マンチカンの性格や特徴って?色や体重、飼い方まとめ

北アメリカが原産国のマンチカン。

名前の由来は英語の「マンチキン(Munchikin)」に由来され、日本語で「かわいい子」「小人」「非常に小柄な人」という意味を持ちます。

短い足でよちよち歩く姿がなんともキュートな猫種ですが、一体どんな性格の持ち主なのでしょうか。

ここではマンチカンの特徴から毛色の種類、マンチカンと交配して生まれた猫種、飼い方の注意点についてまで詳しく見ていきましょう。

マンチカンの性格や特徴について

マンチカン

短い足にまん丸なお顔が印象的なマンチカン。性格は温厚で初めて猫を飼う人でも飼いやすいといわれていますが、実際のところどうなのでしょうか。

ここではマンチカンの詳しい性格を始め、ルーツについても探っていきましょう。

マンチカンはどんな性格?

異種交配の関係から性格は多種多様のマンチカンですが、好奇心旺盛で活発な子が多い傾向にあります。

そのため警戒心よりも好奇心が勝ってしまい、イタズラをすることもしばしば。子猫の時だけではなく、大人になっても無邪気に走り回ることが多いでしょう。

また、柔軟で比較的おとなしい性格をしているため、他の猫やペットとも良好な関係を築くことができ、協調性や順応性も高いとされています。

ただし少し臆病な一面もあることから、一度マンチカンが不信感を抱いてしまうと懐いてくれなくなる可能性も…しつけを行う場合は、大声で怒鳴ったり、叩いたりすることは絶対にしないようにしましょう。

短足だけじゃなく足長の子もいる?

マンチカンといえば「短足」というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、実は短足である個体は全体の約2~3割といわれ、マンチカンの足の長さは全部で3種類に分類されます。

●スタンダード(足長)
1番足が長いタイプがスタンダード。
成猫になると、10cmほどの長さになるといわれています。

●スーパーショート(中足)
スタンダードとラグハガーの中間の長さのマンチカンを指します。

●ラグハガー(短足)
3タイプの中で最も短い足を持ちます。
つまり、敷物(ラグ)にお腹がついてしまうほど(ハグするほど)短いという意味です。

ちなみにマンチカンの場合、足の長さが短ければ短いほど、高価な値段で取引される傾向にあります。

足の長さにこだわりがなければ、足長のマンチカンを選んでみてもよいかもしれませんね。

突然変異的に誕生した猫種?

マンチカンは、遺伝子の突然変異によって自然発生した猫種といわれています。

短い足の猫はイギリスで1944年に初めて報告され、その後旧ソビエトやアメリカでも同じように短い足の猫の存在が報告されていました。

しかし、本格的に歴史に登場するのは1983年。アメリカのルイジアナ州で発見された野良猫だといわれています。

当時音楽教師だったリンダという女性は、ブルドッグに追われていた短足の猫を保護し「ブラックベリー」と名付けます。この時ブラックベリーは既に妊娠しており、生まれてきた子猫の半数が短足でした。

短足で生まれた子猫のうち、1頭のオス猫はリンダの友人ケイ・ラ・フランスに譲り「トゥールーズ」と名付けられ、短足猫の育種が始まります。

当初交配相手は短足猫以外の猫たちでしたが、近親交配による遺伝子疾患のリスクを軽減するためにも、異種交配が行われました。

育種されたマンチカンは、1991年に開催されたキャットショーで初展示されました。その愛らしさを指示する声もありましたが、一方では短い足による遺伝子疾患や免疫力の弱さなどを懸念する人がいるなど、さまざまな立場から論争を引き起こすことになります。

当初キャットショーでは「単なる突然変異」として結論付けられてしまいましたが、後にアメリカの様々な場所で短い足の猫が発見されたことから、その猫たちも交配に用いられることになります。

こうして近親交配のリスクが低下したことにより、1995年には国際的な猫の血統登録団体TICAThe International Cat Association)に新しい猫種として正式に公認されることになったのです。

マンチカンの毛色や模様の種類は?

マンチカンは健康面での健全性を保つためにも、異種交配が進められてきた猫種です。そのため毛色のバリエーションがとても豊富であり、TICAでも全ての毛色が認められています。

【毛色】
クリーム系、レッド系、カメオ、キャリコ(三毛)、シルバー、ダイリュート キャリコ、トーティ、ブラック黒)、ブラインマッカレルタビー、ブルー、ホワイト(白)など

毛色に加え、アメリカンショートヘアのようなしま模様や、ヒョウのような斑点といった模様なども多く存在します。またマンチカンは短毛と長毛の2種類の毛の長さが存在し、両方とも認められています。

さらに目の色にもいくつかの種類があります。

【目の色】
アンバー(黄色/琥珀色)、カッパー(銅色)、グリーン、ブルー、ヘーゼル(中央が緑色、外側が金色の2色のグラデーション)

上記以外にも「レッド(赤)」の目の色をしたマンチカンがいたり、左右別々の目の色をした「オッドアイ」もいたりします。

オッドアイの場合は先天性と後天性があり、先天性の場合はホワイトやホワイトの多い毛色の猫から稀に生まれることがあるそうです。

マンチカンの体重や大きさは?

マンチカンは一般的な猫よりも小柄とされ、大人(成猫)になると、マンチカンの平均体重はオスで約3.0~4.5kg、メスで約2.5~3.5kgと、メスよりもオスの方がやや大きいのが特徴です。

ただし、短足のマンチカンと足長のマンチカンでは体重が異なります。短足のマンチカンの平均体重は約3.0~3.4kgに対し、足長のマンチカンは約3.5~4.5kgと、足長のマンチカンは短足のマンチカンよりも大きくなりやすい傾向にあるようです。

また体高については約60cmといわれていますが、足の長さにバリエーションがあるので、個体差が大きいのが特徴です。

マンチカンの身体的な特徴は?

足の短いマンチカンは、成猫になっても足の長さが約10cmしかありませんが、普通の生活には何ら支障はありません。むしろ筋肉が発達しているため、運動能力やジャンプ力は普通の猫とそこまで変わりません。足が短い分、若干のハンデはあるものの、工夫しながら高い所へジャンプする賢さもあります。

また意外と足が早く、階段などの上り下りも上手にできますし、低い姿勢で駆け回るその姿は「猫のスーパーカー」とも呼ばれています。

さらに足が短いマンチカンは体の重心が安定するのか、他の猫種と比べて長い時間2本足で立つことができる「マン立ち」が人気の1つとなっているようです。

マンチカンの飼い方について注意したいこと

人懐っこく、甘えん坊なマンチカンはとても愛らしく、一つひとつの仕草に癒されると多くの愛猫家たちを魅了しています。

また、聞き分けもよく賢い傾向にあることから「上手にお留守番ができる猫」といわれるほど。そんな優等生でもあるマンチカンを飼う上で気を付けるべき点はあるのでしょうか。

肥満にならないように

マンチカンは活発な性格で遊び好きですが、運動量はさほど多くありません。しかも食欲旺盛のため、年齢と共に太りやすい体質傾向にあります。

そのため、成猫になっても子猫の頃と変わらない高カロリーのフードを与えたり、おやつやフードをあげ過ぎたりすると、肥満体型になる恐れがあるので注意が必要です。また、栄養バランスが乱れるとすぐに太ってしまいますので気を付けましょう。

マンチカンに与えるフードは、必要な栄養素がバランスよく含まれている「総合栄養食」と明記されたものを選ぶのがおすすめです。1日複数回に分け、決まった時間に適切な量のフードを与えるなどし、食事管理をしっかり行うことが健康に育てるポイントです。

長毛種はこまめに抜け毛ケアを

短毛種と長毛種の2タイプに分けられるマンチカンですが、短毛種よりも長毛種のマンチカンの方が毛の密度が高いため、抜け毛が多い傾向にあります。

そのためマンチカンの抜け毛対策としても、毎日ブラッシングで取り除くのがおすすめです。短毛種の場合は1日1回、長毛種の場合は1日2回を目安として優しくブラッシングとコーミングをしてあげましょう。

シャンプーの頻度に関しては、そこまで多くなくてもOK!長毛なら月に1回、短毛なら半年に1回のペースでしてあげるとよいでしょう。ただし、マンチカンの中でも水を苦手とする子がいます。無理に洗うとストレスになってしまいますので、嫌がるようでしたら無理にしないであげてくださいね。

キャットタワーは低めに

足が短くても活発で運動能力は他の猫種となんら変わらないマンチカン。筋肉質な体をしていますので、パワフルでスピードもあります。高いところも工夫して上り下りをしますが、やはり足が短い分ジャンプ力は他の猫と比べ劣ります。

そのため、キャットタワーを設置する場合は少し低めに調整してあげてくださいね。また、ある程度の年齢に差し掛かったら、よく上る場所にはステップを付けてあげるとよいでしょう。

他の猫種との交配によって誕生したマンチカンミックス

日本で人気のマンチカンは、他の猫種と交配させて誕生した『マンチカンミックス』がいます。猫種の違う両親を持つことから、ハイブリッド種と呼ばれることも。

正式にはマンチカンの血統ではなく、別の猫種や雑種(MIX)に分類されますが、足の短いマンチカンの特徴を引き継いでいることから高い人気を集めています。

ミヌエット

猫の王様と呼ばれるペルシャ猫と短足のマンチカンを交配させて誕生したのが「ミヌエット」と呼ばれる猫種です。2015年以前までは「ナポレオン」と呼ばれていましたが、名称が変更されたことによりミヌエットになりました。

性格は甘えん坊で好奇心旺盛。とても人懐っこく、警戒心が少ない猫なので誰とでもすぐに仲良くなれます。先住猫がいるご家庭や多頭飼いを検討している方にはおすすめの猫種といえるでしょう。

キンカロー

耳が後ろにカールし、巻き耳が特徴的なアメリカンカールと、短足のマンチカンを掛け合わせて作出したのが「キンカロー」という猫種です。

性格は、元気がいっぱいで社交的な一面があります。好奇心旺盛ですので、来客にも近寄ってきては「ニャーン」と鳴き、仲良くなろうとします。また、小さな子どもとも仲良くできるため、お子さんがいるご家庭でも飼いやすい猫といえるでしょう。

日本では、マンチカンとアメリカンカールを略した「マンチカール」と呼ばれることが多いです。

バンビーノ

毛のないスフィンクスと短足のマンチカンを交配で作出されたのが「バンビーノ」です。名前はイタリア語で「赤ちゃん」という意味で、その名の通りやわらかい肌の質感が特徴です。

体重は約2~4kgと小さな体型をしていますが、大変活発で高い所に登ったり、おもちゃで遊ぶことが大好きです。ただし、被毛のないタイプの猫種は擦り傷などを作りやすいため、遊んでケガをしないように環境を整えてあげることが大切です。

また被毛がないので、暑さや寒さを大変苦手とします。夏場は紫外線を防ぐ工夫をしたり、冬場はあたたかい服を着せてあげたりし、快適に過ごせるようにしてあげてくださいね。

ラムキン

短足のマンチカンに、もこもこした柔らかい縮れ毛が特徴のセルカークレックスの交配で誕生したのが「ラムキン」という猫種です。

まるで子羊のようなやわらかい巻き毛をしていることから別名「羊の服を着た猫」ともいわれているようです。

性格は明るく活発ですが、人懐っこくておっとりしている一面も覗かせます。基本的には甘えん坊ですので、たくさん猫とふれあいたい人におすすめの猫種です。

まだまだ新しい猫種ですので、世界的にも希少なラムキン。頭数は少なく、日本でも扱っているブリーダーがほとんどいないのが現状です。

垂れ耳がかわいいスコティッシュフォールドとのミックス

マンチカンには、垂れ耳の代表格といわれるスコティッシュフォールドとのミックスが存在します。

名前は「スコマンチ」といい、マンチカンのような胴長短足と、スコティッシュフォールドの折れ耳の特徴を持ち合わせています。性格は好奇心旺盛で陽気な子が多く、比較的飼いやすい猫といわれています。

またスコマンチを公認している団体は「TICA」と「CFA」といわれていますが、現時点で血統書を持つスコマンチはほとんどいません。そのため「血統書付きです」という言葉は安易に信じないように気を付けましょう。

まとめ

常に猫の人気ランキングでは上位のマンチカン。明るくて優しい性格をしていますので、初めて猫を飼う方にもおすすめです。

また被毛のバリエーションが大変豊富ですので、ぜひお気に入りの子を探してみてはいかがでしょうか。

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