猫にはさまざまな模様や柄が多く存在します。
黒猫や白猫を始め、三毛猫やサビ猫など、毛の色や模様、形や位置などから呼び名が付いたともいわれています。
そのなかでも、日本で最もポピュラーとされる虎柄の猫、通称「トラ猫」。このトラ猫は、一括りにはできない4種類のタイプが存在します。
ここではそんなトラ猫の種類別による性格や特徴などについて詳しくご紹介します。
虎柄の種類①:キジトラ猫
日本で一番多く飼われているとされる「キジトラ」。
鳥のキジ(メス)と動物の虎が混ざったような模様をしていることから「キジトラ」と呼ばれ、英名では「ブラウンタビー(Brown Tabby)」といわれています。
また野生の猫に最も近い毛柄であることから、学術的にも「野生型」といわれ『ヤマネコに一番近い猫』としても認められています。
キジトラの特徴や性格は?
体全体が茶色をベースに黒い縞模様が入っているキジトラ。唯一、口元だけ白いのが特徴的です。また顔に白色の毛が入ると、鼻の色がブチやピンク色になることも。
さらにキジトラは、メラニン色素が多い傾向から肉球は濃い茶色や黒色が多く、目の色はゴールド系が多いそうです。
性格は警戒心が強く、神経質気味。慣れるまでは、甘える素振りをあまり見せない傾向にあります。ベタベタ触られるのが苦手なので、触るのは猫が甘えてくるときだけにしたほうがよいでしょう。
キジトラ猫についてもっと知りたい方は、こちらの記事も読んでみてくださいね。

キジトラ猫がいる品種は?
キジトラ猫は雑種であることが多いため、ブリーダーやペットショップを通じてお迎えすることは難しいとされています。
もしもキジトラ猫をお迎えしたい場合は、里親サイトや譲渡会などに足を運ぶことをおすすめします。
虎柄の種類②:サバトラ猫
サバトラ猫はその見た目通り、魚の鯖に似た灰色の毛色をベースに、黒い縞模様が入った猫のことを指します。
毛色の他にも額にM字模様が入る子が多く、目の縁は黒のアイラインが入っています。
またサバトラの正式名称は「シルバーマッカレルタビー」または「ブルーマッカレルタビー」ですが、色の濃淡によって正式名称が変わるそうです。
サバトラ猫の特徴や性格は?
サバトラの外見的特徴として目の色がゴールドかグリーン、鼻はごげ茶色または濃い茶色をしています。また肉球も鼻の色同様、濃い茶色や黒色です。
性格は行動的で活発な子が多いようですが、大きく分けると2タイプが存在します。
特に白い毛の割合が多いほど、警戒心が強いといわれています。
サバトラの警戒心の強さは、日本に古くからいる猫特有の性格を引き継いでいるのかもしれません。
サバトラ猫がいる品種は?
「サバトラ」というと品種のように聞こえますが、あくまでも毛色の名称であり、そのほとんどが雑種だといわれています。
ただ唯一、サバトラの模様や色合いは、純血種のアメリカンショートヘアに似ています。
しかしよく見てみると、黒い縞模様に大きな違いがあります。サバトラは細い縞模様ですが、アメリカンショートヘアは、太めの渦巻きがくっくりと入る「クラシックタビー」という毛柄です。
そのため一見、アメリカンショートヘアはサバトラだと勘違いしそうですが、全く違う模様なのです。
虎柄の種類③:茶トラ猫
オレンジ色の縞模様が特徴的な「茶トラ」。アメリカでは「ジンジャー」と呼ばれていいます。
また茶トラといっても毛色のバリエーションが豊富です。
・顔の下半分は腹部などに白い毛色
「茶トラ白(茶白)」
・灰色がかかった淡い色合い
「シルバー(レッドシルバーマッカレルタビー)」
・淡いオレンジ色
「クリーム(クリームマッカレルタビー)」
さらに茶トラは、オスが生まれる傾向にあるため、他の猫よりも大きく見られることが多いそうです。
茶トラ猫の特徴や性格は?
猫の目の色は6種類に分かれていますが茶トラの場合、カッパー、ゴールド、ヘーゼルといった色が多く見られます。
また個体差はありますが、性格は気持ちをストレートに表現する子が多い傾向にあります。さらに大人になっても甘えん坊な子が多く、細かいことを気にしない大らかな性格でもあるそうですよ。
もっと詳しく茶トラについて知りたい方は、下記のページも参考にしてみてくださいね。

茶トラ猫がいる品種は?
茶トラ模様の猫にはどのような品種がいるのでしょうか。
ここでは代表的な猫種をご紹介します。
①アメリカンショートヘア
通称「アメショ(アメショー)」と呼ばれ、友好的な性格の持ち主。
赤みがかったオレンジブラウンをベースに、それよりも濃い色の縞模様が入ります。また一般的なブラウン系とは違い、雰囲気が柔らかく可愛らしい印象を受けます。

②マンチカン
ペットショップで見かけない日はない「マンチカン」は、人懐こく好奇心旺盛な猫です。
一番人気のクリーム系よりも赤みがかった毛色は、一般的に茶トラのような色を指します。
また白色が混ざった「レッドタビー&ホワイト」や、クリームと同様にタビーが入った「レッドタビー」は高い人気を誇ります。

③スコティッシュフォールド
「スコ」という愛称を持つスコティッシュフォールドは、丸い目と顔、そして折れ曲がった耳が特徴の猫種です。
またスコティッシュフォールドは、全ての毛色が認められています。アメリカンショートヘアと交配する場合、縞模様の猫が生まれることがあるそうです。

④ノルウェージャンフォレストキャット
もふもふの長毛が愛らしい、ノルウェージャンフォレストキャットは、毛色のバリエーションが実に豊富な猫です。
特に日本の茶トラのようなレッド系のカラーは人気が高く、とても優しい印象を受けます。

⑤メインクーン
世界中で人気の猫メインクーンは一言で表すと「犬ような猫」といわれ、人懐こく犬っぽい性格が特徴です。
メインクーンは30種類以上の毛色が存在するといわれ、特に茶トラ柄のメイクーンは人気の高い毛色の1つです。

珍しい?黒トラ猫ってどんな猫?
猫にはさまざまな種類の毛色が存在しますが、その中でも黒猫なのに虎のような縞模様が入っている猫が存在します。
かなり珍しいタイプではありますが、黒いトラ柄の猫は「黒トラ」や「ブラックスモークタビー」と呼ばれています。
黒トラ猫の特徴は?
黒トラ猫は全体的に黒色ですが、根元の色が白や薄い灰色になっているのが特徴です。また縞模様の出方は個体差があるため、くっきり見える子もいれば、うっすらと縞模様がある子もいます。
さらに黒トラ猫は、子猫の頃ハッキリと見えていた縞模様が成猫になるにつれて見えにくくなることもあるようです。
黒トラ猫の性格は?
黒トラ猫は、温厚で協調性を大事にする性格といわれています。また遊びに夢中になると周りが見えなくなり、誤って高い所から落ちてしまうようなドジな一面もあるようです。
黒トラ猫がいる品種は?
珍しい毛色である黒トラ猫。純血種で黒トラ模様の猫はいるのでしょうか。
ここでは代表的な猫種をご紹介します。
①アメリカンショートヘア
日本では珍しいブラック系カラーのアメリカンショートヘアもいます。
全身真っ黒な黒猫以外にも、黒トラ猫のように縞模様が見える子もいるそうです。
②マンチカン
マンチカンは毛色や柄がいくつも種類があり、単色や複数の色を持つ猫が多いのも特徴です。
なかには、黒トラのように黒をベースに縞模様が見える子もいます。
③スコティッシュフォールド
黒のスコティッシュフォールドは、あまり見ることがない珍しい毛色です。
全身真っ黒な子もいれば、黒トラ猫のように縞模様がある子もいます。
④メインクーン
下毛と上毛の根元にある白い毛色は「ブラックスモーク」と呼ばれ、黒い毛色の中に白い毛色はとても優美といえるでしょう。
まれに黒トラ猫のように縞模様が見える子がいます。その姿はとても迫力があり、凛々しく見えるのが特徴的です。
⑤ペルシャ
毛色が黒色のペルシャ猫は何種類か存在します。
シルバーシェ―デッド、ブラックソリッド、ブラックスモーク、パーティーカラーなど、黒い被毛といってもさまざまな呼び方があります。
またブラックスモークのペルシャ猫から、縞模様の入った黒トラのような猫が生まれることもあるようです。

⑥ミヌエット
マンチカンとペルシャから交配して生まれたミヌエット。全体的に小柄で可愛らしい体型をしています。
毛色の色は実に豊富であらゆる毛色がいるといわれています。特に人気があるのはホワイトやクリーム系の色合いですが、ブラック系の縞模様が入ったミヌエットは珍しいといわれています。

まとめ
「虎柄」の猫は日本で最も多く、ポピュラーな毛柄です。
虎柄の猫の性格は、警戒心が強いタイプとおっとり友好的な2パターンの傾向にありますが、生まれ育った環境や個体差もありますので、一概にはいえません。
しかし共通していえることは、飼い主さんが愛情を持って接することで猫も次第に心を開いてくれます。
虎柄の猫をお迎えしたら適度な距離を保ちつつ、たくさんの愛で包んであげてくださいね。