ヒマラヤンの性格や特徴って?色や体重、飼い方まとめ

長毛でブルーの瞳が印象的なヒマラヤン。名前の由来は「ヒマラヤウサギ」という品種のウサギとポイントカラーが似ていることから付けられたそうです。

ヒマラヤンは、猫界のキングとも呼ばれるシャム猫(サイアミーズ)とペルシャを交配して生まれた猫でもあります。一見、1つの品種のように扱われていますが、実はペルシャのカラーバリエーションの中の1つとして多くの猫協会では位置づけされています。

ここではそんなヒマラヤンの性格を始め、色や体重、飼い方の注意点などについて解説していきましょう。

ヒマラヤンの性格や特徴について

ヒマラヤン

ヒマラヤンの原産国は北アメリカとイギリス。1924年、シャム猫とペルシャの異種交配によって誕生しました。

ペルシャの温厚でやさしい性格を強く引き継いでいるため、基本的には物静かでおっとりした子が多い傾向にあります。

また高い所に登ったり、大きな声で鳴いたりすることはほとんどないため、集合住宅にお住いの方も安心してお迎えすることができるでしょう。

おっとりした人懐っこい性格

ヒマラヤンはとてものんびりとした性格であり、穏やかで優しい性格の持ち主です。自己主張は強くありませんし、攻撃性もないので初めて猫を飼う方にもおすすめです。

また温厚な性格のため、他猫はもちろんのこと、犬や他のペットとも仲良く暮らすことが可能なので、多頭飼いにも向いています。

ヒマラヤンの顔には2タイプあるって本当?

ヒマラヤンは、2種類の異なる顔を持つ猫種といわれており、他の猫にはない特徴を持ち合わせています。

エクストリームフェイス
ペルシャ猫よりも鼻がぺちゃんこで引っ込んでおり、横から見ると額から顎までほぼ一直線上にある顔立ちです。
鼻筋に出るくぼみが深いほど美形とされていて、アメリカにいるヒマラヤンのほとんどがこの「エクストリームフェイス」タイプになります。
ドールフェイス
エクストリームフェイスとは真逆で、鼻筋がスーッと通っている顔立ちをしています。
日本にいるヒマラヤンの多くが「ドールフェイス」です。

シャム猫とペルシャの異種交配で生まれたヒマラヤン

前述の通り、ヒマラヤンはシャム猫とペルシャを人工的に作出された猫種です。

原産国がアメリカとイギリスの2ヶ国とされていますが、イギリスでは1920年代からシャム猫とペルシャの交雑猫が存在していたそうです。そこから本格的なブリードが始まったのはもっと後であり、1955年にイギリスの猫血統登録団体GCCF(Governing Council of the Cat Fancy)に登録されました。

一方アメリカでは、1930年代に「美しいポイントカラーが入ったシャム猫と、長毛で太めでずんぐりむっくりしたペルシャを掛け合わせた猫を作りたい」と考え、計画的に繁殖が開始されました。

そして1935年に誕生した長毛のポインテッドの子猫「デビュタント」が現在のヒマラヤンの原型とされています。

デビュタントは、ペルシャよりの顔立ちではなく、どちらかというとシャム猫の顔立ち(フォーリンタイプ)でした。そのため、現在のヒマラヤンの顔立ちになるまでは、30年以上の歳月がかかったといわれています。

その後、アメリカで作出されたヒマラヤンは、1957年にCFA (THE CAT FANCIERS’ ASSOCIATION, INC.)とTICA(The International Cat Association)に公認されましたが、ヒマラヤンという独立した猫種ではなく、ペルシャの種類の1つとして位置づけられることになったのです。

CFAでは今でもペルシャの種類の1つとして「ヒマラヤン・ペルシャ」と呼ばれており、現在も多くのブリーダーが改良を続けています。

ヒマラヤンの毛色や模様の種類は?

ヒマラヤンは異国の雰囲気が漂う毛色と、華美な長毛を持ち合わせているのが特徴的であり、体型はペルシャと全く同じです。これは、シャム猫とペルシャの特徴を上手く兼ねそろえているといってもよいでしょう。

また瞳の色はシャムほど濃くはなく、鼻を中心とした顔周り、耳、足、しっぽといった体の表面部分の温度が比較的低い部分に濃い毛色が現れるのも特徴の1つでもあります。

ヒマラヤンの被毛は長く艶があり、滑らかな手触りをしています。とても繊細で密度が高く、ふわふわなダブルコートの被毛はいつまでも触っていたくなるやわらかさです。

毛色の色としてはこげ茶色(シールポイント)を始め、クリームポイント、チョコレートポイント、ブルーポイント、ライラックポイント、リンクスポイント(ポイントカラーにしま模様が入る)などといった、ポイントを持つものに限るとされています。

ヒマラヤンの体重や大きさ(体長)は?

首周りの飾り毛がゴージャスなヒマラヤン。成猫になると体重はオスで約4.0~6.1kg、メスで約3.2~5.0kg、体長は約60~80cm前後まで成長します。

一見、ぽっちゃり体型に見えますが、実は筋肉がしっかりついており、中型から大型に属する猫種といわれています。

また運動が苦手な猫種でもあるため、食事管理に気を付けないと肥満体型になってしまうので注意が必要です。

ヒマラヤンの飼い方について注意したいこと

初心者でも飼いやすいヒマラヤン。とても賢い猫種のため、しつけもそれほど難しくはありません。しかし、飼う上で気を付けるべき注意点は存在します。

ここでは、ヒマラヤンをお迎えする前に気を付けるべき3つの点をまとめました。

なるべく動いてもらえる環境を

基本的にあまり動くことを好まず、静かな場所でのんびりと過ごしたいヒマラヤン。運動量は他の猫よりも少なめです。

そのためフードやおやつを与えすぎると、すぐに肥満に繋がってしまいます。食事管理はもちろんですが、1日5~10分程度はおもちゃなどを使って一緒に遊んであげるようにしましょう。

また少しでも歩き回るなどして運動をしてもらえるように、できるだけ広い範囲で自由に動ける環境を整えてあげてください。

暑さが苦手なので室温管理を

ダブルコートの毛に覆われたヒマラヤンは、暑さにとても弱い猫種です。そのため、室内温度は特に気を配るようにしましょう。

特に夏場は部屋の中でも熱中症になりやすいので、エアコンを使って温度調節をするようにしてください。可能であれば、エアコンと一緒にサーキュレーターを回すと空気を循環することができるのでおすすめです。

それ以外にも、ヒマラヤンが自分のタイミングで涼められるように、猫用のクールマットなどを購入して部屋に置いたり、遮光性のあるカーテンで室内の温度上昇を抑えたりするのも効果的です。

もちろん、小まめに水分補給できるよう新鮮な飲み水を何ヶ所かに設置してあげてくださいね。

抜け毛が多いので毎日ブラッシングを

換毛期のヒマラヤンは、特に抜け毛が多くなります。毎日のブラッシングはもちろんですが、特に換毛期は小まめにブラッシングをしてあげるようにしましょう。

もしもケアを怠ると、すぐに毛玉や汚れが溜まってしまい病気にも繋がってしまいます。毎日欠かさずお手入れを行い、美しい被毛を保つように努めましょう。

特に毛玉ができやすい顎や胸、お腹まわりは丁寧にブラッシングを心がけ、月1回程度の定期的なシャンプーも行ってあげてくださいね。

ヒマラヤンとラグドールの違いは?

豪華でふわふわな毛並みが特徴的なヒマラヤンとラグドール。どちらも長毛種で外見的には似ていますが、よく観察してみると少し違いがあるようです。

ここでは、ヒマラヤンとラグドールの違いについて詳しく解説します。

顔の違い

ヒマラヤンとラグドールを比較すると、顔立ちが違うことが分かります。

ヒマラヤンはペルシャ猫の特徴でもある「ペチャ鼻」いわゆるつぶれた鼻が特徴的です。一方、ラグドールは一般的な猫と同じでスーッと通った鼻筋をしています。そのため、どちらがヒマラヤンなのか判断する時は鼻を見ると一目瞭然といえるでしょう。

しかしヒマラヤンの場合、顔つきが2パターン存在します。中にはラグドールと同様に鼻筋が通った猫も存在するため、一概に鼻だけを見ての判断は難しいかもしれません。その場合、顔以外の違いから判断すると良いでしょう。

体型の違い

次に違いを見つける場合は「体型」の違いを見るとよいでしょう。

ヒマラヤンの平均体重は約4~5kgですが、ラグドールの平均体重は4~9kg。なかには10kg前後まで大きくなる子もいるようです。そのためヒマラヤンと比べると、ラグドールの方が大きめに育つ傾向にあります。

また、ヒマラヤンの体型は全体的に短く、ずんぐりむっくりとした「コビータイプ」に分類されますが、ラグドールの場合、長くがっしりとしたロング&サブスタンシャルタイプと呼ばれる大型に分類されます。

骨太の体格はどちらも似ていますが、全体的に短いのはヒマラヤン、大きくて全体的に長めがラグドールと見ると分かりやすいかもしれませんね。

被毛の長さ

最後に被毛の長さでの違いを見てみましょう。

ヒマラヤンとラグドールはどちらもボリュームのある豪華な毛並みが特徴的ですが、毛の長さにやや違いがあることがわかります。

ヒマラヤンはペルシャ譲りの長い被毛が特徴的ですが、ラグドールは中毛種と呼ばれていて長毛のヒマラヤンよりもやや短めです。

そのため被毛の長さで違いを見る時は、長めの被毛を持つのがヒマラヤンと覚えておくとよいでしょう。

まとめ

美しいダブルコートの被毛をしたヒマラヤン。とても賢く、おとなしい穏やかな性格をしているため、初めて猫を飼う人にもおすすめです。

また環境の変化にも強く、他のペットや小さな子どもとも友好な関係を気付くことができますので、多頭飼いやお子さんがいるご家庭にもピッタリな猫種といえそうです。

ただし、毎日のケアや食事管理、適度な運動を飼い主さんが率先して行う必要があります。今回ご紹介した内容をよく読んでからヒマラヤンをお迎えするようにしてくださいね。

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