ゴロゴロと喉を鳴らす意味とは?
猫がゴロゴロと喉を鳴らすのには、そのときの状況や気持ちによっていくつかの意味があります。
よく知られている意味合いでは飼い主に甘えているときや、なでなでされて気持ちいいときなどがあります。しかし、実は良い意味だけではなく、嫌な気持ちのときにもゴロゴロと喉を鳴らすことがわかっているのです。
それではどんな種類があるのか、見ていきましょう。
リラックスしている
飼い主に撫でてもらったときにゴロゴロ喉を鳴らすことが多いですよね。これは、猫がリラックスしている証拠。
幸せを感じていたり、ご機嫌だったりすることなども意味します。
また、母猫と子猫がコミュニケーションを取るときにもゴロゴロ喉を鳴らすといわれています。
普段から愛猫としっかりコミュニケーションが取れていると、飼い主と一緒にいるときにも母猫と一緒にいるときのように安心するのではないでしょうか。
ストレスを感じている
猫が喉をゴロゴロ鳴らすのは、気分が良いときだけではありません。
なんと、リラックスしているときとは真逆の状態のストレスを感じているときにも、喉を鳴らすことがわかっています。
シャワーや爪切りなど猫が好きではないことをしようとするとき、ケガをしてしまったときなど…猫がピンチだと感じているときにゴロゴロ鳴るようです。
個体差はありますが、この場合はリラックスしているときよりも低めのゴロゴロ音になることが多い模様。なにかに苦しんでいる可能性もあるので、注意が必要ですね。
何かを要求している
「ご飯がほしい!」「なでなでしてほしい!」など。
何かを要求しているときにもゴロゴロと喉を鳴らすことがあります。
中には具合が悪いことを訴えている可能性もあるので、何をリクエストされているのかをよく観察するようにしましょう。
甘えている
うるんだ瞳でゴロゴロ言ってきたら、それは甘えたがっている証拠かも。
甘えているときの仕草には、他にも飼い主が脱いだあとの洋服やクッションなどを「ふみふみする」、自分のにおいをつけるように体を「スリスリ寄せてくる」などがあります。
心を許した相手に甘えている仕草なので、満足ゆくまで思いっきり甘えさせてあげましょう!
ゴロゴロ言いながら寝る理由は?
寝ているはずの愛猫がゴロゴロ喉を鳴らすのを聞いたことはありますか?
熟睡しているときにはゴロゴロ言わないはずなので、それは浅い眠りの状態で周囲を警戒している状態と考えられます。もしかすると飼い主や周りの環境にストレスを感じているのかもしれません。
そのような状態のときに構いすぎるのは逆効果なので、ひとりにさせる時間を作ってあげるように心がけてくださいね。
あるいはもしかしたら喉がゴロゴロ鳴っているのではなく、むにむにゃ寝言を言っているだけかもしれません。起こしてしまってはかわいそうなのでやはり触れ過ぎないほうがよいでしょう。
ゴロゴロ言いながら噛むのはどうして?
猫がゴロゴロ喉を鳴らしながら噛むのは、甘嚙みなら甘えているサイン。
かみかみして遊んでいるということも考えられます。可愛い仕草に癒されますが、たまに楽しくなってきて強く噛むこともあるかもしれないので、注意しましょうね。
また、ゴロゴロ喉を鳴らして甘えていたと思いきや、急に態度が一変、強くガブッ!と噛まれてしまうこともあります。
この場合は、何か気に入らないことがあって怒っていると考えられます。
甘噛みで終わるのなら大した問題にはならないと思いますが、だんだんエスカレートして噛む力が強くなるのは危険ですよね。
小さな子どもや来客にケガを負わせてしまうようなトラブルに発展する可能性もあるので、状況に応じて対処できるようにしておきましょう。
ゴロゴロの音が少しうるさいくらい大きいのは?
人の大きなイビキ音のように、少しうるさいと感じるくらい大きな音で喉をゴロゴロ鳴らす猫もいます。
飼い主にとって猫のゴロゴロ音は癒しの音ではありますが、あまりに大きい音で鳴かれると少し心配になりますよね。
ゴロゴロの音がうるさいくらい大きい理由としては、「猫の体が大きい」「訴えたい気持ちが大きい」などが考えられます。
体が大きい猫や喉を鳴らすときに使う筋肉が発達している猫であれば、猫にとっては穏やかにゴロゴロ鳴らしているつもりでも、他の猫に比べて大きな音に聞こえるかもしれません。
また何かを伝えるためにゴロゴロ鳴らしている場合は、気持ちが強い分ゴロゴロの音も大きくなることが考えられます。
言い過ぎなくらいずっとゴロゴロ言っているのは?
ずっと鳴りやまずにゴロゴロ言うときは、要求していることが満たされていない状態かも。
猫が言い過ぎなくらいにゴロゴロと喉を鳴らすようなら、何か満たせていない欲求があるかもしれないと疑い、よく観察してみてくださいね。
ゴロゴロなる仕組みって?
ここまで猫が喉をゴロゴロ鳴らす理由などをご紹介してきました。
では、どんな仕組みで猫の喉は鳴るのでしょうか。
実はゴロゴロ喉が鳴る仕組みは、まだはっきりと解明されていません。
有力説としては「喉頭」という人間でいうノド仏あたりにある筋肉が収縮し、声帯が振動することでゴロゴロと鳴る、と考えられています。
猫がゴロゴロ言わない理由は?
「成長するにつれて愛猫がゴロゴロ言わなくなった…」
飼い主にとっては、少し寂しいですよね。ですが、ゴロゴロ言わなくなるのにはいくつか理由があります。
ひとつめに、猫が大人になったからというのが考えらるようです。
親猫に甘えるときにゴロゴロ鳴らしていた子猫が、大人になりあまり甘えなくなったため、喉も鳴らさなくなっていくのかもしれません。
また、去勢・避妊手術をしたらゴロゴロ鳴かなくなったと言う飼い主もいます。
あるいは、ゴロゴロ音が小さくて聞こえないだけかもしれません。
そっと耳を近づけて聞いてみると、実は鳴っていた!ということもあります。
中には生涯言うことのない子もいますが、それがどうしてなのかはゴロゴロ鳴る仕組みと同様にまだ解明されていないようです。
ゴロゴロの音は癒し効果もある?
猫のゴロゴロ音は、実は人間にとってメリットがあることをご存知ですか?
ゴロゴロ音の周波数は25ヘルツほどの「低周波」といわれていますが、20~50ヘルツの音は体をリラックスさせる効果があります。
低周波によって自律神経の副交感神経が優位に働き、緊張をほぐしたり疲労を癒す効果があるのです。
猫はリラックスしているときにゴロゴロ喉を鳴らすと前述しましたが、そばにいる人間もリラックスできるなんて、猫のチカラは改めてすごいですね。
まとめ
ここまで猫のゴロゴロについて解説してきました。
猫が喉をゴロゴロ鳴らすのにはいろんな理由があることを解説してきましたが、その周波数が人間にとって癒し効果になるとは驚きですよね。猫の癒し効果は「可愛い」だけではありませんでした。
いまだ多くの謎が残されている「ゴロゴロ」。
研究が進み、解明されていく日も近いかもしれません。