手足の先だけ白の靴下を履いているように見える「靴下猫」。実はいろいろなパターンの靴下猫がいるってご存じでしたか。
今回は靴下猫の性格や特徴、種類や模様のタイプ別についてまとめました。またなぜ、靴下猫が生まれるのかその秘密についても解説します。
靴下猫ってどんな猫?
靴下猫とはその名の通り、まるで白いソックスを履いているかのように、足先だけ色が違う猫のことを指します。
日本では別名「足袋猫」「ソックス猫」、海外では「Socks Cat」と呼ばれています。
靴下猫の肉球の色
基本的に猫の肉球は、黒い毛色であれば黒い肉球、白い毛色であればピンク色の肉球、そして茶トラなら濃いピンク色の肉球をしています。
ただ靴下猫のように2色以上の毛色の場合は、肉球も色が混ざっていることが多いといわれています。
そのため、黒とピンクが混ざった色の肉球だったり、斑点模様の肉球だったりするそうです。
靴下猫が生まれる理由
どうして靴下を履いているような模様ができるのでしょうか。その理由は、遺伝子が関係しているといわれています。
猫の毛色や模様は、染色体の中にある遺伝子情報によって決められます。その際、背中側から体の先端にインクを垂らすようにして広がっていくのです。
そして色の進行が足先手前で止まった時、つまり色素が先端まで届かなかったことによって初めて靴下猫が生まれるわけです。
稀に黒いソックスを履いた猫も存在しますが、これは特殊な遺伝子から出る模様であり「靴下猫」ではなく「ポインテッドカラー」と呼ばれています。
靴下猫の特徴
靴下猫にはさまざまな模様の猫がいます。
ここでは5タイプの靴下猫を見ていきましょう。
足袋タイプ
足先だけ白い靴下猫が「足袋」タイプです。まるで職人さんや和装を着る時を連想させます。
人によっては、長袖の服を着ているように見えるのではないでしょうか。
ソックスタイプ
靴下猫の代表的な模様が「ソックス」タイプです。靴下猫と呼ばれるようになった由来ともいわれています。
足の真ん中あたりまで白い靴下を履いているように見え、とてもチャーミングですよね。
ハイソックス、ニーハイタイプ
足の半分以上、もしくは膝や肘の関節部分まで白い模様が「ハイソックス」タイプ、もしくは「ニーハイソックス」タイプです。
ハイソックス模様は前足、ニーハイソックスは後ろ足によく見られるといわれています。
さらに足全体が真っ白な猫もこのタイプに分類されますが、そのような靴下猫はかなりレアといえるでしょう。
指先だけ白いタイプ
ぷくっとした足先だけが白い模様が「指先だけ白い」タイプです。
靴下というより、袖から指先だけが出ている「萌え袖」のように見えたり、はたまたマニキュアをしているみたいと例えられていたりします。
模様のバランスによっては、とてもスタイルのよい猫としても見えるのではないでしょうか。
アシンメトリータイプ
遺伝子的に最も生まれやすい模様といえば「アシンメトリータイプ」です。
アシンメトリーとは、左右非対称のことを意味します。
例えば片方だけソックスタイプで、もう片方がハイソックスタイプのように左右が非対称の場合は、このアシンメトリータイプであるといえます。
見方を変えれば遊び心のあるユニークな模様といえますね。
靴下猫がいる猫種は何種類?
ここでは靴下猫になる可能性が高い猫の種類と、靴下猫と呼ばれている純血腫の猫についてご紹介します。
靴下猫が多く生まれる「黒猫」
日本猫(和猫)の種類に挙げられる、全身真っ黒な「黒猫」は、ハチワレやブチなどの模様の他にも靴下猫が生まれやすいといわれています。
基本的に猫の毛色や模様は、遺伝子が組み合わさって決まるのですが、色素細胞が足元まで届かなければ靴下猫が誕生します。
靴下猫の中でも人気が高い「茶トラ」
黒猫同様に日本猫に分類される「茶トラ」。
茶トラの中でも、靴下を履いた個体が生まれることがあります。
体の色が濃い黒と白の靴下猫より、あまりインパクトは強くありませんが、その淡く優しい色合いと靴下を履いているような模様が猫好きの間では人気を博しています。
いかにもな靴下猫なら「キジトラ」「サバトラ」
黒色や濃い茶色の縞模様に、真っ白な靴下を履いている個性的な「キジトラ」と「サバトラ」。
黒猫同様、大変目立つ靴下猫のためいかにもな靴下猫をお探しの方は、キジトラやサバトラから探してみるとよいかもしれませんよ。
純血統の靴下猫「スノーシュー」
純血種で靴下猫といえば「スノーシュー」という猫種がいます。1960年代にシャム猫から足先だけ白く、まるで靴下を履いたような子猫が3匹産まれたのがきっかけといわれています。
そのソックス模様に惹かれたブリーダーが後にアメリカンカールとの交配によってスノーシューを作出し、現在に至ります。
スノーシューはシャム猫の遺伝子を受け継いでいるため、筋肉質でスリム。しっぽは真っ直ぐで長く、耳は少し大きくて先端が丸くなっているのが特徴です。
ちなみに、名前の由来は雪の中を歩いた靴のように白いことから名づけられました。
靴下猫の性格
靴下猫の性格は、ベースとなる毛色によって性格が異なります。
黒×白の靴下猫
黒い毛色が多く占める靴下猫の場合、黒猫の性格によく似ています。
黒猫は一見クールに見えますが、人への警戒心が薄いので猫の中でも人懐っこい性格といえるでしょう。
また甘えん坊で好奇心旺盛な子が多いため、成猫になっても子猫のように甘えて来たり、遊んでよと催促してくる子も多いようです。
茶×白の靴下猫
茶色の毛色が多く占める靴下猫は、茶トラの性格に似ています。
茶トラは人懐っこく甘えん坊な性格の子が多いといわれています。
自ら歩み寄ってきては足元をスリスリしてきたり、抱っこをしてと膝の上に乗ってきたりします。
警戒心も薄いため、初めて猫を飼う人でも飼いやすい猫といえるでしょう。
縞模様のある靴下猫
キジトラやサバトラのように、縞模様が入った靴下猫は、比較的警戒心が強め。野性的な一面が強く、動くものに非常に敏感です。
他の猫種と比べて、あまり構いすぎは厳禁。ほどよい距離感で接してあげるとよいでしょう。
スノーシューの性格
性格は遊び好きで人が大好き。常に構ってもらいたい甘えん坊気質なところがあります。
シャムの血を引いているのでお喋りではありますが、さほど声は大きくありませんので、マンションやアパートなどの集合住宅でも飼いやすい猫といえます。
靴下猫は幸運を呼ぶ猫?
国によって靴下猫は『幸運の象徴』といわれたり、逆に『不運の象徴』といわれたりします。
例えばイギリスの場合、靴下猫は幸運を呼ぶといわれています。
その明確な理由は明らかになっていませんが、イギリスでは結婚する時に黒猫が前を横切ると幸せになるといわれている地域があります。また、結婚祝いに黒猫をモチーフにしたものを贈る風習もあることから、そう呼ばれるようになったのでしょう。
一方台湾では、お葬式に白い靴下を履く習慣があるため、靴下猫のような柄は好意的に見られていないのかもしれません。
まとめ
今回は靴下猫についてご紹介しました。
足元だけ白いだなんて、なんだかとってもかわいいですよね。
まるで柄を塗り忘れたおっちょこちょいな子みたいで、ますますかわいく感じてしまいます。
もしも外で靴下猫を見かけたら、何タイプの靴下猫かチェックしてみると楽しいですよ。
また靴下猫はその愛らしい姿から、アニメのキャラクターになったり、ぬいぐるみといったグッズ化までされたりしています。
猫を飼いたくても飼えない人は、この機会に靴下猫グッズを集めてみてはいかがでしょうか。