や暑い・冷たい場所などを歩くのでイエネコより肉球が硬い傾向にあります。
肉球の役割は?
猫にとって肉球は、日々生活する上でとても大切な6つの役割を担っています。
ではどのような役割があるのでしょうか。
足音を消す
猫は本来狩りをする動物です。
獲物に気付かれず、接近するには足音を消す必要があります。
肉球には足音を消す働きを担っており、猫が狩りをする上で欠かせない機能の1つともいえるでしょう。
クッションの効果
猫は高いところを始め、足場が悪いところも移動します。そのような場所に移動するとき欠かせないのが肉球です。
肉球は着地するときや、走っているときの衝撃を吸収し、体への負担を軽減してくれる働きを持っています。
猫が高いところを下りたとき、あまり音がしないのは肉球のおかげといえます。
滑り止めとして
肉球には汗を出す「汗腺」があります。
猫は汗腺があることで肉球をほどよく湿らせ、足場を滑りにくくしているのです。そのため、急に向きを変えて走ったとしても、滑ることなく流れるように動くことができます。
顔を手入れするため
猫は毛づくろいが大好きですが、残念ながら自らの顔を手入れすることができません。そのため肉球を舐めて湿らせることで、ブラシ代わりとして役立てているのです。
物をつかむため
猫は肉球を使って木や物などにしがみついたり、物を掴んだりすることができます。また猫以外にも、ネコ科の動物であるトラやライオンなどにも見られる光景の1つです。
体温調節
私たち人は額や脇、手足などに汗腺があるため全身を使って汗を出し、体温調節を行います。しかし猫は汗腺が肉球にしかないので、肉球を使って体温調節を行っているのです。
肉球の色に違いがある?
皆さんは猫の肉球といえば、何色を想像しますか。
多くの方はピンク色や黒色をイメージされるかと思いますが、なかにはあずき色、ピンクと黒のブチ、斑点模様など、さまざまな色合いの肉球があります。
ではそもそもなぜ、肉球はさまざまな色合いがあるのでしょうか。それは、猫の被毛が大きく関係しているといわれています。被毛の色が濃ければ肉球の色も濃くなり、被毛の色が薄ければ肉球の色も薄くなるのです。
これは遺伝子とメラニン色素の量によって決まり、毛色や毛柄と関連する傾向にあるようです。
また肉球は生活環境の変化によっても色が変わったり、加齢とともに色が変わったりすることもあるそうですよ。
ピンク色の肉球
肉球がピンク色をしている猫の被毛は白い毛色を始め、茶トラ、三毛、バイカラ―に多く見られます。
これはメラニン色素の量が少ないから。猫は人に飼われるようになってから、メラニン色素の少ない毛色の猫が多くなったといわれています。
また成長するにつれホルモンの分泌量が変化したり、加齢によって皮膚が硬く厚くなったりすることから、ピンク色の割合が変わることもあるそうです。
黒色の肉球
黒色の肉球が多い猫の被毛は、黒、黒白、アグーティ、キジトラ、クラッシックタビー、サバトラ、シェ―テッド、ポイントに多く見られます。
これはメラニン色素の沈着が多い濃い毛色を持つ猫に見られます。
あずき色・ピンクと黒のブチの肉球
あずき色の肉球をした猫の被毛の多くは、グレー、クラッシックタビー、シルバー、シェ―テッド、ブルー、ポイントなど、どちらかといえば黒い被毛の猫が多い傾向にあります。
またピンクと黒のブチの肉球をした猫の被毛は、黒白、白黒といったバイカラ―、三毛、サビなどによく見られます。
肉球で性格がわかるって本当?
猫の肉球は、被毛の色と深く関係していることがわかりました。
では肉球の色で性格は異なるのでしょうか。
その答えは「YES」。もちろん個体差があるため、必ずしも肉球の色で性格を判断することは難しいですが、参考程度に見ていただくと面白いかもしれません。
ではそれぞれの肉球の色で性格を見ていきましょう。
ピンク色の性格傾向
ピンク色の肉球をした猫の性格は、穏やかでおっとりした子が多いといわれています。
ただし肉球の色が明るいということは、もちろん被毛の色も明るめです。外の世界では目立つ色みでもあるため、外敵に狙われやすい傾向にあります。そのため、他の毛色の猫よりも警戒心が強く、臆病な性格の子が多いともいわれています。
ただ基本は穏やかでフレンドリーな子が多いので、イエネコとしては飼いやすいといえるでしょう。
黒色の性格傾向
黒色の肉球をした猫はマイペースな子が多く、黒い毛色の割合が高いほど人懐っこい性格をしています。
また元気で活発な傾向にあるため、猫と一緒に遊びたい方は毛色が濃い目の子を選ぶとよいかもしれませんね。
ピンクと黒のブチの性格傾向
黒をベースにさまざまな色が混ざったこのタイプは、ツンデレで気分屋な子が多いといわれています。
「THE 猫」といった性格を好む愛猫家にはたまらないタイプといえそうです。
あずき色の性格傾向
グレーの毛色をした猫は、黒い毛色の猫と性格が似ているところがあり、穏やかで誰にでも友好的です。
そのため、小さなお子さんや多頭飼いを検討しているご家庭に向いている猫といえます。
まとめ
思わず触りたくなる猫の肉球。
かわいいだけではなく、実は重要な役割を担っています。
さらに猫の肉球は、体調が悪くなると肉球のさわり心地や色が変わることもあるそうです。触るだけではなく、日々の健康管理の一環としてよく見てあげるようにしてくださいね。