初心者にも飼いやすい猫は?種類ごとの特徴や飼いやすさ

みなさんは、猫といえばどんなイメージをお持ちですか?

「ツンデレ」「自由奔放」「孤独を愛する」などといったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

もちろん性格はそれぞれ違いますし、種類によって魅力や特徴も異なります。

どの猫を選ぶかの最終判断はあなた次第になりますが、猫を選ぶ際にぜひポイントとして抑えて欲しいのが『飼いやすさ』です。

特に初めて猫を飼う方や、一人暮らしで留守をする時間が長い方、マンションなどの集合住宅にお住まいで音を気にする方にとっては非常に重要なポイントとなるでしょう。

ここではそんな初心者でも飼いやすい猫種をご紹介していきます。

飼いやすい猫の特徴・選び方は?

飼いやすい猫

猫を飼う上で「飼いやすさ」はマストですが、飼う人の住環境や生活リズム、家族構成や好みなどで飼いやすい猫は変わってきますよね。

ただし、いくつかの点を抑えることで『比較的飼いやすい猫の傾向』が見えてくるかもしれません。

ここでは、初めて猫を飼う上で注目すべき6つのポイントをまとめました。

お迎えするときのポイント①「性別」

猫の性格はさまざまですが、オス猫とメス猫は性格や特徴には違いがあるようです。

●オス猫の性格
・好奇心旺盛
・イタズラ好き
・喜怒哀楽がハッキリしている
●メス猫の性格
・マイペース
・自立している
・警戒心が強い

一般的にオス猫はメス猫よりもやんちゃで甘えん坊、メス猫はおとなしく自立しているといわれています。

どちらが良いか好みは分かれますが、人懐っこく甘えん坊な子がお好きでしたら、オス猫がよいかもしれません。

ただし、オス猫は活発なので遊び回る際の音が気になることも。

またオス猫は自分のなわばりを確保するために、マーキングの一環としてスプレーをします。去勢手術すればスプレー行動はなくなりますが、中には手術が済んでもマーキング行動をするオス猫もいるため注意が必要です。

騒音や掃除の手間などといったことを考えると、オス猫よりもメス猫の方が少し飼いやすい傾向にあるかもしれません。

お迎えするときのポイント②「性格」

飼いやすい猫の特徴として、下記のような性格を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

  • 賢い
  • 社交的
  • 甘えん坊
  • おとなしい
  • 人懐っこい
  • 自立している
  • 鳴き声が小さい

例えば、一人暮らしをしている方でアパートやマンションなどの集合住宅にお住まいなら、鳴き声が小さく、おとなしい猫が飼いやすいといえます。

また小さなお子さんがいるご家庭では、お子さんと上手く接することができる社交的で人懐っこい猫がよいといえるでしょう。

お迎えするときのポイント③「短毛か長毛か」

猫の被毛は短毛と長毛に分かれますが、毎日の抜け毛掃除やブラッシング、シャンプーなどのお手入れの手間は圧倒的に長毛の猫が大変です。

そのため「猫のお手入れは楽でありたい」と考えている人にとっては、短毛の猫が飼いやすいといえるでしょう。

ただし、量は違えど短毛の猫にも抜け毛はあります。衣服やカーペットなどの家具にもつくため、週1~2回はブラッシングはしてあげることをおすすめします。

お迎えするときのポイント④「年齢」

猫を飼う上で子猫から育てるか、それとも成猫した猫を飼うかで飼い方に差が生まれてきます。

子猫から飼う醍醐味はなんといっても、小さくてかわいい頃を一緒に過ごすことができること。しかし、まだまだ子猫は自分でごはんを食べたり、排泄をしたりすることができませんので、人間の補助が必要となります。

また、子猫の頃は身体が環境の変化に弱いため、猫だけ留守番させるのは大変危険です。そのため、常に誰かが家にいる必要があるといえます。

次に成猫の場合ですが、ある程度の性格が確立されているため「こういう猫がいい」といった希望に沿いやすいかもしれません。

しかし成猫の場合、新しい環境に馴染むまでに時間がかかったり、悪い習性を直すのに苦労するかもしれません。

お迎えするときのポイント⑤「大きさ」

猫の平均寿命は医療の発達などから年々伸びており、猫全体の平均寿命は15.45歳※1といわれています。

そのため猫を迎えるということは、長い間一緒に生活するということになるので、体の大きさも気になるところ。

例えば大きく成長する猫の場合、トイレを始め、キャットタワーも大きめのものを選ぶ必要がありますし、キャリーケースも適切なサイズのものを購入する必要があります。

さらに運動する時の動きも大きいため、アパートやマンションなどの集合住宅にお住まいの方は下に音が響く可能性もあります。

これらのことから猫を飼う場合は、成猫になった時の大きさや、住んでいる部屋のスペースなどを考えて検討する必要があるでしょう。

※1.一般社団法人ペットフード協会「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査 結果

お迎えするときのポイント⑥「鳴き声」

猫の鳴き声は、個体差や鳴き方によるボリュームで異なりますが、鳴き声の大きさを音の強さや電力の減衰などで表すと、約75db(デシベル)といわれています。

この音量は、電話のベルや騒々しい街頭や事務所などに該当し、寝ている人が不快になって起きるほどの音となります。

そのため、近隣住民の迷惑になる恐れも十分に考えられますし、また飼い主自身もストレスに感じてしまうこともあるかもしれません。

そう考えると、アパートやマンションなどの集合住宅にお住いの方は、鳴き声が小さく、おとなしい猫が飼いやすいかもしれませんね。

飼いやすい猫種一覧

上記の内容を踏まえて見た時、どのような猫種が飼いやすいのでしょうか。
一般的に「飼いやすい猫」としてよく挙げられる猫種は以下の通りです。

  • アメリカンショートヘア
  • シンガプーラ
  • スコティッシュフォールド
  • ノルウェージャンフォレストキャット
  • バーミーズ
  • ブリティッシュショートヘア
  • ペルシャ猫
  • マンチカン
  • ミヌエット
  • メインクーン
  • ラグドール
  • ロシアンブルー

※50音順

12種類の猫たちが持つそれぞれの「飼いやすさ」をもとに、ご自身に合った飼いやすい猫を探して見ましょう。

ただし、下記の特徴は種類ごとの傾向になるため、全ての個体が当てはまるわけではありません。あくまでも参考としてご覧ください。

飼いやすい猫種①「アメリカンショートヘア」

原産国:アメリカ
毛種:短毛種
体重:約3.0~6.0kg
性格:陽気で賢く、好奇心旺盛
特徴:毛色の種類が豊富、臨機応変に振る舞える

初めて猫を飼う人におすすめの猫種として、必ず名前が挙がるのが「アメリカンショートヘア」です。

通称“アメショー”と呼ばれるこちらの猫種は、全体的に中型で骨格がしっかりとしています。また筋肉が発達しており、環境の変化にも強くて丈夫な猫とされています。

性格は基本的に大らかで明るく、好奇心旺盛。社交性にも優れているため、他のペットや小さな子どもがいるご家庭でも飼いやすいのが特徴です。

遊ぶことが大好きなので、猫とコミュニケーションを楽しみたい方におすすめです。

飼いやすい猫種②「シンガプーラ」

原産国:シンガポール
毛種:短毛種
体重:約2.0~3.0kg
性格:優しくて甘えん坊
特徴:鳴き声が小さい、多頭飼いは不向き

世界最小の猫と呼ばれるほど小さい「シンガプーラ」は、人懐っこくて甘えん坊な性格をしています。

しかし少々神経質なところもあるため、他のペットや子どもとの同居は控えた方がよいでしょう。

また環境の変化をとても嫌うため、知らない場所に行ったり、家族以外の人に会わせたりするのは避けてあげてくださいね。

鳴き声がとても小さい猫なので、集合住宅にお住いの方や一人暮らしの方におすすめです。

飼いやすい猫種③「スコティッシュフォールド」

原産国:スコットランド
毛種:短毛種・長毛種
体重:約3.0~6.0kg
性格:穏やかでおとなしい
特徴:丸い目と丸い顔に折れ曲がった耳が印象的、毛色や模様が豊富

全体的に丸みを帯びたフォルムが印象的な「スコティッシュフォールド」は、鼻先からしっぽの先まで60cm程度。手足が短く、ずんぐりむっくりした愛らしい体型をしています。

穏やかな性格をしているため、他の猫やペットがいてもあまりケンカになりません。また、犬のように人懐っこい性格なため、猫とのふれあいを楽しみたい方におすすめの猫種といえるでしょう。

ちなみに折れ耳(垂れ耳)が印象的なスコティッシュフォールドですが、折れ耳(垂れ耳)は全体の3割ほどで、立ち耳の子が大半といわれています。

飼いやすい猫種④「ノルウェージャンフォレストキャット」

原産国:ノルウェー
毛種:長毛種
体重:約3.5~7.0kg(ロング&サブスタンシャル)
性格:辛抱強く優しい
特徴:遊ぶことが大好きで運動能力が高い、ゴージャスな被毛

筋肉質で骨太な「ノルウェージャンフォレストキャット」ですが、見た目とは裏腹に穏やかで優しい性格をしています。

また、好奇心旺盛で遊ぶことが大好きなので、子猫の頃から走り回ったり、高い所にジャンプしたりと元気いっぱいです。成猫になっても遊び心は健在ですので、キャットタワーやキャットステップを設置したり、棚の上をよじ登ったりできる環境を整えてあげましょう。

人や他の猫とも友好的に接することができ、がまん強い性格の持ち主でもあるため、小さなお子さんがいるご家庭でも飼いやすい猫といえそうです。

飼いやすい猫種⑤「バーミーズ」

原産国:ミャンマー
毛種:短毛種
体重:約3.1~5.0kg
性格:陽気で人見知りをしない
特徴:かわいい声で鳴く、光沢のある豪華な被毛

シャム猫の血を受け継ぐ「バーミーズ」は、とても社交的で人見知りをしない性格です。そのため、来客があった場合でも自ら近寄っていくことも少なくありません。

また「話し上手な猫」といわれるバーミーズは、飼い主のやさしい声掛けにも応えます。その鳴き声はとても小さくてかわいらしいため、魅了される愛猫家も少なくありません。

環境の変化にも柔軟に対応できるため、初めて猫を飼う方におすすめです。ただし、長時間の留守番は苦手ですので、一緒に過ごす時間を作れる人に向いている猫種といえるでしょう。

飼いやすい猫種⑥「ブリティッシュショートヘア」

飼いやすい猫種⑥「ブリティッシュショートヘア」

原産国:ミャンマー
毛種:短毛種
体重:約3.0~9.0kg
性格:自立心が高い、静かで穏やか
特徴:耳が少し離れていて先端が丸い、骨太で筋肉質

まん丸な瞳に、ぷっくりとした頬が印象的な「ブリティッシュショートヘア」は、穏やかで優しい性格をしていますが、自立心が高い傾向にあるため、あまりスキンシップを好みません。

しかし、心を許した家族には深い愛情を示してくれるので、そのギャップが溜まらなく可愛い猫種でもあります。

鳴くことが大変少ない猫種といわれているので、アパートやマンションで飼うのにはおすすめです。ただし、騒がしい場所や小さな子どもが苦手なので、大人だけが生活する環境に適しているといえそうです。

飼いやすい猫種⑦「ペルシャ猫」

原産国:イラン
毛種:長毛種
体重:約3.0~5.5kg
性格:物静かでマイペース
特徴:鼻ペチャ、ゴージャスな毛並み

猫の代表格とも呼ばれる「ペルシャ猫(チンチラ)」は、優しくて穏やかな性格をしています。また人との距離を取るのが上手で、付かず離れずの程よい関係性を保つことができます。

さらに留守番も難なくこなし、他のペットとも仲良くできるので、あまり手のかからない猫種といえそうです。

無駄に鳴くこともなく、鳴いたとしても声が小さいので、集合住宅にお住まいの方にはおすすめです。

飼いやすい猫種⑧「マンチカン」

原産国:アメリカ
毛種:短毛種・長毛種
体重:約2.5~3.5kg
性格:好奇心旺盛、甘えん坊
特徴:足長・中足・短足の3タイプが存在する

短い足が印象的な「マンチカン」ですが、実は短足であるマンチカンは全体の約2~3割といわれており、足の長いマンチカンや短足と足長の中間にあたる中足も存在します。

元々異種交配で作出された猫種でもあるため性格は多種多様ですが、傾向的には好奇心旺盛で社交的なタイプが多いです。また、柔軟で穏やかな性格をしているので、他の猫やペットとも仲良く接することができます。

社交的で甘えん坊なので、コミュニケーションをたくさん取りたい方におすすめの猫種です。

飼いやすい猫種⑨「ミヌエット」

原産国:アメリカ
毛種:短毛種・長毛種
体重:約2.2~4kg
性格:人懐っこく温厚
特徴:やわらかい豪華な被毛

マンチカン譲りの好奇心旺盛な性格と、ペルシャ猫のような甘えん坊な性格を併せ持つ「ミヌエット」は、とても個性的な猫種です。

また人懐こく警戒心も少ないため、飼い主以外の人にも近寄ってくる温厚な性格を持ち合わせています。ただし、あまりしつこくされるのは嫌がるので注意してください。

遊ぶことも大好きなので、構ってあげられる時間を確保できる人におすすめです。

飼いやすい猫種⑩「メインクーン」

原産国:アメリカ
毛種:長毛種
体重:約4.0~8.0kg
性格:頭が良くて賢い、ツンデレ
特徴:美しく豪華な毛並み、キリっとした目

イエネコの中でも大きな猫種である「メインクーン」は、ジェントルジャイアントという愛称を持つ身体的な特徴と、賢さと遊び好きなことが知られています。そのため、きちんとしつけをすれば、ちょっとした芸を覚えることも可能です。

また温厚で優しく穏やかな性格をしていますので、小さなお子さんがいるご家庭も飼いやすいといえるでしょう。

ただし必要以上に構われるのは苦手なので、程よい距離感で接してあげるようにしましょう。

飼いやすい猫種⑪「ラグドール」

原産国:アメリカ
毛種:長毛種
体重:約4.5~9.0kg
性格:穏やかでのんびり
特徴:艶がありシルクのような毛質をしている

“ぬいぐるみ人形”という意味を持つラグドールは、人懐っこく抱っこを好む傾向にあります。

もちろん、抱っこを苦手とするラグドールも存在しますが、基本的に穏やかで優しい性格をしています。また飼い主に従順な性格をしているため、比較的しつけもしやすいでしょう。

さらに物怖じしない性格も持ち合わせていますので、小さなお子さんがいるご家庭でも安心して飼うことができるのでおすすめです。

飼いやすい猫種⑫「ロシアンブルー」

原産国:ロシア
毛種:短毛種
体重:約2.5~4.0kg
性格:愛情深い、遊び好き
特徴:エメラルドグリーンの大きな瞳、アッシュブルーの毛並み

知的で飼い主に対する愛情が深い「ロシアンブルー」は、おとなしくて穏やかな性格をしています。

体臭はほとんどなく、お手入れもさほど手がかからないといわれていますので、初めて猫を飼う人におすすめです。

また、鳴き声をあげないことが多く、鳴いたとしても小さくやわらかい声で鳴くことから「ボイスレスキャット」や「サイレントキャット」と呼ばれています。そのため、アパートやマンションなどの集合住宅にお住いの方におすすめの猫種といえそうです。

雑種の猫が飼いやすいって本当?

上記の猫種とは別に、飼いやすいとされる猫は「雑種」と呼ばれる猫です。

雑種とは「種類が入り混じる」という意味を持ち、雑種猫はその名の通り2種類以上に品種が掛け合わされて生まれた猫のことをいいます。現在日本で飼育されている猫の約78%※2は雑種猫であるといわれています。

雑種猫多くは、地域の野良猫が自然交配して誕生しますが、人間の手によって作出された「ハーフ猫(異なる純血種の親を持つ猫)」として雑種と区別する場合もあります。

雑種猫の性格は多種多様ですが、一般的には飼い主に従順で人懐っこく、飼いやすいといわれています。

ここではそんな雑種猫の特徴や飼いやすさについて見ていきましょう。

※2.一般社団法人日本ペットフード協会の調査「全国犬猫飼育実態調査」

雑種猫の特徴は?

雑種猫には、日本猫として愛されている「キジトラ」や「茶トラ」を始め、「黒白ブチ」「黒(ブラック)」「白(ホワイト)」「サバトラ」「サビ」「三毛」などの被毛が存在します。また柄のバリエーションも豊富です。

さらに一部の猫は、しっぽが短かったり、折れていたりする子もいるので、まさに雑種猫は「オンリーワン」の魅力があるといえます。

特に血統書などにこだわりがなければ、自分好みの見た目や特徴、性格などで飼い猫を選べることができるので、雑種猫を視野に入れてみてもよいかもしれませんね。

雑種猫の飼いやすさ

雑種猫は「飼いやすい猫」とよくいわれます。
その理由は、さざまな遺伝子を掛け合わせられていることから、遺伝子疾患が少なく丈夫で長生きであるといわれているからです。

また基本的に雑種猫は短毛が多いため、長毛種の猫と比べると抜け毛の量は少ないですし、お手入れも楽といえそうです。

性格に関しては、私たち人間と同じく個体差があり、品種によって断定できるものではありませんが、傾向としては穏やかで飼いやすい猫といわれています。

そのため、初めて猫を飼う人は雑種猫も選択の1つに入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、初心者でも飼いやすい猫をご紹介しました。
どの猫種にも個体差はあるものの、基本的にこれらの品種は飼いやすく、多くのご家庭で飼われていますのでおすすめです。

ただし、飼い主さん次第で飼いやすい猫の基準は異なります。ご自身の生活環境やどんな性格の子が自分に合っているかなど、考えてから迎え入れてあげるようにしましょう。

もちろん、お迎えしたら責任と愛情をしっかりもって生涯かわいがってあげてくださいね。

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