シルクのような手触りに、羽飾りのようなフサフサなしっぽ、そしていつまでも撫でていたいと思わせるモフモフな体が特徴の「バリニーズ」。まるでバリのダンサーを思わせる優雅な出で立ちは、一度見たら忘れられなくなるでしょう。
そんなバリニーズ、日本国内においてはまだまだマイナーな猫種。一般的なペットショップではまず見かけることはありません。しかし海外ではその見た目や性格に魅了された愛猫家たちが多く存在し、特にアメリカでは人気の猫種とされています。
本記事ではバリニーズの性格や特徴を始め、色や体重、飼い方について解説していきます。
シャム猫の長毛種!?バリニーズの性格や特徴について
バリニーズは、短毛のシャム猫(サイアミーズ)から突然変異で生まれた長毛の猫種です。
性格はシャム猫にそっくりといわれていますが、実際のところどのような性格を持った猫なのでしょうか。
甘えん坊で自分に正直
シャム猫の血筋を引いているためか、とても甘えん坊です。
飼い主と一緒にいる時間をとても大切にするため、どんな時でも一緒に行動したがります。
おしゃべりをすることも好きなのでよく鳴きますが、鳴き声は小さめなのでそこまで気になりません。
ちょっぴりわがままな一面を持っていますが、それだけ自分の心に素直で甘えん坊なんでしょうね。
神経質な一面も
バリニーズは極端な人見知りはないものの、初めて会う人には警戒心を持つことがあります。そのため、慣れるまでは近寄ってこないことも。
ただ安心できる存在だと認識すれば、大人の人間を始め、小さな子どもや他のペットに対してもうまく付き合える猫種です。
好奇心旺盛で遊んでもらうことを好みますので、たくさん遊んであげると喜びますよ。
バリニーズの歴史と名前の由来
正式な誕生は不明ですが、バリニーズが誕生した由来は諸説あるといわれています。
まず1つ目は「突然変異で生まれた」という説です。
1800年代半ばにシャム猫がアメリカやイギリスからタイに持ち込まれた際、長毛の潜性遺伝(劣性遺伝)を持った猫が生まれたことからバリニーズが誕生したといわれています。
2つ目は「異種交配によるもの」という説です。
第二次世界大戦後、シャム猫の数が激変したことによりブリーダーたちが異種交配を進めたことにより、長毛の遺伝子が引き継がれていったといわれています。
昔は長毛のシャム猫は失敗作とさえ呼ばれ、人気がありませんでした。
しかし1950年頃、アメリカ在住のブリーダーが長毛のシャム猫の美しさに胸を打たれ、計画的な繁殖を始めたそうです。
そして後に長毛のシャム猫は新しい猫種「バリニーズ」として確立していったのです。
ちなみに名前の由来は、バリの伝統的舞踊を踊るダンサーからといわれています。
バリニーズの毛色や模様の種類
日本ではあまり有名な猫種ではないものの、美しい被毛と品のある出で立ちが特徴的なバリニーズ。
目の色はシャム猫(サイアミーズ)と同じ濃いブルーが印象的で、毛の長さはセミロング。触ってみるとまるで絹のように細く、やわらかい肌ざわりです。
また毛色はシャム猫と同じように、耳や顔、四肢、しっぽなどに部分的に濃い色が入る「ポイントカラー」が主流とされ、全部で4種類あるといわれています。
最もオーソドックス毛色です。
シールポイントの次によく見られます。
全体的に薄いカラーのため、やわらかでどこか神秘的な印象を受けます。
シャム猫の中でもかなり希少な毛色です。
バリニーズの体重や大きさは?
シャム猫(サイアミーズ)のようにスレンダーな体型をしているため、比較的細身の猫とイメージされますが、実は見た目よりも筋肉質。そのため、シャム猫と比べてがっちりとした体型をしています。
バリニーズの平均体重は成猫のオスで約3〜5kg、メスで約2.5〜4kg、ボディタイプはゆるやかなV字型の頭部に、大きな耳が特徴の「オリエンタル」に分類されます。
バーミラを飼うには?飼う上でのポイント
シャム猫と特徴がほとんど同じといわれるバリニーズは、飼う上でのポイントを抑えれば初心者でも飼いやすい猫種といわれています。
ここではバリニーズの迎え方から、飼う上で気を付けるべきポイントについてまとめました。
バリニーズの迎え方
日本では珍しい猫種のため、ペットショップや里親募集サイトなどで見かけることはほとんどないといってよいでしょう。
そのため、基本的にバーミラはブリーダーから迎え入れるのが一般的なようです。
ただ日本では専門的にバーミラを繁殖しているブリーダーがいないようなので、まずはシャム猫を扱うブリーダーに相談してみるとよいでしょう。
また海外のブリーダーから迎えるなどの方法もあります。ただし、猫の価格に諸経費等が発生してくるため、30万円前後かかってくると予め見積もっておく必要があります。
猫とスキンシップが取りたい人向け
人懐っこくて、飼い主の傍で過ごすことが大好きなバリニーズ。
スキンシップを取ることが好きなので、積極的に一緒にいられる時間を作れる人や、遊ぶ時間をたっぷり設けてあげられる人などに向いている猫種といえます。
そのため、ひとりぼっちの時間が長かったりするとストレスを感じてしまい、場合によっては人間不信に陥ってしまうことがあるそうです。
バリニーズをお迎えしたらなるべくひとりでの留守番を少なくしたり、帰りが遅くなったらその分たくさん遊んであげてください。
もしも仕事で家を空けることが多い人は他の猫や犬と一緒に飼うなどし、寂しくならないように工夫してあげるとよいですよ。
しつけは叱らず、褒めて伸ばしてあげて
バリニーズは臆病で用心深い一面があるので、毎日叱ってばかりいると飼い主を敵とみなして威嚇したり、近寄ってこなくなってしまうそうです。
粗相やいたずらをしたりしても決して怒鳴ったりせず、根気よく愛情を持ってしつけをしてあげてくださいね。
定期的なお手入れを忘れずに
光沢のある美しい毛並みを保つには、定期的なお手入れが必要不可欠です。
アンダーコート(下毛)の量は少ないため、抜け毛はそこまで多くありませんが、できれば1日1回のブラッシングをするようにしてください。
またバリニーズはスキンシップを取るのが好きな猫です。
コミュニケーションの一環で、マッサージをしながらブラッシングをすることで、リラックス効果や皮膚の血行を促進する効果が期待できるのでおすすめですよ。
バリニーズは猫アレルギーでも飼えるって本当なの?
「猫が好きだけど…猫アレルギーで飼いたくても飼えない」そんな猫好きさんも多いのでは?
そもそも人間の猫アレルギーは、猫の毛やフケ、唾液や尿などに含まれる「アレルゲン」と呼ばれるアレルギー誘発物質が空気中に分散することが原因だといわれています。
バリニーズの被毛は、比較的抜け毛が少ないとされるシングルコート。毛が空気中に舞いにくいため、アンダーコートの猫に比べると猫アレルギーが発生しにくいといわれています。
バリニーズに似た猫たち
前述ではバリニーズは、長毛種のシャム猫と説明しました。
シャム猫はこれまでに様々な他の純血腫と交配を重ねてきたため、今ではシャム猫の血を引いた多くのシャムミックスが存在します。
例えば、オリエンタル、スノーシュー、バーマン、バーミーズ、ヒマラヤンなどが挙げられます。
ちなみにラグドールは、バーマンとバーミーズを掛け合わせて誕生した猫種ですので、どことなくシャム猫に似ているかと思います。
そしてバリニーズを始め、シャム猫の血が入っているシャムミックスたちは外見だけではなく、性格も引き継いでいるそうですよ。
まとめ
日本で飼っている人がまだまだ少ない「バリニーズ」。
甘えん坊で繊細な性格の持ち主のため、長時間の留守番は苦手なようです。
場合によっては分離不安の原因に繋がったり、人間不信を引き起こしたりすることもあるため、もしもバリニーズをお迎えするのであれば、他の猫や犬などをお迎えするなど工夫が必要といえるでしょう。