皆さんは「キャットショー」と聞くと、どんなイメージを抱きますか。
毛の長い優雅な猫や、血統書付きの値段が高い猫が出場していると思う方も多いのでは?
実はキャットショーは、さまざまな団体が定期的に開催しており、出場している猫は血統書から雑種まで多種多様だったりします。
本記事ではキャットショーの審査内容から、チャンピオン猫になるまでの方法、さらにはチャンピオン猫の子供をお迎えするにはどうすればよいのかをまとめました。
キャットショーの目的とは?
日本には多くの愛猫団体が存在し、その団体が理想とする美しい猫を審査、表彰するキャットショーが各地で開催されます。
キャットショーの目的は「純血種の保全、改良、そして普及」です。
定期的にキャットショーを開催することで、よりオリジナルに近い純血種の保全と改良を重ね、より優れた猫を世に普及させているのです。
またキャットショーは本来、各団体で主催される愛猫家たちの親睦と情報交換の場所であり、猫のことをこよなく愛する人たちの交流の場でもあります。
キャットショーは、猫とブリーダーやオーナー(飼い主)が今までの努力を発揮する場所であると共に、猫好きな人のための祭典でもあるのです。
キャットショーでの審査基準
キャットショーはその大会ごとに審査基準や内容が異なりますが、一般的には猫種ごとにスタンダードの基準に沿って体をパーツごとにチェックすることで審査を行います。
猫種標準をもとにした審査ポイントは以下の項目などがあります。
・頭の形
・耳の形
・目の色
・大きさ
・毛色
例えば猫種によっては細かな審査基準がありますが「目の色はこの色、大きさはこのくらいが望ましい」「毛色はこの色であるべき」などが定められており、その基準に近いほど審査加点が高くなります。
複数の審査員が点数を付けていき、その合計があらかじめ決められた得点を超えると『チャンピオン』や『グランドチャンピオン』という称号を得ることができるのです。
キャットショーの始まり
キャットショーは世界的に歴史のある大会です。
公式な大会では、1871年7月13日にイングランドの「クリスタルパレス」で開催されました。
非公式のものだと、1598年にイギリスでお祭りの一環として開催されたという記録が残っています。
キャットショーの団体っていくつあるの?
日本にはキャットショーを主催する団体が多数ありますが、大きなところだと次の3つがあります。
- 「Cat Fanciers Association(CFA)」
- 「The International Cat Association(TICA)」
- 「Asia Cat Club(ACC)」
全世界ではTICAが登録者と登録猫数が多いといわれていますが、日本においてはCFAが根強い人気を誇っています。
国際的な猫団体は9つの協会で構成
日本で知られている血統登録機構は前述のようにCFAやTICA、ACCがありますが、世界には他にも大きな団体があります。
その中でも「World Cat Congress(世界猫議会)」の創立メンバーは、国際的かつ大きな組織。CFA、TICA、ACF、FIFe、WCFに加え、NZCF、CCCofA、GCCF、SACCの9つの協会です。
キャットショーに出場するには?ブリーダーでなくても参加はできるの?
「キャットショー」と聞くと、ゴージャスな被毛をした猫が出場しているイメージを持たれる方も多いかと思います。また優良な血統を受け継いでいないと参加できないと思っている方も多いのでは?
実は血統書の有無に関係なく、どんな猫でも参加できる分野があります。
2部門で構成されたキャットショー
キャットショーは主催する団体によって審査基準や出場資格、さらには出場部門の分類がそれぞれ異なるため一概にはいえないのですが、一般的に「スタンダード」「ハウスホールド」の2部門に分けられます。
猫種ごとに理想的な見た目を競うため、審査基準は厳しい。
「賞を取る」というよりも「たくさんの人に愛猫を見てもらいたい!」というラフな考えで出場できる。
スタンダードは、プロのブリーダーやペットショップ関係者などが多く出場する部門でもあります。そのため日頃から徹底した食事管理はもちろんのこと、入念なお手入れをされた猫たちが多く集まります。
一方ハウスホールドは一般の飼い主さんたちが集っているので、和やかなムードで交流を深めることができますよ。
参加費用はどちらも1万円程度。「愛猫を参加させてみたい」と思った方は、事前に各団体の窓口に問い合わせてみてくださいね。
キャットショーの見学は誰でも可能
キャットショーは「猫が好き」「猫に興味がある」といった方であれば、誰でも見学可能です。
ただしキャットショーを見に行く際は最低限のマナーを守る必要があります。
- ショーに参加する猫には絶対に触らない
- ショーに参加しない猫は会場に連れていかない
- 審査中は審査員、飼い主に声を掛けない
- 写真撮影は飼い主の許可を必ず取ること
- 騒いだり、大声をだしたりしない
特に猫は大きな音や声が大変苦手です。
小さいお子さまを連れて会場に行く場合は、騒いだり大きな声を出したりしないよう、保護者の方はしっかり見ているようにしてくださいね。
トップブリーダーが育てる猫はここがすごい!
猫を繁殖している「ブリーダー」は数多くいます。その多くのブリーダーの中には、キャットショーでチャンピオンになる猫を育て、その子孫を繁殖しているブリーダーもいます。
そういったチャンピオンにするべく血統にこだわり繁殖しているブリーダーを、本記事では「トップブリーダー」と呼びます。
では一般的なブリーダーと、トップブリーダーには何か違いはあるのでしょうか。
遺伝子から見極める
優秀な猫を育てるためには、親猫がどんな遺伝子を持っているのかをしっかり見定める力が必要になります。
スタンダードを重視しながら顔立ちや気質の良さ、さらには骨格のしっかりとした健康的な体の猫を探し出し、未来のチャンピオン猫を作出するのです。
管理体制がすごい!
まず大前提としてショーに参加するためには、健康であることが必須条件です。
そしてチャンピオンに輝くには、その猫本来の美しさを引き出す必要もあります。
顔立ちだけでなく、毛艶やその猫種にあったスタイル(痩せすぎ、太りすぎNG)であることが重要。
キャットショーに出すためには、毎日の徹底した食事管理を始め、体調管理にも細心の注意を払わなくてはならないのです。
お手入れがすごい!
キャットショーで一目置かれるのは、やはり艶のある美しい被毛でしょう。そのためには抜け毛や毛玉、フケのトラブルは絶対にあってはいけません。
毎日の丁寧なブラッシングを始め、新陳代謝を高めるマッサージ、1〜3ヶ月に一度のシャンプーを行い、美しい被毛を維持します。
また猫にストレスを与えてしまっては、心身共に悪影響を及ぼしてしまいます。
のびのびとくつろげる環境を提供し、ストレスフリーの環境で飼育することが、キャットショーで優秀な成績を収めるための第一歩なのです。
ハイクラスなブリーダーは「キャッテリー」と呼ばれることも
世界的な愛護団体であるCFAやTICA。
そのいずれかに認可されたブリーダーは「キャッテリー」と名乗ることを許されています。
キャッテリーとして認可されるには、TICAかCFAが純血統と認定した『登録ナンバー』を持つ猫の飼育と繁殖実績を持っている必要があります
キャッテリーに認定された場合、専門的に扱う猫種の血統を守り繁殖をしていかなければいけません。
キャッテリーで生まれた猫はある意味、世界的な団体に認められたレベルの高い純血統の猫といえるでしょう。
なぜトップブリーダーの子猫は高いの?
キャットショーに参加する人の多くは「うちの子が1番!」と自慢の猫を出場させます。
その中でチャンピオンになりたいと考えているのであれば、それまでの道のりに数十万円以上かかっていることも稀ではありません。
そもそもキャットショーでは素質を持った猫を所有していないと、チャンピオンに輝くことが難しく、そのためには外国から良い血統の猫を輸入することも。
もちろん素質を持った猫であっても、チャンピオンになるのは簡単なことではありません。優秀な血筋の入った両親猫を手元におき、レベルの高い子を良い状態で出産させるためには、想像以上の労力を必要とするのです。
トップブリーダーの元で生まれた子猫が、他の子猫と比べて高価なことが多いのはこういった理由から。チャンピオン猫の血筋を引いた子猫は、最低でも数十万、なかには何百万円もする場合もあります。
トップブリーダーが育てる子猫が欲しい!
「血統が良くてレベルの高い猫をお迎えしたい」「チャンピオンに輝いた猫の子どもが欲しい」そう思う方もいるのではないでしょうか。
でもどうすれば、チャンピオンに輝いたブリーダーを探せるのでしょうか。
ブリーダーナビでは、ブリーダーのプロフィールでもある「猫舎紹介」にチャンピオンを輩出した実績を始め、子猫の詳細情報ページにはチャンピオンになった血統が詳しく記載されています。
より優秀で美しい猫をお迎えしたいとお考えであれば、そういった点を注意しながら確認していただくとよいでしょう。
まとめ
今回は「キャットショー」について詳しく解説しました。
レベルの高い猫たちが一斉に揃うのは、なんだかとても見ごたえがありそうですね!
普段会うことのできない猫種が見られるのはもちろん、猫好きさんが多く集まるキャットショーは誰でも気軽に見学することが可能です。特にこれから猫を飼いたいと考えている方は会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。