老猫が食べないときはどうすればいい?原因や対処方法について

老猫が食べない原因は?

老猫 食べない

ごはんをあまり食べなくなることの多い老猫ですが、具体的にはどんな原因によって食欲が減退しているのでしょうか。

基礎代謝が低下した

まず、加齢によって基礎代謝が低下したことが考えられます。
基礎代謝とは呼吸や心臓の運動、体温維持など、生きていく上で消費される必要最低限のエネルギーのことを指します。

年を重ねるにつれて基礎代謝が低下する、つまり必要なエネルギー(カロリー)が少なくなるので、一般的に食欲も落ちることが多いです。

噛む力が弱くなった

歯がもろくなったり、顎の力が衰えたりすることで噛む力が弱くなります。そうなってくると、ごはんをうまく噛むことができないので食べなくなるということがあります。

特にカリカリ(ドライフード)のような硬いものを与えている場合、細かく噛むことができずに吐き出してしまう危険も。

口腔内の要因

口腔内に何か問題が起きているとき、痛みなどからごはんを食べなくなることがあります。

具体例は以下の通りです。

口内炎

高齢の猫は口内炎が発症しやすいといわれています。
また、よだれの分泌量が減るので口内の殺菌力が弱まりやすく、一度できると治りにくい傾向もあります。

歯周病

歯周病とは、細菌の感染によって歯ぐきや歯を支える骨などが溶けてしまう病気のことです。猫は人間よりも歯周病になりやすく、特に老猫になると発症しやすくなります。

重度になると「全部の歯を抜かなくてはいけなくなる」ということもあるので、注意が必要です。

口内のケガ

なにかの衝撃で口内にケガをしてしまった場合も、痛みによりごはんを食べなくなることがあります。

ストレス

人間と同様ですが、猫もストレスで食欲がなくなることがあります。

ストレスになる要因としては、引っ越しなどによる環境の変化や飼い主に構ってもらえない寂しさ、嫌な場所(動物病院など)に行くことなどです。

猫はストレスを感じやすい一面があるので、考えられる要因がある場合は早めに取り除いてあげましょう。

体調不良

以下のような体調不良が起きているとき、猫はごはんをあまり食べなくなります。

病気

高齢の猫は免疫が下がり、さまざまな病気にかかりやすくなっています。症状のひとつとして食欲不振が挙げられるものもあります。

病気が疑われる場合は、早期発見のためにも早めに病院で受診するようにしましょう。

脱水症状

必要な量の水を摂取できていないと猫も脱水症状になりますが、その結果元気がなくなる、食欲がなくなるなどといった症状が見られます。

鼻づまり

老猫は鼻づまりによってごはんの匂いを感知できず、食べなくなることがあります。

呼吸器系の疾患を患っている可能性もあるので、「ごはんを食べない」「呼吸も苦しそう…」というときには獣医師に診てもらうようにしてください。

食べないときの対処方法①:食事内容の見直し

愛猫がなぜごはんを食べないか、それはフードの内容に問題があるのかもしれません。
食事の工夫などを中心に見直しの方法をご紹介します。

年齢に合ったフードを用意する

長年同じフードを与えていませんか?

年齢ごとに必要な栄養素などは違うので、しっかり年齢に合ったキャットフードを用意することが大切です。

ウェットフードを与える

老猫は噛む力が弱くなっているので、水分を多く含むウェットタイプのフードが適しています。ウェットフードは、消化や水分の補給にもなりおすすめです。

ただし、ウェットフードのみ与える場合は、「総合栄養食」と書かれたフードを選ぶようにしてください。
必要な栄養を過不足なく与えられるようにしましょう。

フードをふやかしてあげる

いつものドライフードを与える場合には、ぬるま湯や猫用のホットミルクでふやかして与えるのがよいでしょう。

フードをふやかすと香りが立ち、食欲増進にも効果があります。

愛猫の好みに合わせる

猫も年を取るにつれて食の好みが変わることがあります。
好みの味じゃなかったり美味しくないと感じていたりすると、ごはんを食べなくなることも。

愛猫の好みに合ったフードを与えるようにしましょう。

食べないときの対処法②:与え方の見直し

「食事内容は工夫しているのに食べてくれない…」そんなときは、与え方も工夫できるかもしれません。

食事の内容だけでなく、以下のようなポイントも見直してみましょう。

食器のデザインを変える

食器のデザインや大きさ、質などを変えてみて、猫の好みを探してみるのもひとつです。

また高さのある食器にすることで、首への負担を減らすこともできます。

食事の場所で大きな音を出さない

テレビや洗濯機などの音が、猫にとってはストレスになっている可能性もあります。

静かに安心して食事ができるような環境づくりをしてみてください。

食事の回数を増やす

猫がごはんを食べてくれないと思っていても、それは加齢によって1回に食べられる量が減っているだけかもしれません。

食事の回数を増やすことで、1日に必要な食事量を与えることができます。

高齢猫に必要な栄養素

愛猫があまり食べれなくなってしまった場合、健康維持のために必要な栄養素がしっかりと摂れているのか、心配になりますよね。

ここでは、バランスよく摂取したい高齢猫に必要な栄養素をご紹介します。

水分

高齢猫は水分量が不足しがちですが、脱水症状や泌尿器疾患などを防止するためにも、水分補給は大切です。

お水をなかなか飲まない猫にはウェットフードや猫用ミルクなどで補うようにしましょう。

タンパク質

タンパク質は高齢猫にとって必要不可欠の大事な栄養素。高齢用のキャットフードには、タンパク質が多く含まれています。

エネルギー源となるほか、健康維持のためにも重要な役割を果たします。

脂質

脂質は健康のために減らすべきだと考える方も多いと思いますが、適切な量であれば健康に影響はありません。

むしろ脳や筋肉のエネルギー源であり、満腹感を得るためにも必要な栄養素です。

食欲がなくなった老猫にとって嗜好性も重要なので、バランスよく食事に含めるようにしましょう。

ビタミン

総合栄養食のキャットフードに必要な量が含まれていますが、ビタミンは筋肉量低下の防止・被毛や皮膚の健康維持などに重要な役割を果たします。

カルシウム

骨が脆くなっている老猫に骨折防止のためにも欠かせない栄養素が、カルシウムです。

しかし腎臓へ負担がかかってしまうため、リンとカルシウムのバランスを適切にした食事を与えるようにしましょう。

食物繊維

腸内環境の改善や便秘防止のために与えたい食物繊維。腸内環境を整えることは、免疫や腎臓などにも良いといわれています。

老猫は特に胃腸の衰えや運動不足によって便秘になりやすいので、食物繊維もしっかり摂取できるようにしてくださいね。

まとめ

老猫がごはんを食べない原因や対処方法についてご説明しました。

高齢期になるにつれて食事の量が減るのは当たり前と思われがちですが、健康維持のためにも、必要な栄養素はしっかり摂取できるように工夫しましょう。
すぐに実施できる対処法もご紹介したので、ぜひ今日からでも試してみてくださいね。

ただし、何かしらの疾患を抱えているという可能性もあるので、様子次第では早めに病院に連れていくようにしましょう。

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