犬と違い猫にはしつけができない、もしくは必要ないと考えている方もいらっしゃると思います。
では、猫の問題行動にはどのように対処すればよいのでしょうか。
今回は、猫が起こす問題行動にどのように対処すればよいのか、猫のしつけについて解説していきます。
そもそも猫にしつけはできないのか?
同じペットでも、犬にはしつけが必要なイメージがあるものの、猫にはしつけが『不要』もしくは『できない』と考えている方も多いのではないでしょうか。
確かに、猫に犬のようなしつけを施すことは難しいですが、繰り返し学習させることでやられたら困ることや、やってくれると嬉しいことを覚えてもらうことはできます。
では、具体的に猫にはどんなしつけ方をすれば良いのでしょうか。
猫のしつけの怒り方・やり方
ペットのしつけの基本といえば、『怒り方』と『褒め方』でしょう。
しかし、やり方を間違えると逆効果になることもあるため、基本的なことでありながらとても大事なことでもあります。
では、どういうやり方が正しいのでしょうか。
正しい怒り方
猫が良くないことをしたら、間を置かずその場ですぐにやってはダメということを伝えましょう。理想は3秒以内です。
時間を開けると自分の行動を忘れてしまい、何を叱られているのか分からなくなってしまいます。
また、注意するときは、信頼関係を崩さないために、猫が見えない場所から声をかけ行動をやめさせるようにしましょう。
叱るときは言葉の意味ではなく感覚的に分からせるため、「ダメ」「こら」など短い言葉を使うと効果的です。
ご家庭内で叱り方やルールを統一することも重要です。
一度で覚えさせるのは無理かもしれませんが、繰り返すことで「この行動をすると嫌なことが起きる」と学習して、やらなくなります。
褒めることが大切
猫を褒めるのに重要なのは、『その場ですぐ褒める』ことです。
時間を開けて後で褒めたとしても、猫は何を褒められているのか理解できません。褒めたことを理解してもらい、その行動を今後も繰り返してもらうためには、「いい行動」をしているそのときに、短く優しい口調で褒めてあげてください。
褒めると同時に、愛猫が喜ぶこと――例えばおやつを与えたり撫でてあげたりすると、効果が増します。
生活環境を見直してみる
猫の問題行動を予防するには、生活環境の見直しも大切です。
ゴミ箱や植木鉢など倒れやすい物を置かない、棚の上に物を置かずに引き出しの中に仕舞うなど、やられて困ることをできなくすれば、そもそも問題は起こりません。
猫は、好奇心旺盛で行動力がある動物なので、したいことをさせないのはストレスを与えることになってしまいます。そのため、猫の生活圏内は「叱らなくても良い環境」を整えるようにしましょう。
トイレのしつけは?
ペットのしつけで難しいものといえば、トイレではないでしょうか。
実際、猫を飼っている方の中にも、トイレを覚えさせるのが大変と感じている方は多いようです。
ここでは、猫にトイレを覚えさせるためのポイントを紹介します。
しつけの手順
特に寝起きや食後、飲食後、遊んだ後はトイレに行きたがるタイミングなので、準備しておくことをおすすめします。
これを繰り返せば「トイレを成功する=褒められる」と学習して、排泄したいとき自発的に
トイレに行ってくれるようになります。
トイレを失敗する場合は環境に問題があることが多いので、一度見直してみることをおすすめします。
トイレを設置する場所のポイント
- 静かで排泄に集中できる
- 人通りが少ない
- 食事場所や寝床から離れている
- 寒くも暑くもない
- 飼い主の目が届く場所
- 生活圏から近すぎず遠すぎない
猫が好む快適なトイレとは?
- においが籠らない
- 常に清潔
- 排泄物が残っていない
- 入口が低く入りやすい
- 適度な広さ
- 排便後に便をしっかりと隠せる
- 猫砂が体につきにくい
- 猫砂が好みのタイプ
テーブルに上らせないためのしつけは?
猫はその高い身体能力を活かして、高い所に上りたがる習性があります。
キャットタワーなど、そのために用意された場所に上る分には問題ありませんが、物が置かれたテーブルなど、上ってほしくない場所に上られて困った飼い主さんも多いでしょう。
では、テーブルに上らせないようにするためには、どのようなしつけをすれば良いのでしょうか。
そもそもテーブルに上らせないための環境づくりが大事
愛猫をテーブルに上らせないためには、生活圏の環境を整えてあげるのも有効です。
猫は本能的に上下運動を好み、高い場所に行きたがるため、キャットタワーなど上っても良い高い場所を用意しておけば、テーブルよりもそちらを選ぶようになるでしょう。
また、もしもテーブルに上っても被害を抑えるために、テーブルの上に何も置かないようにすれば安全です。
食べ物やおもちゃなど、猫の興味を引くような物を置いてしまうと、テーブルに乗りやすくなるので、その点にも注意しましょう。
褒める、叱るのは行動したその瞬間に
猫はほんの少し前のことであってもをすぐに忘れてしまうので、叱るにしても褒めるにしても、その瞬間に行わなければ効果がありません。行動し終えてから声をかけても、意味がないのです。
そのため、テーブルに上るのを止めさせたいのであれば、猫がテーブルに乗った瞬間、もしくはテーブルに上がろうとタイミングで叱る必要があります。
声ではなく、テーブルを揺らすのも有効です。
何度か繰り返せば、次第に「テーブルに上ると嫌なことがある」と学習してやらなくなるでしょう。
嫌いなニオイで近付けない
猫は嫌なニオイを避ける傾向ががあるので、柑橘類やコーヒーなど猫が嫌がるニオイがするものをテーブル付近に置けば、テーブルに乗ることを防止することができるでしょう。
物を置くことが難しいようなら、市販されている猫用柑橘系スプレーを吹き付けることで、同じ効果が期待できます。
ただし、ラベンダーやハッカ油など、猫の身体に悪い影響を与えるものの使用は控えるようにしてください。
霧吹きやスプレーのしつけについて
猫のしつけのために、霧吹きやスプレーを使う方がいるようです。
では、実際こうした物を使ったしつけは有効なのでしょうか。
効果があるのかどうか、どんな使い方をすれば良いのか解説していきます。
しつけに効果がある場合も
猫は水とある種のニオイが苦手なのですが、この2つをしつけ用に組み合わせた「しつけスプレー」というグッズがあります。
このスプレーには、猫が苦手とするニオイの液体が入れられており、使い方もただ吹き付けるだけという、とてもシンプルなしつけ用グッズです。
猫がいたずらや粗相をしたらこのスプレーを使うことで、「こういうことをすると嫌なことが起きる」と記憶させることができるので、しつけに効果があるかもしれません。
顔にかけるのはNG
猫のしつけとして、霧吹きで顔に水をかけて脅かす方法はよく耳にするでしょう。
確かに、その場では問題行動を止めてくれますが、このやり方では猫との信頼関係を壊してしまいかねません。
止むを得ない状況で、どうしても猫の動きを止めなければならなくなったら、顔ではなく全身に軽くかかる程度に吹き付けるようにしてください。
まとめ
「猫にはしつけができない」という意見もあるようですが、無理というわけではありません。
犬と比べるとしつけられる範囲に違いはありますが、猫にも学習能力がるため、飼い主のしつけ方次第でしっかり覚えてくれます。
今回の記事の内容を参考に、猫との信頼関係を第一に考え、愛猫の生活環境を見直してみることをおすすめします。