サバンナキャットは飼育禁止なの?性格や大きさ、飼い方は?

野生の血を引くサバンナキャットは、大型で生体価格も高額なことから一部では「セレブ猫」と呼ばれています。

では実際にサバンナキャットを飼おうとすると、価格はいくらなのでしょうか。また一部地域では飼育禁止とされていますが、日本で飼うことは可能なのでしょうか。

ここではサバンナキャットの価格帯を始め、性格や大きさ、飼い方についてご紹介します。

サバンナキャットはどんな猫?

サバンナキャット
ajr_images/iStock

皆さんは「サバンナキャット」をご存知ですか。

ほぼ野生の猫といっていいほど、体型や顔つきがイエネコと一線を引くほどワイルドな猫種です。

日本では滅多にお目にかかれないため、大変希少価値の高い猫種ですが、一体どんな猫なのでしょうか。

サバンナキャットの歴史

サバンナキャットの起源は1986年。ベンガルのブリーダーだった「ジュディー・フランク」という女性が、野生のサーバルキャットとイエネコを掛け合わせて作出した猫種といわれています。

サーバルキャットと異種交配したイエネコは、ベンガル、シャム猫、エジプシャンマウ、オシキャットなどで、生まれてきた子猫たちはサーバルキャットの遺伝子含有率の高い順に、F1~F7までに分類されました。

当時第一世代と呼ばれるF1のサバンナキャットは、多くの愛猫家から反響を呼びましたが、同時に稀少なサーバルキャットと異種交配させていることが問題視されることもあり、ペットにすることはすぐに公認されなかったそうです。

野生猫との交配の難しさ

野生のサーバルキャットは気性が激しいため、イエネコと交配ができるまで飼いならすことは、時間と手間がかかったといいます。

そして時には危険が伴うことから、交配をさせるのも命がけだったといえるでしょう。

またサーバルキャットは飼育規制や保護条例が厳しく、基礎となるサーバルキャットを入手することも大変難しかったようです。

さらに野生の猫と交配することは、人が守らなければならない規則や規範の見方による倫理観の問題も数多くあったといわれています。

倫理観の問題から品種登録まで

熱心に研究を重ね、1996年には現在のサバンナキャットの基礎となるF2(第二世代)が誕生し、その後もF3(第三世代)、F4(第四世代)と交配・育種が進められてきました。

そしてついに「パトリック・ケリー」と「ジョイス・スルーフ」という2人のブリーダーの手により、サバンナキャットが猫種としてのスタンダートが定まったのです。

しかし、野生の猫とイエネコの遺伝子が広がる一方で、異種交配による免疫疾患や希少野生動物の乱獲に繋がるのではないかと問題視され、話し合いに多くの時間が割かれました。

そこから数年の時を得て2001年、ようやくTICA(世界最大の猫血統登録機関 )に登録が認められ、猫種として正式に認可をされたのです。

その後、2012年からキャットショーへの出場が可能となり、野性味が残る新しい猫種として世界中に知られるようになりました。

サバンナキャットの性格は?

ワイルドな容姿からイメージしづらいかもしれませんが、サバンナキャットはとても甘えん坊で寂しがり屋な性格をしています。

飼い主に対して従順で、子どもと仲良く遊ぶ社交的な一面もあることから「まるで犬のようだ!」といわれています。

さらに知能がとても高いため、なかにはドアを開けたり、蛇口を開けたりする子もいるようです。

また一般的な猫とは違い、水を怖がらない子も多いそうです。夏には一緒に水遊びを楽しむことができるかもしれませんね。

サバンナキャットの大きさや特徴は?

筋肉質で引き締まった体をしているサバンナキャット。

一般的なイエネコと比べ、大きさはどれくらいあるのでしょうか。

交配世代によって異なる特徴

サバンナキャットは、交配世代によってF1(第一世代)からF7(第七世代)まで分類されています。

F1(第一世代)
サーバルキャットの遺伝子含有率が最も多く、野性的な特徴を色濃く残しています。大変稀少で、生殖能力のある雄猫は極めて少ないといわれています。
F2(第二世代)
サーバルキャットとのクオーターです。特定動物の許可が必須であり、日本で散歩をすることは難しいといえるでしょう。
F3(第三世代)
見た目はイエネコよりも、サーバルキャットに近いといえるでしょう。人間で例えると、曽祖父や曾祖母に当たります。

個体数も少なく、日本でF3以下のサバンナキャットを交配しているブリーダーはほぼいません。

F4(第四世代)
祖先猫にサーバルキャットが存在している分類となります。F4 からはサーバルキャットの遺伝子占有率が50%を超えるものもいるそうです。
F5(第五世代)~F7(第七世代)
イエネコとほとんど変わらない大きさ、顔つきをしています。また家庭でも飼いやすい子が多いといわれています。

どの世代のサバンナキャットも、大きな縦長の耳に小顔が特徴的です。

また目のカラーはイエロー、グリーン、ゴールド、ヘーゼルが見られ、目頭から鼻にかけてある涙跡のような模様は「チーターティア(チーターの涙)」が特徴として挙げられます。

10kg前後になる大型猫

サバンナキャットの平均体重はオスが約7~13kg、メスが約6~10kg、体長は約50~70cmといわれ、一般的な猫よりも一回り大きい体つきをしています。

サーバルキャットに近いF1は最も大きく、体重がオスメス共に10kgを超えるものもいるようです。

しかしイエネコに近いF4以降になると、体重が10kg以内に収まることがほとんどだそうです。

美しい筋肉質な体型

見た目は細く華奢に見えますが、筋肉質な体型をしています。特に後ろ足は前足よりも長く、筋肉質なところが特徴的です。

また肩甲骨は盛り上がり、肩を揺らしながら歩く姿は野性的で堂々としています。

サバンナキャットを知らない人でもその体型を見れば、一般的なイエネコと断然違うことがわかることでしょう。

ちなみに身体能力も長けており、4mの距離を軽々と飛び越えることができるそうですよ。

毛色は様々なバリエーションがある

短毛でありながら、やわらかいアンダーコートが特徴のサバンナキャットは、毛色のバリエーションが大変豊富です。

ブラウン、ブラック、スポテッドタビー、ブラックシルバー、ブラックスモーク、シルバースポテッドタビーなどがあります。

エジプシャンマウのブラウンや、ベンガルのスポテッドタビーを引き継いでいることから、個性的な毛色を持ち合わせているようです。

また公式では「ブラウンスポテッドタビー」「シルバースポテッドタビー」「ブラック」「スモーク」が認められていますが、それ以外のカラーはサバンナキャットとしては認められていません。

サバンナキャットは飼育禁止?

サバンナキャットは、アメリカの一部地域で野生動物と認定されているため、飼育が禁止されています。

では日本でサバンナキャットを飼う場合、どのような制限があるのでしょうか。

知っておきたい「特定動物」について

人の生命や身体などに害を加える恐れのある動物は「特定動物」に指定されています。

例えばサバンナキャットを始め、トラやワニ、タカやマムシなど約650種(哺乳類、鳥類、爬虫類)が対象となり、許可なく飼育・保管することは認められていません。

もしも許可なく無断で飼育したり、動物愛護管理法に則った基準を守らなかったりした場合は、個人で6ヶ月以下の懲役、または100万円以下の罰金、法人では5,000万円以下の罰金が課される場合があります。

特定動物に該当する世代は申請が必要

原則として、特定動物に該当する生き物は必ず申請が必要となります。

F1(第一世代)に該当するサバンナキャットは、法改定により2020年6月1日から動物愛護管理法上申請許可が必要となりました。

またF2(第二世代)は、F1のサバンナキャットとサーバルキャットの子どもですので、自治体によっては申請許可が必要となる場合があります。

詳しくはお住まい、または事業所のある都道府県や政令市の動物愛護管理行政担当までお問い合わせください。

サバンナキャットの値段は?

サバンナキャットは、世界で1番高値で取引されているイエネコです。

購入金額はF1~F7によって違いがあり、F7の場合は10~20万円ほどで取引されていますが、F4になると100万円以上の金額がつくことあります。

またF1~F3になると値段が定まらず、最高金額は600万円の高値で取引されたこともあるそうです。

F5以下のサバンナキャットであれば、一般的な純血種の猫と同じ値段か少し高めの値段が多く、約20~30万円が相場といわれています。

しかしサバンナキャットは非常に珍しい猫種ですので、ペットショップで見かけることはほとんどありません。

海外のブリーダーから直接取引する場合は、輸出国側と輸入国側両方での手続きや、飛行機で輸送する際の手続きが必要となるため、時間とお金がかかります。

猫単体の金額にプラスαかかることを念頭に入れておきましょう。

サバンナキャットの飼い方について注意したいこと

野生の血を色濃く残すサバンナキャットは、体力があり大変賢い猫といわれています。

特に若い頃の運動量は一般的なイエネコの倍ですので、飼育前に十分な準備が必要です。足場のしっかりついたキャットタワーを用意したり、走り回ってもよい十分なスペースを確保したりする必要があります。

またサーバルキャットの遺伝子占有率を50%超すものは、行政への届け出が必要になり、家から出すことは原則できません。

一定の基準を満たした「おり型施設」などで管理する必要がありますし、脱走防止できる十分な設備環境も必要です。

これらのことを考えると購入時だけではなく、飼育環境を整えるのにもお金が非常にかかります。

例え飼育許可が必要なかったとしても、飼育環境を十分に整えなければ飼育は難しいといえるでしょう。よく検討してからお迎えすることをおすすめします。

まとめ

サバンナキャットは、自治体に飼育許可を取る以外にも設備を整えたり、高額な価格が必要だったりと、安易にお迎えすることはできません。

しかし、それでも「サバンナキャットをお迎えしたい!」と強い思いがあるのなら、しっかりと価格帯や飼育環境を整えてからお迎えするようにしましょう。

またサバンナキャットの爪は、一般的なイエネコの非ではありません。子どもに大きなケガを負わせるリスクも考えられますので、そのことも決して忘れないようにしてくださいね。

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