猫がふみふみする理由は?いつまで行う?

ふと愛猫を見ると、布団やクッションなどやわらかい場所などで、前足や後足を使って交互に踏む仕草をしていませんか。

とてもかわいらしい姿ですが、この❝ふみふみ❞する行為には理由があるのでしょうか。また、いつまで行うのでしょうか。

ここでは猫がふみふみする理由について解説していきます。

猫がふみふみする理由

猫がふみふみする理由

猫が前足や後ろ足を使ってふみふみする仕草を海外では「ニーディング(kneading)」や「ミルクトレッド(milk tread)」と呼ばれており、「こねる」「母乳の出をよくするため」という意味があるそうです。

見ているだけでとても癒される仕草ですが、その理由は以下の3つが考えられています。

子猫時代の名残り

猫がふみふみする姿は本来、子猫が母猫のおっぱいを飲むときに見られる光景です。

前足をグーパーさせながらおっぱいを刺激することで、母乳の出をよくすることが知られています。

多くの場合は離乳し、おとなに成長していくとこの仕草は見られなくなりますが、おうちで飼われている猫の場合は、飼い主という母親のような存在がそばにいます。

そのため、いつまでも子猫の気分が抜けずにふみふみするのではないかと考えられています。

安心感・甘えている

おとなになってからも毛布やクッションなど、やわらかい場所で前足を踏むのは、子猫時代の名残や巣を整える行動だという説もあるようです。

いずれにしてもこの仕草をしているときは、心からリラックスしていると考えて間違いないでしょう。

また飼い猫が飼い主に対してふみふみするのは、信頼し甘えている証拠。ふみふみが終わるまで、そっと見守ってあげてくださいね。

やる気の表れ

走りだす前やおもちゃで遊んでいる最中など、床を踏みしめるように前足で急にふみふみしだす姿を見たことはありませんか。

これは狩りをする前などに見られる光景で「よし!やるぞ!!」といったやる気の表れだといわれています。

また、猫は狩りをするときに前足を使って獲物を捕まえるため、ウォーミングアップの役割を果たしているのではないかとも考えられています。

さらにしっぽを立てて後ろ足で足踏みするときはマーキングをする合図とされ、実際にスプレーをしていなくてもこうした行動をすることがあります。これも欲求が高い状態といえるでしょう。

いつまでふみふみするの?

猫が盛んにふみふみする時期は2~3歳頃といわれていますが、ふみふみする時期は猫によってさまざまです。

おとなになってからし始める猫もいれば、突然しなくなる猫もいるようです。また自立心が芽生え始めると、ふみふみするのを止める猫もいるそうですよ。

しかし子猫の頃からふみふみをしてきた猫は、おとなになってもクセになってしまう子もいます。

また「寂しい」という気持ちを紛らわすために、突然ふみふみをし始める猫もいるため、猫によってバラつきがあるといえそうです。

ふみふみはストレス発散にも?

子猫は母猫のおっぱいを押すことで、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」や「プロラクチン」の分泌を刺激することで、母乳の出を促しているといわれています。

この動作はおとなになってからもする猫も多く、ストレス発散を始め、気持ちを落ち着かせる、愛情を確かめ合うなどさまざまな理由があるそうです。

リラックス

まず1番に考えられるのが、子猫時代を思い出してリラックスしていることといえるでしょう。

基本やわらかい物の上に立ちふみふみをしますが、なかにはヨダレを垂らしながら気持ち良さそうな表情をする子もいます。

もしも愛猫がヨダレを垂らしながらふみふみをしていたら、愛猫専用のやわらかいクッションなどを用意してあげるとよいかもしれませんね。

寝る前のルーティン

寝る前に心を落ち着かせようと、寝る前のルーティンとしてふみふみする猫もいます。

ふみふみには気持ちを落ち着かせたり、寝床を整える意味があるといわれていますが、もしかしたら寝る前のストレッチ的な意味もあるのかもしれません。

また寝ながら前足をグーパーさせたり、口を尖らせておっぱいを吸う仕草を見せることがあります。これは子猫時代の夢を見ているのかもしれませんね。

ストレス発散

ふみふみは気持ちを穏やかにさせるだけではなく、不安やストレスを解消させたいときに見られる光景ともいわれています。

リラックスしているときとは違い、毛布やタオルなどの布製品を吸ったり、かじったりしているときはストレスを発散させているといえます。

この行為は「ウールサッキング(毛織物吸い行動)」と呼ばれ、タオルや毛布といった布製品のほつれた糸などを飲み込む危険性があるので注意が必要です。

もしもこうした行動を取っていた場合は、ほつれやすい布製品を片付けるようにしてください。

またストレスや不安となる要素を見つけ出し、いち早く取り除いてあげることも大切です。

マーキング

猫の肉球には「臭腺」があり、マーキングしたいものがあると臭腺から分泌される匂いを擦り付ける傾向にあります。

そのため、布団やクッションなどふみふみしている時は「これは私のもの!」「僕のだから取らないで!」と主張しているのかもしれません。

愛情確認

椅子に座っていたり、寝転がっていたりすると、愛猫が膝やお腹をふみふみしてきたことはありませんか。これは飼い主を信頼し、甘えている証拠でもあります。

猫にとっての愛情表現の1つですので、少しだけ動かず見守ってあげてくださいね。

後ろ足のふみふみは別の意味がある

猫がふみふみする動作の多くは前足を使っていますが、なかにはしっぽを立てて後足を使いながらふみふみする猫もいます。

これはオス猫に多く見られ、発情期のサインともいわれています。また腰を軽く振っていた場合は、交尾の練習であるマウンティングの1つでもあります。

ただ、交尾をしたいのにできない状況が続くと猫にとって大きなストレスになります。特に繁殖する予定がなければ早めに去勢・避妊手術を検討してあげてくださいね。

ふみふみと一緒にこんな行動も

猫の多くは、ふみふみをしながら体をくねくねさせたり、よだれを垂らしたり、布などをチューチュー吸う仕草を見せることがあるようです。

これらの行動はどのような意味があるのでしょうか。

くねくねする

ふみふみしながら体を左右にくねくねする仕草は、全身で嬉しい気持ちを表現しています。

ただ、もしその仕草をしているのが生後6~10ヶ月のオス猫であれば、性行動の一環とも考えられます。

生理現象の1つなのでビックリすることはありませんが、去勢・避妊手術を考え始める時期といってよいでしょう。

よだれが出る

体がリラックスしていると、副交感神経によってよだれが分泌されやすいそうです。

そのため、ふみふみしながらよだれが出ていた場合はリラックスしているといえるでしょう。

布などを吸う

母猫のおっぱいを吸うように、毛布などを吸う仕草を取ることがあります。

これは「ウール・サッキング」と呼ばれる症状の1つで、子猫の頃に母猫から満足に愛情を受けずに育ち、甘えることに執着している状況といえます。

そのため、猫が布などを吸う仕草は赤ちゃんに戻っているといえるでしょう。

またこの行為自体に問題はありませんが、布を噛みちぎって飲み込むと消化ができず、腸の中に溜まってしまうリスクが考えられます。

最悪の場合、手術で異物を摘出する必要がでてきますので、あまりにも頻度が高い場合はかかりつけの動物病院に相談するようにしてください。

グーパーする

前足をグーパーする仕草はふみふみと同様、リラックスしている証拠です。

優しいまなざしで見守ってあげてくださいね。

ゴロゴロと喉を鳴らす

ふみふみしながらゴロゴロと喉を鳴らしていたら、それは気分が最高に良いことを知らせている、または飼い主に甘えている場合がほとんどです。

近くに来てこのような仕草を見せたら、たくさん甘やかしてあげましょう。きっと猫も喜びますよ。

まとめ

猫がふみふみする理由についてご紹介しました。

一つひとつの仕草にはちゃんと理由があったんですね!

基本的に猫がふみふみするのは、甘えていることがほとんど。より信頼関係を深めるためにも、猫がふみふみしていたらそっと見守ってあげてくださいね。

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