わたあめのように、ふわふわで軽やかな毛質をしたラパーマ。別名「ジプシーシャグ」と呼ばれ、特徴的な巻き毛は、アンゴラヤギから刈られる毛“モヘヤ”のようにやわらかいといわれています。
またラパーマは見た目からもわかるように、性格は温厚で比較的飼いやすいといわれ、世界中の愛猫家を魅了しています。
そこで今回は、ラパーマの魅力を探るために性格や特徴、色や体重、飼い方の注意点などについてご紹介していきたいと思います!
ラパーマの性格や特徴について
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日本ではあまり見かけないラパーマですが、実は「美猫」として世界中で高い人気を誇る猫種でもあります。
そんなラパーマは一体どのような性格の持ち主なのでしょうか。
甘えん坊なラパーマは犬のような性格?
ラパーマは、ネズミなどの害獣駆除をするために働く「ワーキングキャット」として活躍していました。そのため、性格は好奇心旺盛でエネルギッシュです。
遊ぶことが大好きなので、飼い主さんと一緒に遊ぶのはもちろん、ひとりでもおもちゃを使って楽しく遊びます。また賢い一面もあり、前足を使ってドアを開けたり、犬のように「お手」などをする子もいるようです。
さらに飼い主に対して甘えん坊且つ、忠実なことから、犬のような性格を持ち合わせているといわれています。
ラパーマのルーツと名前の由来
1982年3月1日、アメリカオレゴン州で農家を営むリンダー・コール(Linda Koehl)さんの家に、スピーディ(Speedy)というブラウンタビーの猫がいました。
スピーディは、ネズミなどの害獣駆除をするためにリンダー・コールさんの家で飼われていたのですが、ある日スピーディがサクランボ農園の納屋に6頭の子猫を抱えているのを見つけます。
リンダー・コールさんがその6頭の子猫たちを見てみると、中に突然変異で生まれたであろう毛のないメスの子猫を発見します。その子猫は体が細長く、大きな幅広い耳を持ち、タトゥーのように肌にタビーパターンがありました。
さらに生後6週間ほどで、ブラウンクラッシックタビーのまばらでカールした短毛の被毛が生え、成熟するにつれてやわらかい波状の被毛になっていったそうです。
リンダ―・コールさんはこの子をカーリー(Curly)と名付け、他の兄弟や親猫たちと共にコール家の害獣駆除をする「ワーキングキャット」として飼うことにします。
後にカーリーも5頭の子猫を産みますが、どの子もカーリーと同じように毛がありませんでした。そしてカーリーとその子猫たちは育種目的としてではなく、交配を重ねるうちに長毛や短毛を始め、色々な毛色をした巻き毛の猫たちが生まれいったのです。
やがて巻き毛の猫たちは評判となり、近隣のブリーダーたちも関心を持ち始めました。そしてキャットショーにも出展することになるのですが、そこで高い関心を集めたことから、リンダ―・コールさんはブリーダーさんたちの協力の元、カーリーの子どもたちを新しい猫種として育種を開始するのです。
そして育種を開始後、驚くべきことがわかりました。それはアメリカン・カールなどの猫とは遺伝子的に血縁関係が一切なく、突然変異で生まれた優性遺伝だったのです。
この事実を知ったリンダ―・コールさんとブリーダーさんは本格的に育種に乗り出し、カーリーの血を引く猫たちを他の純血種と交配させることにしました。それが後の、オシキャットやシャム(サイアミーズ)、バーミーズなどになります。
さらに1997年には、ラパーマの愛好家団体が設立。2003年にはTICA、2008年にはCFAなどに新種の猫として登録され、2014年には国際的な猫団体FIFeでも新しい猫種として認められることになったのです。
ちなみにラパーマの名前の由来は、巻き毛を意味する「Permanent(パーマネント)」から名付けられたといわれています。フランス語では「la perm(ラ・パーマ)」はパーマという意味です。
ラパーマの毛色や模様の種類は?
クルクルとカールした被毛が特徴のラパーマですが、子猫の頃はほぼ毛がない状態で生まれ、特に長毛の子猫の場合は巻き毛が目立つといわれています。
さらに被毛は、2~3年にかけて巻き毛が生えそろえていきますが、直毛で生まれた子猫はほとんど直毛のままです。ごくまれに直毛で生まれた子猫が脱毛し、巻き毛になることもあるようです。
またラパーマは生涯に渡り、薄く散らばった被毛を残す脱毛から、フルコートまで変化します。避妊去勢後はフルコートになることが一般的です。
被毛の特徴
ラパーマの巻き毛はあごの下から肩にかけて強いとされており、しっぽの毛までカールしていています。また、巻き毛のラパーマは長毛と短毛、どちらのコートもひげと眉毛はよじれているのが特徴的です。
さらにラパーマは全体的にやわらかい被毛をしていますが、巻き毛具合は強めの個体から緩いカールをした個体までさまざまです。
毛質はダブルコートですが、アンダーコートが少ないため換毛期のある猫種に比べると抜け毛の多い種類ではないとされています。
毛色の種類
ラパーマの毛色は、クリーム・マッカレルタビー、サビ、シルバー、シルバーパッチドタビー、シールポイント、タビー、チョコレート、バイカラ―、ブルーポイント、ブルータビー、ブラウンタビー、ブラック(黒)、ホワイト(白)、ライラックなどのさまざまなカラーバリエーションがあり、あらゆる毛色が認められています。
ラパーマの体重や大きさ(体高)は?
一見細身に見えるラパーマですが、中型でガッチリとした筋肉質をしており、四肢のしっかりとした「セミフォーリンタイプ」に分類されます。
また頭の大きさはゆるやかなV字型で、頬の位置が高くマズルはやや幅広め。大きな耳と、つり上がったアーモンド形の瞳をしています。
ラパーマが成猫になると、体重はオスで約3.6~6kg、メスで約2.7~4.5kgに成長し、標準的な体高は40cmほど。そのため一般的な猫と同じ大きさ、もしくはそれよりも小型になります。
ラパーマの飼い方について注意したいこと
明るくて遊ぶことの大好きなラパーマ。優しく愛情深い性格の持ち主ですので、他の猫とも仲良く生活できることから多頭飼いにも向いています。
しかしその一方で、飼う上にあたり気を付けるべき点があります。ここでは、ラパーマを飼う上で気を付けるべき4つのポイントを見ていきましょう。
できるだけ一緒にいる時間を作ってあげる
ラパーマは人と遊ぶのが大好きな猫種です。そのため、積極的に猫とコミュニケーションが取れる人におすすめです。
飼い主である家族とのスキンシップを好む傾向にありますので、できるだけ一緒にいる時間を作ってあげましょう。
自由に遊べるスペースを
飼い主と遊んだり、おもちゃにじゃれるのが大好きなラパーマ。大変活発でよく動き回りますので、運動ができる十分なスペースを確保しないといけません。
キャットタワーやキャットウォークを設置するなどして、自由に遊べる環境を作ってあげるようにしましょう。
こまめな抜け毛ケア
美しい巻き毛を維持するためにも、日々のブラッシングは欠かせません。ただし、一度に長時間の強めのブラッシングやコーミングをしてしまうと、巻きがゆるくなってしまいます。
そのため、長毛のラパーマなら1日1回、短毛のラパーマなら2~3日に1回を目安に短時間でブラッシングをしてあげるとよいでしょう。
またシャンプーに関しては月に1回行ってください。シャンプー後は必ずコームで毛並みを整えてあげるのがポイントです。そうすることで美しいきれいな毛を保つことができます。
ただしシャンプーを嫌う子もいますので、難しい場合は湿らせたタオルで小まめに拭いてあげてくださいね。
食事のポイント
どの猫種でもいえることですが、猫の主食にはキャットフードと水のみで栄養のバランスが摂れる「総合栄養食」と明記されたキャットフードを選んであげてください。
その理由は一般食ですと、栄養バランスよりも食いつきを重視しているため、主食には不向きだからです。
また、猫は年齢や成長過程において必要とする栄養素が事なります。子猫用、成猫用、シニア用、避妊去勢用、体重管理用など目的に応じたものを与えてあげてくださいね。
まとめ
美猫と呼ばれるラパーマ。一見大人しそうに見えますが、実は遊ぶことが大好きでアクティブな猫種です。
また、犬のように人懐っこく甘えん坊なので、猫とたくさんスキンシップを取りたい方にはおすすめの猫種といえるでしょう。