便秘の猫向けマッサージについて

誰しも経験したことがある「便秘」。
なかなか相談しづらいデリケートな部分ではありますが、年齢を重ねるごとにその割合は増えていくといわれています。

もちろん、猫にも便秘は存在します。

しかし猫は自ら「便秘です」ということはありません。そうしたら飼い主は、どこをポイントにして猫の便秘を見分ければよいのでしょうか。また猫の便秘におすすめのマッサージ方法はあるのでしょうか。

猫が便秘になる原因は?

猫の便秘

猫が食べたものはどのように消化されるかご存知ですか。

猫も人と同じように、食べたものは食道から胃を通過して消化されます。さらに十二指腸で消化、分解、小腸で栄養を吸収し大腸に移動します。そして水分が吸収され、うんちとなって排泄されるのです。

この一連の流れがスムーズにいけば、なんら問題なく健康なうんちを出すことができますが、何らかの影響で「便秘」を患ってしまうことがあります。

ではそもそもなぜ、猫は「便秘」を引き起こしてしまうのでしょうか。

水分が不足している

やわらかく、そして排出しやすい便にするには多くの水分が必要です。

しかし元々猫はあまり水分補給をしない生き物ですので、水分不足になりがちです。そのため、どうしてもうんちが硬く排便しづらい状態になってしまい、便秘を引き起こしてしまうのです。

ストレスを抱えている

猫は環境の変化に敏感でキレイ好きです。そのためトイレの場所が変わったり、汚れが残っていたりするとそれだけでストレスに感じてしまいます。

そのためこうしたストレスが蓄積すると、排便や排尿を我慢してしまうことも少なくありません。便意を我慢することは体によくないですし、腸内に便が詰まってしまい排出しづらくなってしまいます。

また便意が起こりにくくなり、便秘が慢性化する原因にも繋がります。

毛玉が詰まっている

猫は毛づくろいをしているとき、舌に付いた毛を飲み込んでしまうことがあります。

少ない量の毛であれば口から吐き出したり、うんちと一緒に出てきたりするのですが、毛を大量に飲み込んでしまった、または吐き出すのが苦手な場合は、飲み込んだ毛が胃腸で毛玉となってしまいます。

そしてその毛玉が腸につまり、便秘を引き起こしてしまうのです。

腸や肛門などに異常がある

猫は加齢になると、腸の機能が低下します。そうすると便を押し出すためのぜんどう運動が弱くなり、便秘になる可能性があるのです。

また腸内にポリープや腫瘍ができると、便が腸内に長く留まってしまい便秘を引き起こします。さらに肛門周辺の炎症、脱肛などができることで痛みを生じ、我慢してしまうことで便秘になってしまうこともあります。

猫のトイレ回数はどのくらい?便秘のサイン

猫が1日にトイレで済ます排尿と排便の回数は下記の通りです。

●尿:1日2~3回
●便:1日1~3回

理想としては排尿が1日2~3回、排便は1日1回とされていますが、1日の排泄回数は個体差がありますので、一概に回数が少ないからといって便秘だとは言い切れません。

では愛猫が便秘だと疑うべき判断基準は、回数以外にあるのでしょうか。

1日1回が理想

猫の排尿、排便の頻度や量は個体差があります。もし愛猫のおしっこやうんちが1日1回であっても、健康診断上問題なければ気にすることはないでしょう。

そもそも排泄する量は、飲む量や食事に含む水分、そして質などによる消化率で異なります。まずは排泄頻度が低いことよりも、そのリズムが一定であるかよく観察してあげてください。

もし、いつもより長時間排泄が見られなければ、普段の様子と比較し、少しでも異変があればかかりつけの動物病院を受診するようにしましょう。

便秘のサイン①:排便が丸2日以上ない

前述でお伝えした通り、排尿や排便はする頻度や量に個体差があります。ただし一般的に丸2日以上排便がない場合は、便秘の可能性が高いといえるでしょう。

便秘のサイン②:回数が多い、切れが悪い

排便はあるが1日に何回もしたり、便の切れが悪くなったりしていたら便秘の可能性が考えられます。

原因としては一度に便を排出できないため、腸内に便が残っていることが考えられます。

便秘のサイン③:力んでいるのに排便できない

便秘により腸内に大量の便が溜まっていると、力んでもなかなか便が出てこないことがあります。

また水分量が足りないことで便が硬くなってしまい、排泄時に痛みを感じて鳴き声をあげてしまうこともあるようです。

便秘のサイン④:うんちが固くて乾燥している

健康な便は十分な水分量を含んでいることからツヤがあります。しかし、便秘になると便の水分量が腸に吸収されてしまい、表面が乾燥した硬い便が出るようになってしまいます。

これは普段の食事内容も影響していると考えられますが、硬くて短いコロコロとした丸い便が何日も続くようであれば、便秘の可能性が高いといえるでしょう。

便秘のときのマッサージ方法

便秘マッサージは、猫がリラックスしているときに始めます。
前足、背中、しっぽ、後足の順にゆっくりと優しくなでながら、猫の様子を観察します。

気持ち良さそうにしていたら、手を前後に動かしそっと脇腹をやさしく揉んで腸を刺激させましょう。このとき決して強く揉まず、やさしく「の」の字を描くように時計回りにおなかを揉んでいきます。

おなかを触られるのを嫌がるようであれば、後ろの付け根あたりを背中側からやさしく揉んであげてみてくださいね。

また運動不足でも便秘になりますので、適度な運動や水分を多く与えるようにしてくださいね。それでも改善しない場合は、かかりつけの動物病院に相談するようにしましょう。

まとめ

猫の便秘の理由から、便秘のときのマッサージ方法までご紹介しました。

私たち人も1日で便秘が改善しないように、猫の便秘もすぐに改善するものではありません。

特に猫の場合、便秘になる原因はストレスや水分不足など、生活環境を見直すことで解消するものから、動物病院を受診し検査をしなくてはいけないものまで、さまざまあります。

日頃から愛猫の様子をよく観察し、排泄の様子などもしっかりチェックしてあげてくださいね。

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