ブリティッシュショートヘアの性格って?色や飼い方まとめ

丸みを帯びた愛らしい姿に、美しい被毛を持つ「プリティッシュショートヘア」。

実はルイス・キャロルの児童小説『不思議の国のアリス』に登場する架空の猫、チェシャ猫のモデルともいわれています。

チェシャ猫は思うままに生きる謎に包まれた猫でしたが、モデルとなったプリティッシュショートヘアはどんな性格の持ち主なのでしょうか。

ここでは、ブリティッシュショートヘアの性格から飼い方の注意点まで詳しく紹介します。

ブリティッシュショートヘアの性格や特徴について

ブリティッシュショートヘア

ブリティッシュショートヘアはイギリス原産の猫とされ、イギリスでは最も古い猫種といわれています。

1800年代では、ブリティッシュショートヘアを改良する試みが始まり、1870年代にキャットショーにも出陳されました。そして1890年代に正式な猫種として認められ、今日まで愛され続けてきました。

当初は大型の猫種でしたが、交雑の末に小型化され他のセミコビータイプに分類されているプリティッシュショートヘア。性格は「ツンデレ」とのことですが、実際どのような性格の持ち主なのでしょうか。

我慢強くて穏やかな性格

ブリティッシュショートヘアは、元々ネズミや害虫を駆除するハンターをしてきたこともあってか、とても我慢強い性格の持ち主です。

また、普段はあまり感情を表現しないといわれていますが、おもちゃで遊ぶことは大好きなので、猫じゃらしやボールなどを使って遊んであげると大変喜びます。さらに褒められることも大好きなので、遊んだ後はたくさん褒めてあげるとよいでしょう。

ですが、基本的にブリティッシュショートヘアは静かにのんびりと過ごすことが好きな性格の持ち主。遊ぶのに乗り気でない場合はのんびりさせてあげてくださいね。

自立心が高めなので抱っこは嫌い!

子猫から成猫になるまでの間は、甘えん坊なブリティッシュショートヘアですが、基本的にとても自立心が高いので、抱っこや撫でられることはあまり好きではありません。

どちらかというと、誰にも触れらず好きな場所で寝ていることを好む性格といえます。必要以上に触ろうとすると、かえってストレスになってしまいますので、静かにしている時はそっとしといてあげましょう。

家族以外には懐かない

心を許した家族には甘えん坊の一面を覗かせますが、家族以外の他人にはあまり懐きません。

その理由は「警戒心が強い」から。そのため、できるだけ嫌がることや過度なコミュニケーションを取らせないようにしてあげてください。また騒がしい場所も嫌うので、もしも来客が来たら静かな場所でのんびりと過ごさせてあげてくださいね。

ハチワレは多頭飼い向きって本当?

ブリティッシュショートヘアの中で人気が高い「ハチワレ」。
額の部分がまるで漢字の「八」の字を描くように分かれた模様のことを指します。英語では「タキシード」と呼ばれ、個性的で愛らしい姿をしています。

ハチワレ猫の多くは生命力が強く、精神的にもとてもタフな性格をしています。

一般的に黒の割合が多いハチワレ猫は、穏やかで人や他のペットとも仲良く過ごせる性格をしており、白の割合が多いハチワレ猫の場合は、クールで賢く、デリケートな性格が多いとされています。

オスとメスでは性格が違う

ブリティッシュショートヘアは基本的に自立心が高く、飼い主さんとも適度な距離を保とうとしますが、オスの場合は少しその傾向が薄れるといわれています。時折、飼い主さんのそばに近付こうとする様子も見受けられますので、少しだけ近い距離で接することができます。

一方メスの場合は自立心が高いため、飼い主さんとベタベタ接することは少ないです。もちろん個体差はありますが、これがブリティッシュショートヘアの性格だということを、飼い主さんはあらかじめ認識しておきましょう。

ブリティッシュショートヘアの毛色の種類は?抜け毛は多い?

ブリティッシュショートヘアは別名「ブリティッシュブルー」と呼ばれ、個性的なブルーカラーがとても人気です。

ブルーカラー以外にも「クリーム」「ブラック」「ブルー」「ホワイト」「レッド」といった被毛カラーがあります。

ここでは、そんなブリティッシュショートヘアのカラーについて詳しく見ていきましょう。

ブリティッシュショートヘアの毛色「ブルー系」

ブリティッシュショートヘアの代名詞とされる「ブルー」。一般的にイメージされる海や空などの青色ではなく、やや青みがかかった灰色と表現するのが一番しっくり来るといえるでしょう。

特にブリティッシュショートヘアの淡く美しい発色が最大の魅力であり、多くの愛猫家を魅了させています。なかには、タビー(しま模様)を始めとする模様を持った個体も存在します。

また単色とは異なった「ブルー&ホワイト」や「ブルー&クリーム」などは、個性的なカラーとしても人気が高く、近年注目を浴びているカラーでもあります。

ブリティッシュショートヘアの毛色「クリーム系」

ブルーに続いて人気が高い毛色カラーは「クリーム」です。クリームは黄色みがかかった薄茶色ですが、実はレッド系の色合いでもあります。

元々猫の毛色で「レッド」はイチゴのような真っ赤な色合いではなく、茶色とオレンジの中間色のような色合いをしています。そのためレッドを薄めるとクリーム色になります。

またやわらかで優しい雰囲気を醸し出すクリームは、単色以外にもタビー(しま模様)や「クリーム&ホワイト」といった2色の毛色がいます。

ブリティッシュショートヘアの毛色「ブラック(黒)系」

ブリティッシュショートヘアの「ブラック」は、ペットショップではあまり見かけないカラーとなります。

ブリティッシュショートヘアのブラックは、魔女の宅急便に出てくる黒猫のジジと同じ色をしています。耳も鼻の色も真っ黒なので、銅色や金色の目がより際立ち綺麗に見えます。

また黒一色のソリッドブラック以外にも、白地に黒色が混ざりあった「ブラック&ホワイト」や毛先の半分だけ黒く、濃い灰色にも見える「ブラックスモーク」といったカラーもいます。

ブリティッシュショートヘアの毛色「ダイリュートキャリコ」

薄い毛色の三毛猫と呼ばれる「ダイリュートキャリコ」。ダイリュート(Dilute)が「薄める」という意味を持ち、キャリコ(calico)は「三色のまだら」を意味します。

本来キャリコカラーは黒・白・レッドの三色ですが、ダイリュートキャリコはそれぞれの色が薄くなっているため、ブルー(灰色)・白・クリームの三色となります。毛色がパステルカラーになることから【パステル三毛猫】とも呼ばれることがあるそうですよ。

ちなみにダイリュートキャリコは遺伝子の関係上、オスは滅多に生まれないといわれています。もしもオスが生まれた場合その価格は数百万に及ぶことも。

オスのダイリュートキャリコをお迎えしたい場合は、根気よく探すことが求められます。

短毛種だが抜け毛の量は多い

ブリティッシュショートヘアは短毛種の猫です。密集した滑らかで艶のある被毛は、何度触っても心地よく癒される毛質をしています。

短毛種と聞くと、一見「抜け毛が少ない」と思われがちですが、被毛はダブルコートなため換毛期は抜け毛が非常に増えます。

そのため「短毛種だからお手入れはしなくても大丈夫!」と思うのは誤りです。毛玉やもつれの原因にも繋がりますので、短毛種でも日頃のケアは怠らないようにしましょう。

ブリティッシュショートヘアの模様の種類は?

先述では毛色について見てきましたが、実はブリティッシュショートヘアの模様もバリエーションが豊富です。

ここでは、ブリティッシュショートヘアの模様について見ていきたいと思います。

ブリティッシュショートヘアの模様「ソリッド」

単色で模様がない「ソリッド」。ブリティッシュショートヘアの代表的なブルーを始め、クリーム、チョコレート、ブラック、ホワイトなどのカラーバリエーションが豊富です。

ブリティッシュショートヘアの模様「クラシックタビー」

しま模様が入ったいわゆるトラ柄が「クラシックタビー」になります。ブリティッシュショートヘアの場合、濃い毛色がしま模様になっており、体の側面には幅の違うストライプが渦を巻いているのが特徴的です。

またブリティッシュショートヘアのクラッシックタビーはバリエーションが豊富です。

  • チョコレートクラシックタビー
  • ブラッククラシックタビー
  • ブルークラシックタビー
  • レッドクラシックタビー

など

その他にもシルバーが混ざった個体もいるそうですよ。

ブリティッシュショートヘアの模様「マッカレルタビー」

魚のサバのようなしま模様が特徴的な「マッカレルタビー」。マッカレル(mackerel)とは英語で魚のサバを意味します。

濃い毛色のしま模様が同じ方向にのびており、背骨に沿って1本の線があるのがマッカレルタビーの特徴といえるでしょう。

ブリティッシュショートヘアのマッカレルタビーの種類は、ブラックマッカレル、ブルーマッカレル、ブラックシルバーマッカレルなどがあります。

ブリティッシュショートヘアの模様「スポテッドタビー」

マッカレルタビーのしま模様が途切れ、体の両側に点々とした斑点模様が見られるのが「スポテッドタビー」になります。足やしっぽはストライプです。

ブリティッシュショートヘアのスポテッドタビーの種類には、チョコレートスポテッド、ブルースポテッド、ブラックスポテッド、レッドスポテッドなどがあります。

ブリティッシュショートヘアの模様「トーティ」

「トーティ」とはさび猫のことを指します。2色の毛色が同じ割合で不規則にミックスされています。なかには、顔の左右で毛色が分かれている「ブレイズ」もいるそうですよ。

トーティの種類には、シナモントーティ、チョコレートトーティ、ブルートーティ、ブラックトーティなどの毛色があります。

ブリティッシュショートヘアの模様「キャリコ」

トーティに白が加わった三毛猫模様を「キャリコ」といいます。

なかでもパステルカラーになっているものを「ダイリュートキャリコ」と呼び、かなり希少価値の高い模様となります。ダイリュートキャリコは、一般的なキャリコより色合いが薄いので、やわらかな印象があるので大変人気です。

ブリティッシュショートヘアの模様「スモーク」

一見すると黒色に見えますが、毛の根元部分が白色や薄い色などで毛色が薄くなっているのが「スモーク」です。

スモークの種類には、チョコレートスモーク、ブルースモーク、ブラックスモークなどがあります。

ブリティッシュショートヘアの模様「バイカラー」

白色の他に1~2色の毛色が混ざった模様を「バイカラ―」といいます。なかには白色以外の毛色にしま模様が入ることも。

バイカラーの種類には、クリーム、ブラック、ホワイト&ブルーなどがあります。

ブリティッシュショートヘアの模様「ポイント」

鼻や耳まわりに色がついた毛色のことを「ポイント」と呼びます。ポイントは、温度環境で色が変わることがある不思議な被毛とされており、寒くなると体の先端が色濃くなることがあります。そのため、夏と冬では毛色が異なることもあるそうです。

またポイント部分は、チョコレートやブラック、ブルーといったさまざまな色が入ります。

ブリティッシュショートヘアの目の色は?

本来猫の目の色は、色調とメラニン色素の多い・少ないで分類され、細かく分けると10種類になります。

メラニン色素が多い順
  1. オッドアイ(左右の虹彩色が異なる)
  2. カッパー(銅色)
  3. オレンジ
  4. ゴールド
  5. イエロー
  6. ヘーゼル(グリーンやブラウンのグラデーション)
  7. グリーン
  8. アクア
  9. ブルー
  10. サファイヤブルー

④ゴールドと⑤イエローは「アンバー」とも呼ばれ、琥珀色を意味します。メラニン色素が少し多いため、レモンイエローのように見えるやわらかな色合いから、ゴールドに近い色合いまでバリエーションが豊富です。

また通常猫の目の色は、カッパーからグリーンまでの範囲になりますが、まれに違うパターンになることも。

例えば、虹彩異色症と呼ばれる先天的な遺伝子異常で生まれるオッドアイやアルビノと呼ばれる突然変異において出来るレッド(赤)はメラニン色素を持っていないのが特徴です。

ブリティッシュショートヘアの場合、猫に見られる全ての色が確認されていますが、その中でも特に多いのが「オレンジ」「カッパー」「ゴールド」の3種類といわれています。

ブリティッシュショートヘアの体重や大きさ(体長)は?

大きな丸い目と短い鼻がチャームポイントなブリティッシュショートヘア。耳は少し離れていて、先端が丸いのが特徴的です。

そんなブリティッシュショートヘアは中~大型猫に分類され、成猫になると体重はオスで約4~9kg、メスで約3~6kgに成長します。体長は約40~50cmありますので、一般的な猫の平均体長※1よりも少し胴が長めでもあります。

またがっしりとした筋肉質なブリティッシュショートヘアは、成猫になるまで約3年かかるといわれています。

※1.約25~30cm

ブリティッシュショートヘアの飼い方について注意したいこと

知的で物静かな性格をしているブリティッシュショートヘア。自立心が高く、抱っこや撫でられたりするのは苦手な猫種ですが、飼う上で気を付けるべきことや注意することはあるのでしょうか。

騒がしい場所と子どもが苦手

穏やかな性格のブリティッシュショートヘアは、騒がしいのがとても苦手です。そのため常に賑やかな環境であったり、小さな子どもがいたりする環境を嫌います。

どちらかというと、大人しかいない家庭でのんびりと静かに過ごすことを好みますので、騒がしい場所にお住まいの方や、小さな子どもがいるご家庭で飼うのはストレスになるため難しいといえるでしょう。

遊びの時間はしっかりとってあげましょう

ブリティッシュショートヘアは遊ぶことや運動をすることが得意な猫種です。そのため、遊ぶ時はおもちゃを使って思いっきり遊んであげると良いでしょう。さらにジャンプすることも好きですので、キャットタワーを設置してあげると喜びますよ。

また、あの筋肉質でがたいの良い体を維持するためには、高たんぱく高カロリーの食事は必要不可欠。その分、運動をさせてあげないとすぐに肥満体型になってしまいますので、気を付けてあげてくださいね。

子猫の頃から小まめなブラッシングを心掛けて

短毛種のブリティッシュショートヘアは、換毛期に大量の毛が抜けます。その理由は、被毛がオーバーコートとアンダーコートの二重構造になっている“ダブルコート”だから。そのため、毎日のブラッシングは必要不可欠です。

1日1回、軽くでよいのでブラシを入れて毛並みを整え、抜け毛を丁寧に取り除くようにしてあげてください。ただし換毛期は普段よりも念入りにブラッシングをするように心掛けましょう。

過度なスキンシップは控えましょう

ブリティッシュショートヘアは静かな場所でのんびりと過ごすのが好きな猫種です。そのため、抱っこや頭を撫でるといった必要以上のスキンシップはストレスの元となります。

飼い主さんからしたら、たくさんスキンシップを取りたいと思いますが、ここはグッと抑えていただき、ブリティッシュショートヘアが甘えてきた時に撫でてあげたり、構ってあげたりするようにしてくださいね。

ロシアンブルーやシャルトリューとの違いは?

ブルーの毛色が特徴的な猫種といえば、「ブルー御三家」と呼ばれるロシアンブルーやシャルトリューを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。

ここでは、ブリティッシュショートヘアとの見分け方について見ていきたいと思います。

ロシアンブルーとの見分け方は「体型」

ブリティッシュショートヘアとロシアンブルーの見分け方としては、体型にあります。

ブリティッシュショートヘア
・骨太で鳩胸、そして筋肉質
・丸顔
・瞳はカッパーなどの褐色系が多い
⇒がっしりとしたたくましい体型
ロシアンブルー
・骨は細いが筋肉質
・小顔でまっすぐ通った鼻筋
・瞳はグリーンが多い
⇒筋肉質だけどすらっとしたスリムな体型

ブリティッシュショートヘアは大柄でがたいのよい体型をしていますが、ロシアンブルーは手足が長くスタイリッシュです。

そのため、2匹の違いを見分けるにはその体型を比べてみるとよいでしょう。

シャルトリューとの見分け方は『目や毛の色』

ブリティッシュショートヘアとシャルトリューの見分け方は、目の色や毛の色からわかります。

ブリティッシュショートヘア
・目の色はカッパー、グリーン、ゴールド、ブルーとさまざま
・毛の色はバリエーションが豊富で模様などもある
シャルトリュー
・目の色はゴールド系のみ
・基本はブルーの被毛のみ(まれにブラック、ホワイト)

ブリティッシュショートヘアは、目の色や毛の色のバリエーションが豊富ですが、シャルトリューは一色のみが多いです。

また体型はどちらも筋肉質ではありますが、ブリティッシュショートヘアの方がシャルトリューよりも丸みが帯びているといえるでしょう。

まとめ

自立心が高く、必要以上に甘えてこようとしないブリティッシュショートヘア。そのため「猫とたくさんスキンシップを取りたい!」と思っている人にはあまりおすすめができません。

どちらかというと、猫らしいツンデレ具合を求めている方や、猫と適度な距離感を保って生活をしたい方におすすめです。

ただし、全く甘えて来ないわけではありませんので、ブリティッシュショートヘアが近寄ってきたり、甘える素振りを見せて来たりしたら、一緒に遊んであげてくださいね。

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