バーミーズの体型とチンチラの毛色を持ち合わす「バーミラ」。その美しい姿が世界中で人気となり、2003年頃まで欧米各国に輸出されるほどでした。
近年日本でも注目されつつある猫種ですが、まだまだ知名度としては低め。しかし、その美しい被毛と愛らしい表情を見たらきっと魅了されることでしょう。
本記事ではそんなバーミラの性格や特徴、色や体重、飼い方についてを詳しくまとめました。
バーミラの性格や特徴について
バーミラは、バーミーズの人懐っこさと、チンチラのマイペースな性格を引き継いでいます。
また個体差はあるものの、落ち着いた性格とお茶目な性格を併せ持つ猫種でもあるんですよ。
ここでは、バーミラの詳しい性格について見ていきましょう。
賢くしつけがしやすい
バーミラは、飼い主のいうことを理解する賢さがあるためしつけがしやすく、お留守番もできるため飼育は比較的しやすいといわれています。
また褒められることが大好きな猫種ですので、よいことをしたら沢山褒めてあげると喜びますよ。
順応性が高く、多頭飼いもOK
フレンドリーで社交性のあるバーミラは、環境への順応性が高いので多頭飼いにも向いている猫種です。
他の猫に対して敵対心を見せることが少ないため、仲睦まじく過ごしてくれることでしょう。
ただし、元々マイペースな気質を持つバーミラは、他の猫からちょっかいを出されるのが苦手。多頭飼いをする際は、お互いの相性を考えながら、ストレスが溜まらない環境を作ってあげてくださいね。
バーミラの歴史やルーツ
バーミラの誕生は1981年にさかのぼります。
イギリスに住むミランダ・キルヒベルグ夫人は、オスのチンチラペルシャ「ジャラミ」を飼っていました。
ある日のこと、ジャラミが玄関の扉から出て行ってしまったことがきっかけで、同じ家で飼われていたメスのバーミーズと交配をしてしまったのです。
それがきっかけで同年の9月11日、美しいシルバーの毛色を持つ4匹のメスの子猫が生まれ、ガラティア、ジェンマ、ガブリエラ、ジゼラと名付けられました。
飼い主のミランダ夫人はその美しい猫たちの性質を残したいと、育種を決意。そしてそれぞれの子猫たちは、バーミーズと戻し交配をされることになったのです。
遺伝学者やブリーダーたちの協力を得ながら、異なった個性を持つ4匹の子猫たちは「エイジアン」というグループ名で育種を開始。
その中で一番早くスタンダード(猫種標準)が1983年に記され、1985年にはイギリスの猫血統登録団体「GCCF」に新猫種として登録されたのがバーミラだったのです。
ちなみに名前の由来は、バーミーズ(Burmese)から取った「Barm」と、チンチラ(Chinchilla)から取った「illa」を組み合わせて作られたそうですよ。
バーミラの毛色や模様の種類
バーミラの被毛は基本的にシルバーやクリームといった明るい毛色がベースとなり、毛先には別の濃い色が混じっています。このことを「シェーデッド」と呼び、バーミラの特徴でもあります。
公認されている毛色は「ブラック」「チョコレート(茶色)」「ブルー(青っぽいシルバー)」「ライラック(明るめのシルバー)」などのシェーデッドとされ、それぞれ色の出方や濃淡も異なることから、個性豊かな子がたくさんいます。
さらに目や鼻、口まわりがブラックの毛色でふちどられていることから、アイライナーやマスカラとも呼ばれています。
ちなみにバーミラの被毛は光沢があり、シルクのような手触りが魅力の1つ。思わず触れてみたくなる美しい毛並みです。
バーミラの体重や大きさは?
細くてスラリとした足やしっぽが特徴のバーミラ。
適度な筋肉がつき、丸みを帯びた体のラインはとても魅力的です。
実際抱っこをしてみると、見た目とは裏腹に「思ったよりもどっしりとしている」と感じることでしょう。
バーミラの平均的な体重は成猫のオスで約5〜7kg、メスで約3.5〜5.5kg、体高は約25cmです。
またボディタイプは「セミフォーリン」と呼ばれる、コビーとオリエンタルの中間の体型。頭部は丸みを帯びたくさび形でボディは少し短く、ずっしりとしています。
バーミラを飼うには?探し方について
まだまだ日本では希少な猫種のため、バーミラをペットショップで見かけることは難しいかもしれません。
さらに国内でもバーミラを繁殖させているブリーダーも数が少ないため、場合によっては海外のブリーダーとアポイントを取る必要があるかもしれません。
まずは、日本でバーミラを繁殖しているブリーダーさんを探してみるなど、情報収集をしてみることをおすすめします。
バーミラを飼う上での注意点
社交的で自立心を餅わせているバーミラ。大変賢く、基本的なしつけにも大きな問題は生じないといわれています。
ただし、飼う上で気を付けるべき点はいくつかあるようです。
鳴き声に注意
比較的落ち着いた性格をしているバーミラですが、鳴き声は少し大きめです。
そのため、アパートやマンションといった集合住宅での飼育はあまり向いていないかもしれません。
集合住宅は色々な考えを持った人がいますので、なかにはバーミラの鳴き声でトラブルを招いてしまう恐れがあるかもしれません。
だからといって鳴くたびに叱るのも、バーミラにとってストレスの原因になりますので、できれば隣家との距離が近すぎない一戸建てで飼育することをおすすめします。
過剰なスキンシップは控えて
バーミラは過剰なスキンシップを好みません。
構われること自体は嫌いではないようですが、自身のペースを崩されることは嫌いなようです。
ついつい寝ている姿を見ると触りたくなるかと思いますがそこはぐっと我慢し、バーミラが自ら甘えてくるまでそっと見守ってあげてくださいね。
運動量は飼い主がコントロールを
自ら積極的に動くタイプではないため、他の猫種と比べて運動量が少なく感じることがあるかもしれません。
バーミラは基本的に激しい運動はあまり必要ではありませんが、健康のためを考えると適度な運動は必要不可欠。猫じゃらしや猫用のおもちゃなどを使って、一緒に遊んであげるようにしましょう。
ただし、人間との長時間のコミュニケーションは苦手なので「ひとりにして」とどこかへ行ったときは、そっとしてあげてください。
またバーミラがひとりでも遊べるように、上下運動ができるキャットタワーを設置しておくとおすすめですよ。
小まめなブラッシングが必要
バーミラの被毛は短毛で抜け毛は少なめですが、毛が密集しているためボリュームがあります。
ブラッシングをせずに放置すると分厚い毛に覆われてしまい、体温調整がうまくできなくなったり、皮膚トラブルを招いてしまったりする恐れがあります。
また夏場は熱中症のリスクが高まりますので、空調温度に十分注意すると共に、清潔さを保つためにも1日1回はブラッシング、もしくは1週間に3回を目安にブラッシングをしてあげてくださいね。
まとめ
まだまだ日本では珍しい猫種「バーミラ」。その美しいボディラインと、整った顔立ちは一度見たら忘れられない猫といえるでしょう。
問題行動も少なく、自立心があるのでひとりで留守番を難なくこなしますし、猫と一緒にのんびりとした生活を送りたい方におすすめですよ。