猫好きにとって、猫を抱っこできるのはそれだけでご褒美といえるでしょう。しかし、おとなしく抱っこさせてくれない子も少なくありません。
実際に「抱っこしようとしたら逃げられた」という経験がある方は多いと思います。
では、上手に猫を抱っこしている方は、どのような方法で抱っこしているのでしょうか。
抱っこの仕方は?
猫に慣れていないと、液体のようにつかみどころのない体に驚いて「どうやって抱っこすれば良いか分からない」かもしれません。
猫は抱っこの仕方が悪いと居心地の悪さを感じて逃げ出すこともあるので、猫を飼うのであれば抱っこの仕方を知っておく方が良いでしょう。
正しい抱っこの手順
ただし胸を圧迫しないよう、胸周りは掴まないようにしてください。
猫は短い時間しか我慢してくれないので、持ち上げてから膝に乗せるまで素早く行ってください。
猫が体の向きを変えられるよう、ある程度自由にさせると良いでしょう。
慣れるまで仰向けにするのはNG
お腹は猫の弱点なので、基本的に仰向けの状態になることを嫌います。
そのため、愛猫を仰向けにして赤ちゃんのように抱っこするのは、余程慣れて信頼されるようになるまでしない方が良いでしょう。
この格好では、リラックスするどころか強いストレスを感じたり恐怖心で固まったりしてしまうかもしれません。場合によっては、後ろ足で蹴られる可能性もあります。
抱っこには信頼関係が大切
いくら飼い主とはいえ、迎えてすぐに愛猫から信頼されるようになるわけではありません。
抵抗なく抱っこできるようになるには、スキンシップやコミュニケ―ションを重ねて、信頼される必要があります。
最初は警戒されていても、良好な関係が築けていればそのうち猫の方から甘えてきて抱っこしてほしそうにしてくるので、焦らず仲を深めることを優先しましょう。
抱っこを嫌がる理由って?
猫は抱っこしようとすると嫌がって、『逃げる』『暴れる』『唸る』など、拒絶することがあります。
しかし、これには猫なりの理由があるので、そこをクリアすれば抱っこさせてくれるようになるでしょう。
では、猫が抱っこを嫌がるのは、どんな理由があるのでしょうか。
抱っこに対して嫌なイメージがある
過去に抱っこされたことで嫌なことがあった場合、猫はその記憶から抱っこを嫌がるようになってしまいます。
例えば、抱っこされたまま痛い思いをしたり、動物病院で抱っこされて嫌な思いをしたりすると、経験から「抱っこをされると嫌なことが起きる」と思い抱っこを拒んでしまうのです。
特に、生後2~7週間のいわゆる『社会化期』にそうした体験をするとより深く記憶に刻まれてしまい、成長しても抱っこを嫌がってしまいます。
環境に慣れていない
抱っこされるのが嫌という以前に、うるさくて落ち着けない場所だったり、ほかの動物や人が来るような環境だったりすると、その場にいること自体にストレスを感じてしまいます。
臆病だったり神経質な性格だったりすると、尚更でしょう。
そのため、猫の態度を見て落ち着かない様子なら、場所を変えてリトライしてみるとおとなしく抱っこさせてくれるかもしれません。
抱っこの仕方が悪い
抱っこされることは嫌ではないものの、抱っこの仕方が悪いと嫌がって逃げられてしまう場合があります。
この場合、抱っこされることで居心地が悪く感じているので、正しい抱っこの仕方ができれば愛猫は喜んで抱っこさせてくれるでしょう。
ポイントは、『安定』です。
猫目線の安定して居心地の良い抱き方を覚えて、愛猫を抱っこしてあげましょう。
猫にその気がない
抱っこされる側にもタイミングがあります。
もしも遊びに夢中だったり安眠していたり、食事中だったり、邪魔されたくないタイミングで抱っこしようとしたら当然嫌がられてしまいます。
そうでなくとも猫は気まぐれな性格の子が多いので、基本的には猫のタイミングに合わせて抱っこしてほしいときにしてあげる方が良いでしょう。
性格的にベタベタされるのが苦手
猫はマイペースな動物です。そのため、自由を奪われることを嫌がる子も珍しくありません。
性格的に飼い主にベッタリするのが好きではない子も多いので、この場合は「抱っこされるのが好きではない」ということを理解してあげましょう。
中にはただ慣れていないだけで、関係性が築ければ抱っこさせてくれるようになる場合もあります。抵抗されたら抱っこ嫌いになる前に解放してあげてください。
猫の嫌いなにおいがする
香水やハンドクリーム、たばこのにおいなど、飼い主から苦手なにおいがする場合、猫は抱っこされるどころか近付かれることすら嫌がって逃げてしまいます。
犬ほどではないものの、猫の嗅覚は人間と比べてはるかに鋭いので、近付くことすら嫌がられるようなら、一度自分のにおいに気を遣ってみた方が良いかもしれません。
抱っこをせがむ理由って?
猫は抱っこを嫌がるイメージが強いですが、逆に抱っこを要求してくることもあります。
飼い主からすれば、愛猫からの要求は嬉しいものですが、猫が抱っこしてほしいときは、どんな理由があるのでしょうか。
飼い主に甘えたいとき
猫が抱っこをせがむときは、「飼い主さんに甘えたい」という心理のときです。
普段はマイペースに動いている愛猫が、足にからまってきたり何度も膝の上にのってきたりするようなら甘えたいときなので、気持ちに応えて抱きかかえてあげましょう。
寒くて温まりたいとき
「猫はコタツで丸くなる」という童謡の歌詞の通り、猫は寒さが苦手な動物です。そのため、猫は寒い季節になるとより暖かいところへ移動して暖を取りたがります。
飼い主さんの膝の上は、安心感も得られて温まることもできる、猫にとってまさにベストポジションといえるでしょう。
寒い日に猫がすりよってくるようなら、温まりたいという気持ちの表れなので、お互いに温め合ってはいかがでしょうか。
まとめ
猫を飼ったら、抱っこしてかわいがりたいと思うのが飼い主の心情でしょう。
しかし、猫は気ままな性格なので、慣れてくれるまでおとなしく抱っこさせてくれないうえ、抱っこしようとすると逃げる子もいます。
嫌がるにはそれなりの理由があるので、今回の内容を参考に「なぜ嫌なのか」その理由を理解して、より良い関係性を築いてください。