日本ではまだまだ希少な「アメリカンボブテイル」。
大きくてワイルドな外見をしていますが、どのような性格や特徴をもっているのでしょうか。
本記事ではアメリカンボブテイルの性格や特徴、さらには色や体重、飼う上での注意点についてご紹介します。
アメリカンボブテイルの性格や特徴について
ワイルドで体の大きなアメリカンボブテイル。
「ボブテイル」という名前の通り、短いしっぽが特徴です。
筋肉質でがっちりとした体型をしていますが、実は見た目とは裏腹に穏やかで優しい性格の猫種なんですよ。
ここではそんなアメリカンボブテイルの性格から歴史についてご紹介します。
猫界のゴールデンレトリーバー
温厚で優しい性格のアメリカンボブテイルは、人と絶妙な距離感を保ちながら接することができます。
またしつこくされても噛みついたり、怒ったりすることがないため「癒しの猫」と呼ばれているそうです。
特にアメリカでは、動物介在療法であるアニマルセラピーに参加することが多く『猫界のゴールデンレトリーバー』という異名を持つほど。
その寛容な性格から、小さなお子さんがいるご家庭や多頭飼いにも向いている猫種といえるでしょう。
好奇心旺盛で遊び好き
落ち着きのある性格ではありますが、実は大の遊び好き。
好奇心旺盛な子が多いため、猫じゃらしや猫用のおもちゃを見せると、敏感に反応して喜んでくれます。
またハンティングの素質もあることから、家の中に入ってきた虫などを追いかけまわすことも。誤って食べてしまわないように、気を付けてあげてくださいね。
アメリカンボブテイルの歴史
1960年代頃、アメリカのアリゾナ州に住むサンダース夫婦がしっぽの短い縞模様の猫を発見したことが原点といわれています。
愛猫家だったサンダース夫妻はその猫を「ヨディ」と名付け、後に自身が飼っていたシャム猫と交配させ、スノーシューに似た猫の作出を試みます。
しかしなかなか上手くいかず、その後夫妻の友人でもあるリーハ・エヴァンズを始め、多くのブリーダーたちの助力によって、現在のアメリカンボブテイルの原型が誕生したそうです。
そんなアメリカンボブテイルが国際猫協会であるTICAから公認を受けたのは1989年。比較的まだ新しい品種の猫です。
ちなみにアメリカンボブテイルは、近親交配の弊害を避けるためにメインクーンとの交配が認められています。そのため「短尾のメインクーン」とも呼ばれているそうですよ。
アメリカンボブテイルの毛色や模様の種類は?
アメリカンボブテイルは、短毛種・長毛種のどちらも存在します。
短毛種の場合「アメリカンボブテイルショートヘア」と呼ばれることがありますが、一般的な短毛種の猫よりもやや長めのミディアムショートです。
また長毛種は短毛種に比べて被毛が密集しておらず、長さはセミロング。少し硬めの毛質をしています。
被毛パターンはバリエーションが豊富
アメリカンボブテイルといえば、被毛のバリエーションが大変豊富です。
ブラック、レッド、チョコレートはもちろんのこと、ライラック、フォーン、シナモン、クリーム、ブルー、ホワイトといった全ての被毛が生まれます。
その理由は、さまざまな猫種と交配された経緯があるため。そのためこれら全ての毛色が認められています。
また目の色も毛色に応じてカラーが異なり、グリーン、アクア、ヘーゼル、イエロー、オレンジ、ゴールド、カッパー、ブルー、サファイアブルーといった色があります。
なかには左右で瞳の色が異なる「オッドアイ」を持つ子もいるそうです。
アメリカンボブテイルの模様は4種類
アメリカンボブテイルでポピュラーな模様は、4種類あります。
シルバーやレッド、ブラウンといった毛色がベースとなり、そこに黒い縞模様が入ります。
日本ではサバトラやキジトラ、茶トラと呼ばれている模様です。
ポイントカラーとされる毛色には、縞模様や2種類の色が入ることもあるそうです。
三毛はブラックとレッドの毛色に白のまだら模様が入っています。一方バイカラーは、ベースとなる毛色の割合が40〜60%ほど。残りは背中や腹部に濃い毛色が入っていることが多いそうです。
ベースとなる毛色によっては、ブルートーティやブラックトーティーなどと呼ばれています。
アメリカンボブテイルの体重や大きさは?
アメリカンボブテイルは三角にとがった耳に、くさび形にキュッと引き締まった頭部、そしてはっきりとした鼻筋をしています。
特徴はなんといっても「短いしっぽ」。しっぽの形や切れ方に優劣はないとされ、ねじれていても折れていても全て個性として認められています。
そんなアメリカンボブテイルの平均的な体重は成猫のオスで約4〜7kg、メスで約3〜5kgとされ、一般的な猫よりもやや重いとされています。
なかには7㎏を超える個体もいるそうですよ。
アメリカンボブテイルの飼い方について注意すべきこと
優しくて感受性が高いアメリカンボブテイル。
ほどよい距離感で私たちに癒しを与えてくれますが、飼う上で注意するべき点などはあるのでしょうか。
留守番やひとりぼっちが苦手
私たち人間に対し、愛情深い態度を見せてくれるアメリカンボブテイルですが、実は寂しがり屋な一面を持っています。
そのため留守番が多かったり、飼い主が忙しすぎて構ってくれなかったりすると、ストレスを感じてしまうことも。
なるべく長時間の留守がないように心がけてあげる、もしくは多頭飼い飼育をするなどして寂しさを軽減させてあげてください。
また最低でも1日数十分は猫じゃらしや、猫のおもちゃを使って遊んであげるようにしましょう。
食欲旺盛なので肥満に注意
アメリカンボブテイルは一般的な猫と比べ体が大きく、筋肉量が多いのが特徴です。
成長期は高カロリー、高タンパク質なキャットフードを与え、しっかりとした体づくりを心がけてあげてください。
ただ大変食欲旺盛な猫のため、肥満には注意が必要です。適度な量のフードを与えたり、おやつをあげすぎたりしないように気を付けてください。
また運動不足にならないように、キャットタワーや上下運動ができる環境を作ってあげてくださいね。
完全室内飼いを
優しくて穏やかな性格の一方、好奇心旺盛で冒険心が強い性格を持つため、一度外に出てしまうと帰ってこない可能性があります。
家に迎え入れたら、脱走しないよう玄関や窓などには脱走対策を行うようにし、家の中で十分に遊べる環境を確保してあげましょう。
アメリカンボブテイルとジャパニーズボブテイルの違い
同じ短いしっぽを持つ、アメリカンボブテイルとジャパニーズボブテイル。どちらも大変よく似た猫種ですが、決定的な違いは「遺伝」にあります。
日本古来のジャパニーズボブテイルは、両親からそれぞれ異なる遺伝子を受け取った際、形質として現れにくいとされる遺伝子「潜性遺伝(劣性遺伝)」ですが、アメリカンボブテイルは両親から子に特徴が出やすい遺伝子「顕性遺伝(優性遺伝)」といわれています。
そのため現在は、遺伝子的にも全く別の猫種であることがわかっています。
ちなみにジャパニーズボブテイルの体型は「フォーリンタイプ」に対し、アメリカンボブテイルの体型は「ロング&サブスタンシャルタイプ」。ジャパニーズボブテイルよりも大きくがっしりとした体型が特徴です。
まとめ
人が大好きなアメリカンボブテイル。
構ってあげると大変喜びますので「猫とたくさんコミュニケーションを取りたい」という方にはピッタリの猫種といえるでしょう。
またアメリカンボブテイルは毛玉になりやすく、抜け毛を舐めてしまっては胃の中で溜まってしまうことも。
できれば毎日コミュニケーションを取りながら、ブラッシングを行ってあげてくださいね。