好奇心旺盛で大胆な一面もあるトンキニーズ。成猫になっても子猫のような懐っこさがあり、無邪気で愛らしい性格の持ち主です。
また「一緒に遊ぼう!」「構ってぇ~」「抱っこして欲しいのぉ」と、まるで子猫のように甘える姿はとても愛おしく感じさせる猫種でもあります。
今回はそんなトンキニーズのことをもっと知ってもらおうと、性格や特徴を始め、色や体重、飼い方の注意点についてまとめてみました。
トンキニーズの性格や特徴について
遊ぶことが大好きで「やんちゃ」という言葉がよく似合う猫“トンキニーズ”。とにかくよく動き回ります。知的で好奇心旺盛なので、大人になっても無邪気に遊ぶ姿はまるで子どものよう。いつまでも子ども心を忘れない猫といえます。
また、シャム猫の臆病だけど飼い主が大好きな性格と、バーミーズの遊び好きな性格を合わせ持っているため、猫とたくさんふれあいたいと思っている人にはピッタリの猫といえるでしょう。
人懐っこく活発!
トンキニーズは、どんなことでも興味を示し行動する傾向にあります。そのため、家族以外の人にも積極的に近寄り「遊ぼうよ」と誘ってきます。また飼い主に対しては愛情深く、膝に乗ってきてはゴロゴロ鳴きながら甘えます。
小さな子どもや他のペットとも仲良く接することができるので、多頭飼いにも向いているといえるでしょう。
トンキニーズの鳴き声は?まるでおしゃべりをしているよう?
猫の中ではおしゃべりなトンキニーズ。同じくおしゃべりなシャム猫よりもソフトな鳴き声ではありますが、長く鳴き続ける傾向にあります。
その鳴き声を聞くと、まるでおしゃべりしているように聞こえることでしょう。またこちらから話しかけると「ゴロニャ~ン♪」「ウニャ~ン」とすり寄ってきます。
一般的な猫と異なり、どちらかというと犬っぽい性格の猫といえるでしょう。
トンキニーズの歴史
1930年頃、アメリカの軍人であり、猫の繁殖を研究していたトンプソン氏が、ミャンマーからチョコレート色をした美しい被毛を持つ1匹のメス猫を連れて帰りました。
この猫は「ウォンマウ」と名付けられ、後にシャムネコと交配しますが、ウォンマウは元々シャム猫の血が入っているとされていたため、1回目の交配は「戻し交配」をしたことになります。
ここで生まれた子猫たちがある程度成長した段階で、今度は母猫のウォンマウと近親交配をさせます。これは2回目の戻し交配となります。そしてこの交配で生まれた子猫は、3タイプに分かれました。
祖父猫と同じシャムの特徴を持ち合わせるポイントがある子、母猫のウォンマウと同じように美しい被毛に濃いポイントを持ち合わせた子、そして全体が濃いブラウンの単色の子が生まれたのです。
そしてこの2つ目の子猫と母猫ウォンマウが最初のトンキニーズとなりました。これらのことから、バーミーズとトンキニーズはシャムを媒介して生まれた兄弟猫であり、またいとこ猫でもあるのです。
その後トンキニーズは、初め美しいチョコレートブラウンにポイントが入った毛色や、その後生まれた世代の猫たちはゴールデンシャムと呼ばれるほど美しい毛色が際立ちました。
しかし交配を繰り返すうちに毛色は淡色化してしまい、トンキニーズの特徴である美しい毛並を失い始めたのです。
このような経緯から猫の登録団体は近親交配を懸念し、トンキニーズを新種の猫として認定するのを見送ってきました。
そこでトンキニーズの繁殖をしてきた繁殖家たちがトンキニーズ協会を設立し、健康体であるシャムとバーミーズで繁殖をし続け、猫種としてのトンキニーズを確立させたのです。
こうした努力をしてきた結果、1974年にカナダで初の公認血統種と認められ、1980年代以降にはアメリカやヨーロッパで公認血統種として認定されました。
ちなみにトンキニーズの名前は、初め「トンカニーズ」でした。「South Pacific(南太平洋)」というミュージカルに登場する「Tonkanese(トンカニーズ)」という島に由来して付けられました。
しかし、当時は原産地や猫の品種名とすることがポピュラーだったため、インドシナ半島やトンキン湾が由来だと誤解されることから、トンキニーズと呼ばれるようになったそうですよ。
トンキニーズの毛色や模様の種類は?
トンキニーズの被毛は柔らかく、まるでミンクような手触りをしています。またシャムとバーミーズ両方の毛色を持ち合わせていることから、さまざまなカラーが存在します。
例えばシャンパン、チョコレート、ナチュラル、ブルー、ライラックなどのポイントカラーがあります。
またミンクと呼ばれるポイントを持つパターンも存在します。
特に代表的なカラーとしては、ミンクカラーと呼ばれる「シャンパンミンク」「ナチュラルミンク」「ブルーミンク」「プラチナピンク」があります。
毛質はシャムネコのように短毛で滑らか、高級な毛布のようにツヤがあるのが特徴です。
ちなみにトンキニーズはホワイトの毛色は認められていません。
ミンクってどんな色?
トンキニーズは、4色のポイントカラー以外にも主に3つのカテゴリに分類されます。その中で「ミンク」と呼ばれるカテゴリーは以下の通りです。
「ミンク」とは、ボディのカラーが均一であり、ほとんど陰りがない毛色のことを指します。目の色はアクア(水色)で、ポイント部分の色と体の色は柔らかいコントラストな優しい印象を持ち合わせています。
ミンク以外のカテゴリーは「ソリッド」と「ポインテッド」
ミンク以外のカテゴリーに分類されるソリッドやポインテッドについても見ていきましょう。
ソリッドは、ボディのカラーよりも少し濃くポイントカラーが出ます。そのため、全体を見るとほんの少しコントラストが付いているのが特徴的です。目の色はグリーンやイエローグリーンがいます。
一方、ポインテッドのボディカラーはオフホワイト。ポイントカラーは明瞭に区別されます。毛質はやわらかく、シルクのような肌ざわりと光沢があり、整った被毛は体にピタッと張り付いているのが特徴。また目の色はブルーです。
これ以外のカラーにも、トンキニーズには「ブルーポイント」と呼ばれるカラーが時折生まれることがあります。
ブルーポイントは、個体差はありますが体は白い毛、耳・鼻・手足・尻尾という各ポイントでブルーを帯びたグレーになり、目はブルーの子が産まれてきます。これがポイントカラーの特徴となります。
またブルーポイントとは劣性遺伝のため、片方の親のみがブルーポイントの遺伝子を持ち合わせていたとしてもブルーポイントは生まれてきません。
両親がブルーグレーの毛色やエメラルドグリーン色の目をしていたとしても、両者がブルーポイントの遺伝子を持っていた場合は低確率ではありますが生まれてくることがあります。
さらにブルーポイント同士を掛け合わせたとしても、ブルーポイントばかり生まれてくるわけではないようです。
トンキニーズの体重や大きさ(体長)は?
好奇心旺盛で元気いっぱいのトンキニーズ。成猫になるとオスの体重は約3.5~5.8kg、メスで約2.8~3.8kg、体高は約22~25cmまで成長します。
また筋肉質でがっちりとした体格のトンキニーズは、中型のセミフォーリンタイプに分類されます。
元々トンキニーズは、シャム猫を基礎に作出された経緯があります。そのためシールポイントを持つ子が多くおり、全体的にシャムよりも丸みを帯びたラインをしています。
トンキニーズの飼い方について注意したいこと
感受性が高く、周りの人を楽しい気分にさせてくれるトンキニーズ。明るくユーモアのある姿は「やんちゃ坊主」や「おてんば娘」という言葉がピッタリです。
そんなトンキニーズを我が家に迎え入れた場合、気を付けるべき注意点はあるのでしょうか。
ここでは、トンキニーズを飼う上で気を付けるべき4つの注意点をまとめてみました。
積極的に遊んであげられる人向き
遊ぶこと、そして人が大好きなトンキニーズですので、一緒に過ごせる時間を確保できる人、もしくは積極的に遊んであげられる人などが向いています。
遊ぶ際は、最低1日5~10分以上は集中して遊んであげましょう。
また、トンキニーズは人とのスキンシップを好む傾向にあります。そのため、猫とのスキンシップを取るのが好きな人におすすめです。
抜け毛は少ないのでお手入れはしやすい
トンキニーズの被毛は短毛ですが、やや長めの傾向にあります。
抜け毛は少なくお手入れは比較的楽ですが、光沢のある美しい毛質を維持するためにも毎日のブラッシングは欠かせません。1日1回、軽くで構いませんのでブラッシングをしてあげるようにしましょう。
食欲旺盛なので肥満に注意
運動量が多く、活発なトンキニーズはその分食欲が旺盛。そのため、ごはんをついつい多めに与えてしまい「肥満になってしまった…」というケースも少なくありません。
肥満にならないためにも適度な運動と、ごはんやおやつの与えすぎには注意してあげましょう。
また主食となるごはんは、栄養バランスの摂れた「総合栄養食」と記載されたフードを与えてあげると◎猫の成長や年齢、目的に応じたものを与えるように心掛けてくださいね。
脱走やいたずらに気を付けて
好奇心旺盛でいたずら好きなトンキニーズ。誤って屋外に出てしまうと、そのまま迷子になってしまい家に帰れなくなることがあります。
特に出入りの多い玄関を始め、窓やベランダなどは脱走しやすいルートになります。脱走しないようにするためにも防止柵を始め、棚の隙間を塞いだり、網戸ストッパーや突っ張り棒での固定、強度の高いペット用の網戸に貼り替えたりするのが効果的です。
また水に興味を持ち近づく傾向もあります。なるべく水場に猫が近づけないように配慮するようにしましょう。
トンキニーズとシャム猫の違いは?
元々トンキニーズはシャム猫を基礎として作出されているため、見た目がとてもよく似ています。ではそれぞれを見分けるためには、どこをポイントとすればよいのでしょうか。
まず見分けるポイントの1つとしては「体型」です。
トンキニーズは全体が丸みを帯びていますが、シャム猫の場合は手足や胴体が長く、全体的にスリムな体型をしています。そのため、体型を見るのがポイントの1つといえます。
2つ目は「目の色」です。
トンキニーズの場合、目の色はアクア(水色)を始め、ブルーやグリーンなどとバリエーションが豊富です。一方シャム猫の場合は目の色がサファイアブルーの一色となります。
これらのことから、全体的に丸みを帯びていて目の色が豊富なのは「トンキニーズ」、全体的にスリムで目の色がサファイアブルーのみなのが「シャム猫」と覚えておくとよいでしょう。
まとめ
美しい毛並みに気品漂う出で立ちですが、好奇心旺盛で元気いっぱいな一面を持つトンキニーズ。人が大好きなので、猫とたくさん遊びたい人や甘えて欲しい人にはピッタリの猫種といえそうです。
猫を飼いたいなと検討している方は、トンキニーズを候補の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。