猫は頻繁に毛づくろいをする動物なので、「猫にお手入れは必要ない」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
本記事では、猫のブラッシング事情について詳しく解説していきます。
ブラッシングは必要?
猫はきれい好きなので、自分で毛づくろい(グルーミング)を行い体を清潔に保っています。そのため、ブラッシングなどのお手入れは特に必要ないと思われがちですが、実際はそうではありません。
猫のブラッシングにはただ清潔さを保つためだけでなく、『抜け毛を取る』『毛並みを整える』『血行を良くする』といった役割があります。
また、愛猫と飼い主とのスキンシップという大切な時間でもあるのです。
ブラッシングのやり方
初心者がまず困るのは、ブラッシングのやり方でしょう。
ここでは、毛が短い猫と長い猫、それぞれに合わせたブラッシングのやり方を紹介します。
短毛種のブラッシング
短毛種の猫は被毛のボリュームが少ないので、硬い素材や先が尖ったブラシを使うと直接肌に触れてケガをさせてしまう恐れがあります。
そのため、短毛種のブラッシングには、獣毛ブラシやラバーブラシなど柔らかい素材のブラシを使うと良いでしょう。
まずはラバーブラシで、背中からお尻に向かってブラシをかけ、次にお腹を毛並みに沿ってやさしくブラッシングしていきます。デリケートな顔周りや足の先端は、細心の注意を払いコームでやさしく梳かしていきましょう。
コームは、細目のものがおすすめです。
長毛種のブラッシング
長毛種の猫にはピンブラシやスリッカーブラシなど、ピンが長く硬い、先端が毛の根本まで届くようなブラシを使ってください。
これなら、もつれやすい長い毛もほぐしやすいので、毛玉を取り除きながらブラッシングをすることができます。
まずは背中からお尻に向かって梳かし、抜け毛を除去しながらもつれをほぐしていきましょう。
それから、顔周りやおなか、足をコームで丁寧にブラッシングしていきます。
コームは短毛種とは逆に、粗目のものを使ってください。
特に抜け毛の量が増える換毛期には、スリッカーブラシでブラッシングすれば効率よく抜け毛を取り除くことができるので、手間を減らし短時間でお手入れが行えるでしょう。
頻度は?
ただし、ダブルコートの被毛を持つ猫種の場合は抜け毛が多いので、毛玉を吐く回数が多いと感じたらブラッシングの回数を調節してください。
ただし、抜け毛が多い猫種の場合、1日2回必要になることも。
換毛期になると季節に合わせた毛に生え変わるため、驚くほどの量の毛が抜け落ちるので、普段以上に丁寧にブラッシングをしてあげなくてはなりません。
とはいえ、「普段から毎日ブラッシングをしている」という飼い主さんの場合、これ以上回数を増やすことも難しいでしょう。
そのため、基本的には普段通りにブラッシングをしてあげて、愛猫の抜け毛の量に合わせてブラッシングの頻度を調整してあげてください。毛玉を吐く回数が増えたと感じたら、ブラッシングの回数を増やしてあげましょう。
ブラッシングを嫌がる場合は?
猫はただでさえ体を拘束されるのを嫌がるため、なかなかおとなしくブラッシングをさせてはくれません。加えて、ブラシそのものを嫌がるなど、他の理由で嫌がる場合もあります。
ここでは、猫がブラッシングを嫌がる理由と、上手にブラッシングをするためのコツを紹介します。
嫌がる理由は?
- 触られることが嫌
- ブラシに慣れていない
- 長時間ジッとしていられない
- ブラッシングに嫌なイメージを持っている
- ケガや病気が原因で痛みを抱えている
- 親兄弟に毛づくろいをしてもらった経験がない
ブラッシングのコツ
体に触られることに慣れさせるほか、ブラシが体に触れても怖がらないように、まずはブラシで好きに遊ばせると良いでしょう。
いきなり不快な部分をブラッシングされると逃げられてしまうので、まずは猫が触られて気持ち良いと感じる顔周りや首、耳の付け根などを軽くマッサージする感じで行いましょう。
顔→首→背中の順で行い、猫が嫌がりやすいお腹やお尻、しっぽ付近はごく短時間で手早く終わらせてください。
ブラッシング中であっても、嫌がるような素振りを見せたらその時点で切り上げて、続きは時間を置いてから行ってください。
また、全てを一度に済ませようとせず、「まずは顔周辺」「背中だけ」など、短時間でできる範囲を終わらせるようにすれば、猫に無理をさせずに済みます。
まとめ
猫は自分で毛づくろいをすることで、常に清潔さを保ってます。
しかし、抜け毛対策の側面など、さまざまな効果が期待できるのでブラッシングは欠かせないとても重要なお手入れといえます。
猫はその気質から、なかなかおとなしくブラッシングをさせてはくれません。
今回の記事では、お手入れを嫌がる猫に上手くブラッシングをするための方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。