お風呂に入ると、汚れやニオイが落ちてサッパリしますよね。また疲れた身体を癒してくれる最高の時間でもあります。
しかし猫はそんなことを知る由もなく、お風呂が苦手な子も多いんです。
少しでも水に濡れるとまるでこの世の終わりかのように、鳴き叫んだり暴れたりします。
なぜ猫はあそこまでお風呂を嫌がるのでしょうか。また、嫌がる猫をお風呂に入れたい時はどうすればよいのでしょうか。
猫はお風呂が嫌い?
SNSやYouTubeなどで、気持ち良さそうに湯船に浸かる猫の動画が人気を博しています。それだけお風呂好きな猫は珍しいからでしょう。
一般的に猫は水に濡れたり、お風呂に入ったりすることを嫌がります。その理由は、先祖から受け継ぐ「DNA」と乾きにくい被毛が深く関係しているようです。
祖先の影響?
猫がお風呂を嫌う理由として、猫の祖先が暮らしていた環境にあると考えられています。
猫の祖先である「リビアヤマネコ」は小型のネコ科動物で、北アフリカやアラビア半島の砂漠地帯に生息しています。
この辺りは乾燥地帯で砂漠が多いため、水浴びや泳ぐ習慣がありませんでした。また、昼夜の寒暖差が激しいため、水に濡れたまま夜を迎えると体温を奪われてしまい、命を落としかねません。
そのため猫は、本能的に水に濡れることが怖いと感じているのかもしれませんね。
被毛が関係している?
猫の毛は柔らかいだけではなく、1本1本がとても細くて量も多いことから、水に濡れると乾きにくい特徴を持っています。
また犬と比べて油分も少ないことから水を弾きにくく、一度濡れると乾かすのに苦労してしまいます。
そのため野外で暮らす野良猫たちも、雨が降れば屋根があるところに避難し、狩りに出掛けることなくジッと止むのを待っているのです。
なかには水が好きな子も
一般的に猫は「水が嫌い」といわれていますが、なかには水が好きな猫も存在します。
泳ぎが得意なことで有名な「ターキッシュ・バン」という猫は、別名「スイミングキャット」と呼ばれるほど水が得意な猫といわれています。
その理由は、乾きづらいアンダーコートの量が少なく、濡れてもすぐに乾く特徴があるからです。
それ以外の猫種でも、アビシニアンやソマリ、メインクーンやベンガルなどの猫種も水を好む個体が多いそうですよ。
そもそもお風呂は必要?
本来、ほとんどの猫はお風呂に入れる必要はありません。ホコリや泥、排泄物などの自然な汚れは、猫自身が舐めて綺麗にするからです。
ただ、猫自身が舐めても取れない汚れや強いニオイがする場合は、お風呂に入れてあげるのがよいでしょう。
しかし無理に洗おうとするとトラウマになったり、強いストレスを感じて体調を崩したりする恐れがあるので注意が必要です。
嫌がる場合はどうすれば?
猫の汚れやニオイが気になったら、清潔な状態にしてあげたいですよね。
しかし、お風呂に入れようとすると鳴き叫んだり暴れたりして中々洗えず、苦労した方も多いのではないでしょうか。
そんな時、おすすめなのが「蒸しタオル浴」と「ドライシャンプー」です。
蒸しタオルで拭いてあげるだけでもOK
温かいタオルで体を拭いてあげることで、皮脂やベタ付き、おしり周りの汚れなどを綺麗に拭き取ってあげることができます。
手軽にサッと行うことができますし、体を温める効果もあるのでおすすめです。
蒸しタオルの作り方としては、人間が気持ち良いと思う温かさにするのがポイント。38~40℃くらいのお湯にタオルを濡らして硬く絞り、顔から体の順に拭いてあげてください。
触られるのが苦手な猫の場合は、常に声を掛けながら行うと快く受け入れてくれるでしょう。
最後に乾いたタオルで全身をしっかり拭いてあげましょう。
ドライシャンプーもおすすめ
水を嫌がる猫には「ドライシャンプー」もおすすめです。
ドライシャンプーは通常のシャンプーとは違い、水で洗い流さずに汚れを落とすことができます。そのため、猫へのストレスを極力押さえてあげることが可能です。
体力がない高齢の猫や、病気を患っている猫をお手入れしたい時は、ドライシャンプーを検討してみるとよいでしょう。
またドライシャンプーには、いくつかのタイプがあります。
猫の性格やその時の体調、汚れ具合に合わせて選んであげてください。その際、植物由来のものやアミノ酸などの無添加で低刺激のもの、もしくはオーガニック使用のものにすることをおすすめします。
まとめ
猫がお風呂を苦手とするのは、本能的なものだということがわかりました。なかには湯船に浸る猫もいますが、非常に稀なケースといえるでしょう。
一般的に猫はお風呂に入れる必要はありません。頻繫にお風呂に入れると、被毛にパサつきや乾燥が目立ち、皮膚の状態を悪くしてしまうからです。
どうしても汚れやニオイが気になる場合を除き、1年に1~2回程度を目安に洗うようにしてあげてください。
その際あまりにも嫌がる場合は、蒸しタオル浴やドライシャンプーで負担をかけないようにしてあげましょう。