大きな耳とグリーンの瞳、そしてスッとした鼻筋が特徴的な「ハバナブラウン」。バランスの取れた筋肉質な体つきは大変美しく、知的で飼いやすい猫といわれています。
そんなハバナブラウンの知られざる性格や特徴から、色や体重、飼い方についてまで詳しくご紹介します。
ハバナブラウンの性格や特徴について
日本ではまだまだ珍しい猫種である「ハバナブラウン」。
初めて名前を聞いたという人も多いのではないでしょうか。
海外ではチョコレート色の被毛と、個性溢れた姿が人気を博し、特にアメリカやイギリスでは人気の高い猫種でもあるんですよ。
ここではハバナブラウンの性格についてみていきましょう。
甘えん坊で犬っぽい性格
シャム猫の血を引くためか、人と触れ合うことが大好きなハバナブラウン。
膝などに乗っては、ゴロゴロと喉を鳴らし甘えてくる姿はとってもかわいいんですよ。
またハバナブラウンはとても賢い猫といわれ、自分の名前を呼ばれると振りむいて近寄ってくるんだとか。根気よくしつけることができれば、簡単な芸も覚えることも可能なんだそうですよ。
飼い主とコミュニケーションを取るのが大好きな猫なので、普段からたくさん遊んであげてくださいね。
意外と嫉妬深い
猫には珍しく、ハバナブラウンは嫉妬深い一面があります。
とにかく「自分を一番に見て欲しい」「愛情を注いでほしい」と思う気持ちが強いようなので、構ってくれない時間が長いと寂しがり、ストレスのもとにも。
また他の猫や犬などペットを飼っていると「自分だけに愛情を注いで!」と嫉妬心を抱いてくる可能性が高いため、多頭飼いは不向きといえるでしょう。
長いひげが特徴的
猫といえば口元に立派に生えたひげが特徴的ですが、ハバナブラウンのひげは他の猫種よりも少し長めといわれています。
ふんわりと生えた長いひげは別名「トウモロコシのひげ」と呼ばれているそうですよ。
ハバナブラウンの歴史・ルーツ
ハバナブラウンは、イギリス原産の猫であり、もともと「チェスナットフォーリンショートヘア」という名前だったそうです。
顔つきはシャム猫にとてもよく似ていますが、どのようにして誕生した猫種なのでしょうか。
バナナブラウンの起源は「シャム猫」
チョコレートポイントのシャム猫と、シャムの血を持つ黒猫を交配したことで生まれたのが『ハバナブラウン』の起源だと伝えられています。
遡ること1890年。
当初生まれた猫は、グリーン色の瞳と栗色のような赤茶色の被毛だったことから「スイスマウンテンキャット」と呼ばれていました。
しかし単色でグリーン色の瞳を持つ猫は、シャム猫愛好家の間では評判がよくなかったそうです。
2か国で改良が進められた
時代は流れ1950年代に入ると、シールポイント(チョコレートポイント)のシャム猫と黒猫の交配が行われ、単色のチョコレート色の猫が誕生しました。
イギリスではこの猫のことを「チェストナットブラウンフォーリン」と認定し、アメリカなどへの輸出を始めます。
アメリカのブリーダー達は「筋肉質な猫にしたい」と考え、セミフォーリンタイプになるよう繁殖を始めます。そして後に「ハバナブラウン」として認められていきました。
一方、イギリスのブリーダー達は「細身体型の猫にしたい」と考えていたようで、オリエンタルタイプが好まれていたようです。
そのためアメリカとイギリスでは、スタンダードの基準が異なるようです。
名前の由来
ハバナブラウンの名前には諸説由来があるといわれています。
1つは、ハバナブラウンの体の色が鮮やかなチョコレート色だったことから、まるでハバナ産の葉巻に似ていることから名づけられたといわれています。
そしてもう1つの由来は「ハバナラビット」と呼ばれるウサギの毛色と大変似ていたからという説があるそうです。
アメリカとイギリスではスタンダードの基準が異なるって本当?
前述でハバナブラウンは、アメリカとイギリスではスタンダードの考えが違うとお伝えしました。
では、具体的にどのようなところが異なるのか、その基準についてみていきましょう。
アメリカのハバナブラウン場合
「筋肉質な猫にしたい」というアメリカのブリーダー達が繁殖に力を入れたこともあってか、全体的にがっしりとした体型をしています。
頭部の逆三角形は緩やかで、大きな耳はピンと立ち、顎のラインは少し角ばっています。
また目の下あたりから鼻の付け根があり、イギリスのハバナブラウンよりも鼻の位置が少し低いのが特徴です。
イギリスのハバナブラウンの場合
イギリスのハバナブラウンは、顔の輪郭が逆三角形でシュッとしているのが特徴です。
また両目の間から鼻があるため、鼻筋がしっかりと通っているためかインパクトのある鼻立ちをしています。
筋肉質でありながらも、全体的に無駄がなくスマートな体型といえるでしょう。
ハバナブラウンの毛色や模様の種類
ハバナブラウンといえば、名前の由来にもなっている毛色が特徴の1つ。深みのある美しい赤茶色の被毛は「マホガニー」とも称され、世界で高い人気を誇ります。
被毛の長さは短毛でありながら、光沢のある柔らかな触り心地をしています。
基本被毛の色はチョコレートですが、ロシアンブルーとの交配の名残から「フロストポイント(ライラックポイント)」と呼ばれる薄いグレーの毛色をしたハバナブラウンもいます。
フロスポイント(ライラックポイント)の子猫の場合、成長するに従いポイントがなくなったり、タビーが現れることがあるそうですよ。
ハバナブラウンの体重や大きさは?
明るく活発な性格をしたハバナブラウン。
アメリカとイギリスではスタンダードの基準が異なりますが、成猫時の平均体重はオスで約3.6〜4.7kg、メスで約2.6〜3.8kgと一般的な猫と比較すると少し小さめです。
オスは成長すると5㎏近くになる個体がいる一方、メスは平均体重が3kg前後のため、体重の差があることがわかります。
ハバナブラウンを飼うには?
ハバナブラウンは、日本のペットショップではまずお目にかかることはありません。
では何処から迎え入れればよいかというと「ブリーダー」です。
ただ血統によって値段の幅が大きいようで、ペットタイプであれば10万円前後で飼うことができますが、キャットショーなどに出れるほどのクオリティの高い場合は40万円以上の値段がすることもあるようです。
また日本で専門に扱うブリーダーさんが少ないため、確実にハバナブラウンをお迎えしたいのであれば、海外から輸入を検討する必要があるかもしれません。
しかし海外から輸入するとなると、ハバナブラウンの価格以外にも諸費用が発生してきますので、さらに高額になる可能性も高いでしょう。
ハバナブラウンを飼う上で気を付けたいポイント
シャム猫から派生したハバナブラウン。
まだまだ日本での認知度は低い猫種ではありますが、シャム気質の甘えん坊でかわいらしい性格をしています。
ではもしもハバナブラウンを家族の一員として迎え入れたら、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。
小まめなコミュニケーションを
ハバナブラウンは、人に構ってもらうことが大好きな猫種です。そのため構ってあげる時間が少ないと、ストレスで病気を患ってしまう可能性があります。
なるべく自宅にいる時間が多く、小まめにコミュニケーションが取れる環境のご家庭に向いているといえるでしょう。
また体を動かすことが大好きなので、1日最低でも10分以上は一緒に遊んであげてください。
高い所に登ったり、ハンティングをしたりするのも好きなので、上下運動ができるキャットタワーの設置や猫用のおもちゃを用意してあげると喜びますよ。
ブラッシングは1日1回
短毛のハバナブラウンは頻繁なお手入れは必要ありませんが、美しい被毛を保つためにも1日1回獣毛ブラシで毛並みを整えてあげましょう。
春や秋といった換毛期シーズンは、ラバーブラシで抜け毛を取り除いてあげるとよいですよ。
ハバナブラウンは、飼い主と触れ合うことが大好きな猫種ですので、コミュニケーション感覚で声を掛けながら優しくブラッシングをしてあげてくださいね。
バランスの取れた食生活を心がけて
引き締まった筋肉質な体をキープするためには、バランスの取れた食生活が大切です。
肥満にならないように適度な運動はもちろん、成長や年齢ごとに応じたフードを与えるようにしましょう。
また猫は犬に比べて水を飲むことが少ない動物です。水分を摂らせるためにも水を飲む場所を複数用意したり、小まめに新鮮な水に交換してあげたりしてくださいね。