イカ耳って?猫の耳の形で気持ちが分かる?

猫は耳を器用に使い、音を聞き分けたり感情を表したりします。
そんな耳の動きの1つに『イカ耳』があることをご存じでしょうか。

猫が耳を横に倒すことでまるでイカの頭の形に見えることからイカ耳と呼ばれるようになりました。

本記事では、特徴的なイカ耳をはじめ、猫の耳の役割や動きの意味について解説していきます。

なぜイカ耳をする?

イカ耳

猫が耳を横に倒し、正面から見るとまるでイカの頭のような状態にするときがあります。
これは、猫の【イカ耳】と呼ばれる仕草です。

猫の耳は筋力が発達しており、耳だけをさまざまな方向に向けて音を確認したり感情を表現したりします。

では、猫のイカ耳はどんなときになる状態なのでしょうか。

耳の形で感情を表現する?

猫の耳は、音を聞く以外にもさまざまな『感情表現』の役割があります。

猫はしっぽの動きや鳴き声、姿勢で感情を表現しますが、耳の動きにも注視すればより詳しく猫の感情の動きが分かるでしょう。

猫の耳の特徴と構造

猫の耳は、音を聞き分ける以外にもさまざまな能力があります。
その1つが、体温調節機能です。

猫の耳にはには多くの毛細血管が集まっていて、それを収縮・拡張させることで体温を調整することができます。これは猫以外にも多くの哺乳類で見られる能力で、汗をかいて体温を調整する人間とは違った体温調整機能です。

また、猫といえば優れたバランス感覚でも知られていますが、これにも耳が大きく関係しています。猫は平衡感覚器を司る三半規管がとても発達しているため、高い場所を難なく歩いたり高い所から飛び降りても無事に着地したりできるのです。

このほか、猫は五感の中で最も聴力が優れている動物で、その可聴域はおよそ60〜65kHz。人間の可聴域が20〜20kHzということを考えると、いかに猫の聴力が優れているかが分かるでしょう。

猫は耳を自在に動かせる?

猫の耳は筋肉が発達しており、左右別々に細かく動かすことができます。音を聞きたい方向に耳を向けることで、集音器のような役割を果たすことができるのです。

これにより音の出所を聞き分け、獲物の居場所を察知したり危険を回避したり周囲の状況に対処します。

また耳を動かすことで、コミュニケーションのためのカーミングシグナル(動物のボディランゲージの一種)として使われることもあるのです。

イカ耳の理由①:警戒している

猫が耳をイカ耳にする理由の1つとして、警戒していることが挙げられます。

上述したように猫は耳を自由に動かせるので、気になる方向に耳を向けることで情報を得ようとします。不安や危険を感じるとイカ耳になり、状況に対応できるように周囲を警戒するのです。

警戒している状態の猫に構うと、敵と見做されて威嚇されるかもしれないので、不用意に触ろうとするのはやめましょう。落ち着くまで放っておいてあげるのがベターです。

イカ耳の理由②:集中している

興味を引かれる音がすると、猫はイカ耳になってその音に集中します。

状況的には警戒している状態と似ていますが、気になるものを特定しようと意識を集中しているためやや興奮気味の状態です。

イカ耳の理由③:不満がある

猫の耳は、音だけでなく感情の変化――何か不満がある場合も、イカ耳になります。

「お腹が空いた」「構ってもらえない」など、不満があるとイカ耳になってそれを表現します。

耳以外にも、表情や仕草に不満が表れているので、特別わがままでなければ不満を解消してあげると良いでしょう。

イカ耳の理由④:恐怖を感じている

警戒している状態と似ていますが、特定の何かや状況に恐怖を感じているときもイカ耳になります。怖がっている状態だと、耳を伏せて体を小さくしているので、見た目で怯えていることが分かるでしょう。

例えば、家に迎えたばかりだったり初対面の人や動物に合ったりすると、この状態になります。

イカ耳以外の耳の動きは?

猫は耳を器用に動かして、音を聞いたり感情を表現したりします。慣れてくれば、耳の動きを見ただけでその時の気持ちなどが分かるようになるでしょう。

では、イカ耳以外の耳の動きには、どんな意味があるのでしょうか。

耳が前に向いているときは?

猫の耳が前を向いているときは、リラックスした状態です。
普通の状態といえるでしょう。

まっすぐにピンと立てているときは?

耳を真っ直ぐ耳を立てている状態は、何か気になるものがありその音を聞き分けようとしています。

上述したように、猫は聴覚が優れた動物なので、音から多くの情報を得ようとするのです。

後ろに引いているときは?

耳に力を込めて後ろに引いている状態は、怒りや拒否の気持ちの表れです。

迂闊に近付こうとすると、威嚇されたり攻撃されたりする恐れがるので注意してください。

ペタッと伏せているときは?

正面から見て「耳がなくなった」と思えるほどペタンと耳を後ろに引いているのは、強い恐怖を感じた状態です。緊張から体が縮こまり、表情も恐怖でひきつっています。

嫌な音がしたり威嚇されたときに良く見られる状態です。

顔と違う方向に向いているときは?

顔が向いている方向とは違う方向に耳が向いている場合は、ちょっと気になる音がそちら側からしたと思われます。少し気になる程度なら、顔や体を向けずに耳だけで音を確認します。

少しだけ外を向いているときは?

耳が外側に向いている場合は、リラックスしている状態です。

不機嫌なときにも耳を外へ向けることがありますが、表情や仕草が弛緩して体から力が抜けているのが見て分かるので、違いは分かるでしょう。

まとめ

猫は耳の筋肉が発達しており、左右別々にとても器用に耳を動かすことができます。この耳の動きで、音の方向を聞き分けたり感情を表現したりします。

今回は、猫にとってとても大事な部位である耳について解説していきました。

長く付き合っていれば、愛猫の耳を見るだけでその時の気持ちなど分かるようになるでしょう。今回の記事の内容も参考に、耳の動きの意味を理解して、愛猫のことをもっと理解してあげてください。

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